「このたび、本市は㈱小学館ビーパル誌と包括連携協定を結ぶことになりました。都市公園でのパルパーク・プロジェクト実施は全国初の取り組みであります」
2月9日、福岡県北九州市の市庁舎。北橋健治北九州市長と編集長オオサワによる共同記者会見が行われた。北橋市長はパルパークとの連携の意義を静かに、しかし一語一語に力をこめて次のように述べた。
「豊かな自然環境に恵まれた本市には自然を生かしたさまざまな公園があります。今回の協定締結により、ビーパル誌のノウハウと本市の魅力ある公園が結びつくことによって、市民が自然を楽しむチャンスが増えます。さまざまな自然体験を通じて、子どもたちのたくましく生きていく力の育成につながることを期待しております。この協定に基づく取り組みの第一弾として、山田緑地においてパルパーク・プロジェクトとの共同事業を行います。まずは平成30年秋に焚き火ゾーンの完成をめざして
順次整備を進めてまいります」
顔を上気させたオオサワが続いた。
「“公園からニッポンを変えよう”というキャッチフレーズで始めたこのプロジェクトを北九州市と連携して実現することになり、大変興奮しております。山田緑地にはとても豊かな森林が残されていますが、この森を維持していくためには手を入れなければなりません。そこで出てきた間伐材を使った焚き火体験、さらにはその材で遊具を作るなど、新たな自然の魅力に気づくことのできる空間にしたいと考えております」
最後に北橋市長とオオサワはガッチリと互いの手を握り合った。始動から3年あまり、プロジェクトが新たな段階に入った瞬間だった。
この記者会見の半年前――本誌誌面を見た北九州市公園緑地部から編集部に問い合わせがあったのは2017年夏のことだった。何はともあれ千葉県にあるプロトタイプを見たいという電話だった。そして現場を訪れた面々は、巨大な根っこや隕石を見て歓声を上げた。
「想像以上におもしろいですね!」
一方、オオサワも北九州を訪れて山田緑地を下見した。
「市街地に近いのに自然が豊かだなあ。管理も行き届いているし、パルパークをやるには最適な場所じゃないですか!」
こうして両者は同じ方向を向いて歩み始めた。パルとして同じ夢が膨らんでいった。
「間伐材を利用して焚き火はどう!?火育なんて言葉はないけど、子どもたちに火の体験をさせたいです」
「じゃあまずは焚き火ゾーンを作りましょう。それができたら次は…」
まずは山田緑地にファイアープレースを作る!
焚き火ゾーンのイメージ。石は、かつて北九州市民の足だった路面電車の敷石が山田緑地に保存されているので、それを再利用。これからどんなパルパークが山田緑地に出現するのか…乞うご期待!