野外の素材で火おこしする方法!火打ち石で、天然のロープで弓を作って…
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    2024.08.25

    野外の素材で火おこしする方法!火打ち石で、天然のロープで弓を作って…

    野外の素材で火おこしする方法!火打ち石で、天然のロープで弓を作って…
    キャンプもいいけど、やはり野で遊んでこそのビーパル!ということで、里山を深く知って、もっと楽しむための"野外活動実践型"講座がスタート! 編集ハラボーが藤原師匠に火おこしをレクチャーしてもらいました。

    火打ち石で発火にチャレンジ!

    image編集 ハラボー。野遊び達人に、なれるかな!?

    編集・ハラボー

    キャンプに行くのももちろん良いけど、もっと身近に気軽に野遊びを楽しみたい! それでアウトドアスキルがアップすれば、なおうれしいですよね。そんなわけで藤原さん、まずは野外活動の基礎、火おこしをマスターしたいです!

    よしきた! じゃ、河原の石で火をおこそう。この鋼で石を叩いて火花を出し、木綿の炭と草で育てると火が出るから。

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    あっ私、知ってます。メリケンサックですよね⁉ コレでガッとやって火花をフーして……。ウオォォォォ! 急に火ィ出た! めちゃくちゃ気分あがりますね。でもコレ、ビーパルの付録にもなったファイヤースターターと何が違うんですか?

    スターターは簡単に火花が出て、火花の温度も高い。だから紙や麻ひもに直に着火できる。その点、鋼の火花は温度が低いから布の炭で拾って育てないといけない。難しいのよ。

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    と、いうことは……? 今、私はスターターで火おこしする人を超えた⁉

    んっ。ま、そうなるね。

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    てか、藤原さん。このメリケンサック買ったんですよね。

    ???

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    自分で作れない点ではスターターも鋼も一緒じゃないかなと。私、完全に自分の力だけで火を出したいんです!

    火打ち石発火の基本セットはこちら

    メリケンサック改め火打ち金

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    素材は少し柔らかめの鋼鉄。素材が鋼であればヤスリや古いノコギリの刃、ペンチなどでも代用できる。身近なクズ鉄が使えるか試してみよう!

    拾ったチャート

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    古い時代のプランクトンが堆積して固まった石。鉄より硬く、釘で引っ掻いても傷がつかない。他の硬い石で叩き割って鋭い角を出して使う。

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    そのへんの枯れ草

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    できたての火種を断熱・保温し、火種から火を移す火口(ほくち)。中心部に細く乾いた素材を集めるのが発火のコツ。

    チャークロス

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    ガーゼなどの木綿の端切れを蒸し焼きにして作る布の炭。ガス抜きの小さな穴をあけた空き缶に布を入れ、外から加熱して炭化させる。

    火打ち石で火をつける方法

    1  まずは河原へGO!

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    「火、出したいです!」 「簡単じゃねぇぞ……」

    やってきたのは玉石が転がる河原。このなかから火打ち石になるチャートを探す。指導するのは地味な野遊びを研究する藤原祥弘。

    2  打ちつけて火花を飛ばす

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    昭和の男子のアイテム、メリケンサック!……ではなく、火打ち金でチャートを叩き、飛び出た火花でチャークロスを赤熱させる。

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    フーッ!

    チャークロスに火花が移ったら、クロスを枯れ草の束の中へ。包み込んで保温し、火種が育ったら細く長く息を送り込む。

    Complete!

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    チョロいもんよ~。

    息を吹き込むとクロスの火種は草へと移る。内部の温度が高まると草から可燃性のガスが発生。それが燃えると発火!

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    「メリケンサック、 インチキじゃね?」 「それいっちゃ いけないやつだ」

    「自作できなきゃ鋼もスターターもライターも一緒」。業界が気づかないフリしてた欺瞞を砕くハラボー。

    弓錐式で発火にチャレンジ

    それなら、レベルアップといこうか……。まずはカラムシの繊維でロープづくり。手がアクで茶色に染まるけどいいな。

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    ハイッ!

    次に作るのは火切り板とスピンドル。枝を板状に削ったものと、回転するスピンドルを擦り合わせて火種を生む。ハンドピースとの摩擦を抑える潤滑油は鼻の脂。棒の上端に塗って!

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    ハ、ハイッていいたくないけどハイッ!

    道具がそろったら、弓でスピンドルを回して火種を作る。力を逃さないポーズが重要!

    師匠・藤原氏

    編集・ハラボー

    これ、かなり、重労働。 ゴシゴシやって、できた火種を草にインっと。……出た~! 完全自力発火、できました!

    総天然! これが弓錐式発火セットだ

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    ゆるやかにカーブした長さ60㎝ほどの枝の先端にカラムシのロープの片端を結びつける。

    スピンドル

    針葉樹の真っ直ぐな枝を用意して両端を円錐形に尖らせる。ハンドピースを当てる側は60度ほど、火切り板に当てる側は90度程度に。

    火切り板

    針葉樹の枝を削り、厚み2㎝ほどの板状にする。板状に削ったらスピンドルの鈍角側が収まるよう皿状に削り、V字の切れ込みをつくる。

    ハンドピース

    BBQ客が捨てたホッキガイの殻をリユース。内側の滑らかな凹面でスピンドルを押さえつける。凹面がつくれれば堅い木や石でもよい。

    作り方はこちら!

    1  カラムシの繊維からロープを作る!

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    めっちゃ草!

    カラムシは本州以南の山野に分布。古い時代はこの草の皮の繊維から布を作った。近縁種のヤブマオも素材になる。

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    地上部の葉を手でこそげ落としたら、根元側から皮をむいていく。ロープに使うのは皮のほう。できるだけ繊維を長く取る意識でむく。

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    皮を数本とって末端を結び、2条に分ける。左右に分けたそれぞれを指で時計回りによじり、繊維に撚りをかけていく。

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    束の撚りが強くなったら束を摘む手を反時計回りに回転し、束を持ち替える。2本の束は撚りが戻る力で絡まり合う。これを繰り返す。

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    天然のロープを手に入れた!

    2  スピンドルと火切り板を削り出す

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    拾ってきた針葉樹の枝を火切り板とスピンドルに加工する。スピンドルは両端を尖らせ、上端のトンガリはハンドピースの窪みに、下端のトンガリは火切り板に彫る穴に収める。

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    屈辱

    上端は摩擦が小さいほどよいので、細く尖らせて鼻の脂を塗る。

    3  道具をセッティング

    ポーズを制するものが火おこしを制す!

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    腰がピキッと なりそうだ!

    膝頭を抱き込み脇を締め、体重を肩→ひざ→脛→手首→スピンドルの順でかける。

    手首がぐらつかないように脛にぴったりつける。

    弓の弦は地面に対して平行を維持したまま前後させる。ムズイ!

    4  弓を使って摩擦発火!

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    弓の弦を2回巻いたスピンドルを火切り板に合わせ、ハンドピースで押し付けつつ弓を前後させる。

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    序盤は慌てずゆっくりと。弓の弦全体を使って、長いストロークで摩擦面の温度を少しずつ高める。

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    摩擦面から出てくる粉がこげ茶になったらスパートをかける。強く押し付けつつ素早く回転させる。

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    摩擦面から白煙が上がったあと、摩擦面ではなくこぼれた粉の中から煙が出たら火種の誕生!

     

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    火種ができれば こっちのもん!

    火種ができたら枯れ草の束のなかへ。摩擦発火の火種はチャークロスよりも大きいので立ち消えしにくい。

    Complete!

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    火おこしは バッチリ習得!

    ※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一

    (BE-PAL 2024年9月号より)

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