フェンスの穴を探していたら…
北東に伸びる一本道は、フラットな未舗装。すでに夕暮れ。暗くなる前にキャンプ地を見つけたいのですが、道案内の看板ひとつない不親切な島。例によって、人影ゼロ。
分かれ道を適当に左へ向かうと、やがて金網のフェンスにぶつかり万事休す。すぐ目の前に湖面が見えるのに近づけない。
抜け道はないものかとフェンスの穴を探していたら、農夫らしき男性がひょいと現れまして、さすが聖地。
「どこかで、キャンプさせてくれませんかね?」
ここで寝たらいいさぁと、サクッとフェンスを開けてくれました。さすがパワースポット。話が早い!
魚が降臨した夜
今宵は静かな入江の横でキャンピング。先ほどの男性が魚を2匹ぶら下げてきて、「これ、食ったらいいさぁ」
バイカル湖名物のオムルです。
おじさん……、嬉しすぎて声になりません。とりあえず身振り手振りで、「焚き火したいんだけど…」
薪ならあそこにあるさぁ、と彼の指さす方向には
小舟の薪置き場。なんておしゃれなんでしょう!
さっそく火を起こします。オムルの腸を抜き、アルミホイルに包み、にんにくと一緒に焼きます。
夜のとばりがおりたころ、渾身の焼き上がりです。
醤油をかけて、ごっつぁんです。
程よく焦げたオムルに一宿一飯の人情が染み込んだ旨味。2匹じゃ足りないっす!