キャンプの新定番「お座敷スタイル」って?
キャンプ人気が高まるにつれ、定番にこだわらず、思い思いのスタイルで過ごす人々が増えてきました。まずは、『お座敷スタイルキャンプ』がどのようなものなのか、確認しておきましょう。
まるで家にいるような感覚で過ごせる
ハイスタイル・ロースタイルときて、近年人気を集めているのが、お座敷スタイルと呼ばれるキャンプスタイルです。お座敷スタイルキャンプでは、日本の和室のように床に座って過ごせるスペースを、アウトドアフィールドに再現します。
大自然と和室というとミスマッチな印象ですが、実際にやってみると驚くほど快適です。『キャンプにはテーブルと椅子が必要』という固定概念を捨てた、日本人ならではの発想といえます。
お座敷スタイルキャンプの魅力
お座敷スタイルキャンプはどこからともなく始まり、その人気は瞬く間に広がりました。キャンパーたちは、お座敷スタイルのどのようなところに惹かれるのでしょうか?
靴を脱いでリラックスできる
近年では、自宅にもあえてソファを置かず、自由に過ごす人々が急増しています。靴を脱げるお座敷スタイルにハマるのは、普段から床にぺたりと座って過ごすことの多い人かもしれません。
テントの中にカーペットを敷き詰めてしまえば、自宅のリビングと変わらない空間ができあがります。脚を伸ばしてリラックスするのも、寝転がって過ごすのも自由自在です。
テントから一歩出れば、雄大な自然が目の前に広がっています。好きなだけ外で遊び、疲れたらリビングで休むなど、これ以上ないぜいたくな時間を過ごせるでしょう。
荷物をコンパクトにまとめられる
お座敷スタイルキャンプは、最低限のアイテムだけでテントサイトが完成するのもメリットの一つです。大型ギアがない分、設営や撤収の手間がかかりません。
直接床に座るので、家具も座椅子・座卓などコンパクトなものが多くなるでしょう。その結果、大型のキャンプチェア・ベンチなどが必要なくなり、持ち運ぶ荷物も軽快になります。
椅子・テーブルがなくても始められるので、手持ちのギアが少ない初心者でも、低予算からスタートできる点は大きな魅力といえるでしょう。
子どもが自由に動ける
お座敷スタイルは、幼い子どもを連れたファミリーキャンプにも最適です。小さな子どもは、じっと椅子に座っているのが難しいことも多いですが、お座敷スタイルならそのような気苦労はありません。
また、広々としたスペースを確保できるため、子どもたちは自由に遊び回ることができ、親たちはその間リラックスできます。ハイハイで動き回っても汚れが気にならないので、乳幼児連れでも過ごしやすいでしょう。
背の低い家具しか置かないので、子どもが高い場所から落ちてケガをする危険が減ります。親と同じ目線で過ごせるため、子どもにとっても安心できる環境といえるでしょう。
お座敷スタイルの設営ポイント
お座敷スタイルのキャンプを快適に楽しむためには、硬い地面や寒さへの準備が肝心です。ここでは、具体的な設営のヒントを手順を追って紹介します。
フロアシートを敷いて冷えを防ぐ
まず、地面からの冷えを防ぐことが大切です。フロアシートを敷くことで、底冷えや水ぬれを防げます。防水グランドシートにも同様の効果があるので、どちらかを持参しましょう。
寒さの厳しい冬場は、銀マットを使用すると効果的です。銀マットは断熱性が高く、冷えをしっかりとブロックしてくれます。
クッション性があるため、ゴツゴツした地面の感触も伝わりにくくなります。フィールドの状態によっては、夏場でも敷いておいた方がよいかもしれません。
肌触りのよいラグを敷く
次に、フロアシートの上に心地よい肌触りのラグを敷きましょう。ラグを敷くことで床の断熱効果が上がり、同時に空間の雰囲気をより温かく魅力的に演出します。
さらに、ラグの下にホットカーペットを設置すると、室内がいっそう暖かくなり、冬でも快適に過ごせます。
ラグは、厚手で柔らかな素材のものが最適です。ふわふわとした弾力が体への負担を減らし、子どもが転んでもケガをしにくくなります。
また、大型ラグにすれば1枚で済むので、部屋の印象がまとまり、よりおしゃれな空間を作りやすくなるでしょう。
好みのインテリアで飾る
最後に、好みのインテリアで室内を飾りましょう。クッション・ブランケットなどのリラックスアイテムを上手に取り入れることで、自分だけの特別な空間が作れます。
おしゃれなランタンや、温かみのあるキャンドルをプラスするのもおすすめです。照明効果のおかげで、空間全体の雰囲気が一段と魅力的になるでしょう。
冬場にはこたつを置いて、ほっこりとしたインテリアを作るキャンパーも多く見られます。スタイルにこだわらず好きなものを配置して、思いきりアレンジを楽しんでみましょう。
お座敷スタイルにあると便利なものは?
快適な時間を過ごすためには、あると便利なアイテムがいくつかあります。準備しておけば、よりのびのびと過ごせるでしょう。どんなアイテムがあるのか、詳しく紹介します。
季節に合った敷物
お座敷スタイルキャンプで、サイトの印象を大きく左右するアイテムは敷物です。季節に応じた敷物を用意することで、お座敷スタイルの快適さがぐんとアップします。
汗ばむ夏場は、さらりとした天然素材のラグがおすすめです。畳を使用すると涼しげで、和の風情も楽しめます。
逆に、寒い時期にはこたつを利用する人も多く、ふわふわの敷物と合わせて使用すると、見た目にも温かさが増します。季節に合った敷物を選ぶことで、どんな季節でもお座敷スタイルを楽しめるでしょう。
背もたれのある座椅子
地べたに座れるのは楽なのですが、長時間になると腰やお尻が痛くなってしまいます。そこで活用したいのが、クッションや背もたれ付きの座椅子です。
クッションを1個挟むだけで、圧迫感が軽減され、快適さが格段にアップします。背もたれがあれば、よりリラックスした体勢で過ごせるでしょう。
角度や高さを調節できるものを選べば、小まめに体勢を変えられます。通常のキャンプチェアよりもコンパクトに収まるので、持ち運びの観点からも魅力的です。
たき火ができるテント
キャンプにバーベキューは、定番のアクティビティです。せっかくお座敷スタイルにするなら、のんびりと夕食を作れるテントを用意してはいかがでしょうか。
さらに、夕食などを楽しむためのローテーブルも一緒に用意すると完璧です。冬場にはストーブを設置して、熱々の鍋や熱かんを楽しむのもよいでしょう。
なお、通常のテント内で火を燃やすのは厳禁です。耐火素材や大型ベンチレーションシステムを備えた、『たき火可能』と明記されたテントを選びましょう。
お座敷スタイルにおすすめのアイテム3選
心地よい和の空間にぴったりな、おすすめのアイテムを3点紹介します。以下のアイテムがあれば、お座敷スタイルキャンプをいっそう楽しめるようになるでしょう。
クレイジークリーク 「ザ・チェア2.0」
「座椅子は欲しいけれど、荷物を増やしたくない」という人に試してほしいのが、クレイジークリークの『ザ・チェア2.0』です。
折り畳むと厚さが約4cmになるため、車のトランクの隙間に差し込んでおけます。背面には取っ手になるループが付いているため、トートバッグのように持ち歩けます。
何より座面と背もたれが柔らかいパッドでできており、長時間使用しても疲れにくいデザインが魅力です。ストラップで角度を調節できるほか、丈夫な生地を使用しているので耐久性も申し分ありません。
腰や背中の負担を軽減し、リラックスタイムをのんびりと過ごせます。
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- 商品名:クレイジークリーク 「ザ・チェア2.0」
- 公式オンラインストア:商品ページはこちら
スノーピーク「ワンアクションちゃぶ台竹 M」
ワンアクションで簡単に設置できる、約65×21cmの丸いちゃぶ台です。竹材を使用しているため、自然の風景に違和感なく溶け込み、手持ちのギアともなじみやすいでしょう。
美しい木目のデザインには高級感があり、アウトドアだけではなく自宅での使用にもおすすめです。脚を伸ばしたいときは片付け、お茶を飲みたいときには手早く設置できます。
天板は折り畳み式で、使用しないときは半分のサイズで収納可能です。もう少し小さい方がよい場合は、約50×18cmの『ワンアクションちゃぶ台竹 S』を選ぶとよいでしょう。
- 商品名:スノーピーク「ワンアクションちゃぶ台竹 M」
- 公式オンラインストア:商品ページはこちら
スノーピーク
ワンアクションちゃぶ台竹 M
サイズ:φ650×210(h)mm 重量:3.8kg 収納サイズ:W650×H325×D49mm
モンベル「ムーンライトスクリーン 4」
広げるだけで簡単に設置できる、自立式タープです。高さ約214cmとなっており、お座敷スタイルで使用すると、天井の高い開放感のあるリビングになります。
4面が大きく開口するため換気しやすく、暑い夏でも快適に過ごせるでしょう。メッシュスクリーンを閉じれば、風通しを遮らずに、蚊などの虫の侵入を防ぎます。
同シリーズの『ムーンライトテント 4』と連結して、居住空間を広げることも可能です。先に寝た子どもの様子を見ながら、リビングでのんびり星空を眺められます。
生地には難燃加工が施され、火の粉が飛んでも燃え広がりにくいため、たき火調理も安心して楽しめるでしょう。
- 商品名:モンベル「ムーンライトスクリーン 4」
- 公式オンラインストア:商品ページはこちら
まとめ
お座敷スタイルキャンプは、靴を脱いで過ごせるので、家にいるときと同じようにリラックスできることが最大の魅力です。
設営のポイントは、いかに心地よい空間を作れるかという点にあります。フロアシートやラグを敷くほか、座椅子・クッションを使用して快適性を追求してみましょう。
慣れてきたらインテリアにもこだわり、自分の生活スタイルに合わせて、少しずつアイテムを追加していくのも楽しみの一つです。「キャンプに少しマンネリ気味かも」と思ったら、和風なお座敷スタイルキャンプに挑戦してみてはいかがでしょうか。