今回は、非常に多くのラインナップが存在するトラウトルアーロッドの中から、おすすめの2機種を紹介します。
トラウトルアーロッドに力を注ぐシマノ
日本製の釣り道具は世界トップレベルのシェアを誇ります。なかでもシマノはトラウトルアーロッドに力を注いでおり、日本の釣り具メーカーのなかでも多様なラインナップを持っています。そんなシマノのトラウトルアーロッドから、私が実際に使用している2機種を紹介します。
コスパの良い「カーディフNX」
シマノが手掛けるトラウトルアーロッドの中でもイチオシなのが「カーディフNX」です。
トラウトルアーフィッシングを趣味にしてみたい、という初心者の方におすすめできる価格帯ながら、上級機種に搭載されるようなロッド製造技術、そして見た目の美しさを網羅しています。
ハイパワーX
現代のほとんどのロッドのブランクス(グリップなどを除いた釣り竿本体部分)は、軽量で強靭な素材であるカーボンシートを筒状に丸めることで製造されています。通常であればカーボン繊維が縦方向と横方向に交差するように巻かれたブランクスに、斜め方向に巻く最外層部でロッドを補強する技術が「ハイパワーX」です。
ステンレスフレームKガイド
ガイド(ラインが通るリング)のフレーム部の素材には、錆に強いステンレスが使用されています。
また、ロッドに対し傾斜の付いた形状の「Kガイド」は、キャスト時(ルアーを投げる)のガイドフレームへのラインのぶつかりを軽減し、飛距離を向上する効果やライン絡みといったトラブルを防ぐ効果があります。
「Kガイド」は主に上級機種に搭載される技術。「カーディフNX」はその点でもバリューがあります。
渓流の景観や写真に映えるコルク製のグリップ
美しい景観の渓流、そこで出合える渓流魚もまた、美しい姿をしています。「カーディフNX」は、そんな環境で充実感を得られる上質なコルク製グリップを採用しています。
手にした渓流魚と共に、コルクグリップの渋い見た目を写真に収めれば、映える写真となること間違いなしでしょう。
入門から熟練まで一貫して使える
これらのロッド製造技術・見た目の美しさは、熟練の釣り人でも納得できるものとなっています。ロッドを買い替える理由が特段なければ、「カーディフNX」は入門用に購入してからずっと使い続けることができる機種といえるでしょう。
※ちなみに、私が所有しているモデルは2015年モデルです。現行モデルではさらにブランクスのつぶれ剛性や捻じれ剛性を高める技術「スパイラルX」が搭載されています。
最高峰「リミテッド」シリーズ
シマノのトラウトルアーロッドのフラッグシップとしてラインナップされるのが、「ストリームリミテッド」及び「モンスターリミテッド」です。前者は源流~渓流域(歩いて渡れるくらいの川幅の流域)での使用を突き詰め、後者は50cmを超えるような“モンスター級”の大型渓流魚に狙いを定めたモデルです。
「カーディフNX」にも搭載されているロッド補強技術はもちろん、シマノが持つあらゆる技術が惜しげもなく採用されており、その見た目の美しさも最高峰に相応しいものとなっています。
レインボーチタンセラミックコート
「リミテッド」シリーズのロッドの表面処理技術、「レインボーチタンセラミックコート」は一般的な塗装とは一線を画し、塗膜ではなくセラミック層の形成による徹底的な軽量化を実現しています。ロッドの軽量化は、キャストの振り抜け感や、水中の様子を感じる感度の向上など、あらゆる面でメリットがあります。
Xガイド
ガイドは「ラインが通る」というルアーロッドに無くてはならない役目を持ちながら、その重量はロッドを扱う上で足かせとなってしまいます。「Xガイド」はシンプルな形状ながら、中空構造により軽量化と高強度化を両立しています。
こだわりの詰まったグリップ部
ロッドのグリップは高品質のコルクグリップが採用されています。また、リールシート(リールを装着する箇所)には天然木のメイプル材が使用され、非常に味わい深いものとなっています。
大人の趣味として続けたい方に
シマノのトラウトルアーロッドのフラッグシップということもあり、「リミテッド」シリーズはリーズナブルな価格とはいえないかもしれません。しかし、見方を変えれば、「トラウトルアーロッドに力を入れるシマノの最高峰を買ってしまえば、他に目移りすることなくずっと満足して使用していける」ともいえます。
ロッドの実用性能に加え、美観や趣も求める「大人の趣味」としてトラウトルアーフィッシングを末永く続けていきたい方におすすめしたいのが、「リミテッド」シリーズです。
良い道具とマナー
味わいのあるデザインにも重点が置かれることが多いのがトラウトルアーロッドですが、それは美しい渓流魚や渓流の景観あってのものです。遊漁券の収益が河川整備や保全などに使用されるので、必ず購入してから釣りをしましょう。
また、必要以上に渓流魚を持ち帰らないことことも、トラウトルアーフィッシングを末永く楽しむ上で重要です。