FILE.73は、江戸川区にある逆井の富士塚です。
第73座目「逆井の富士塚」
今回はJR平井駅南口登山口から出発
ここ数回、JR平井駅の北口を登山口(最寄り駅)にした山行を紹介してきましたが、今回は同じ平井駅でも南口登山口からの出発です。
実は、この逆井(さかさい)の富士塚へのルートは1度動画を撮影をしています。そして、撮影中にメモリがいっぱいになり、撮影済みの動画をノートPCに急遽移動させたのですが、運悪くファイルが破損していたのでした…。
撮り直しかと思って途中まで撮影していたのですが、やはり何も目新しいものが見つかりません。今回も何のネタも無いまま終わるのか…と思っていると、ちょうど通勤通学の人がいる時間帯だったのですが、僕が来た方向に行くのではなく、別の方向に行く人を多く見かけました。
確かに、そちらの方向でも間違いなさそうです。ついていってみようか?と思い、動画撮影用のインスタ360の電源を落として、人波に流されてみました。すると、ディープな平井がそこにあったのでした。
レトロな雰囲気が目を引く平井駅南口ディープゾーン
通勤・通学時間でもあり、多くの人がこちら側を歩いて来ます。ビルの下を抜けると、なんとディープ平井が登場しました!
気になるお店がたくさんあります。とはいえ、繁華街というほどの感じでもありません。
早速気になったのが、店の前に大きな鍵があるその名も鍵です。
でかい鍵、目立ちますね!Googleマップで見ると、居酒屋「鍵」となっているのですが、見た雰囲気はあきらかにスナックのような佇まい。こんな通勤通学の時間帯にお店が空いているはずもないので、Google先生に聞いてみました。
すると、スナカラというサイトに、スナック「鍵」と記されていました。どうやらカラオケスナックのお店のようです。こちらのサイトには平井・亀戸のスナックの一覧も掲載されているので、ディープな平井を体験したい方はぜひご覧ください。
次に目に止まったのが、文豪の生家といわれたら納得してしまいそうな雰囲気の建物。民家かと思ったのですが、「あじさい」というお店のようでした。見た感じは昭和の木造家屋で、雰囲気満点。
Googleマップで見てみると、日本料理・居酒屋の表示がありました。さらにGoogle先生に聞いてみるともともと料亭で、現在は小料理屋さんとして営業しているお店らしく、それほど敷居は高くないようです。
平井駅南口、中々ディープでいいですね。昭和レトロ好きにはたまりません!
そのまま通りを進んでいくとT字路になり、正面に「津軽の味 林檎ちゃん」というお店がありました。正面から見ると分からなかったのですが、脇から見ると…民家を上手に改装したお店でした。木のお面を被せるようにしてお店に改装しているのです。
すごいアイディアだなと感心しつつ、津軽の味に興味を魅かれます。僕は山形なので、同じ東北です。きっと味付けは期待通りなはず。通勤通学の時間帯で閉まっているかと思いきや、開いていた様子です。
あとで調べると午前6時~8時までが朝の部で、リーズナブルなお値段です。ランチも夜も魅力的です。まさか開いているとは知らず、素通りしてしまいましたが、入れば良かったと反省。ちょっと平井の魅力に取りつかれそうです。
いやいや、他にも気になるお店があったのですが、一つ一つチェックするわけにも行きません。自分でも忘れそうになりますが、何しろ山登りの途中ですから。
ようやく目的地の逆井の富士塚へ
やがて一般的な住宅街に入りましたが、十分ネタを仕入れられたので怖くありません。平井3丁目公園方向に進み、以前動画を撮影し、ネタの全く無かった通りに合流します。
そこから平井南小学校を左手に進み、突き当りを左に曲がると、その奥の方に今回の目的である逆井富士はあります。
神社に近くなると多くのノボリが立っています。びっくりしたのは、駐車場にポツンと富士塚があったことです。
逆井の富士塚(平井浅間神社)
こちらの富士塚の建造年代は不明ながら、「当山再築小松川村」と記した1884年に作られた碑があります。江戸川区内で最も古い築造のようです。高さ約5メートル。
塚の正面に直接に設けられた登山道は、石段になっています。頂上の部分を玉垣で方形にとり囲み、石祠を祀っています。登山道の両側には、数多くの石碑が建てられ、地元の丸岩講のものの他に小松川山本講や平井の丸冨講の碑もあります。
珍しい事に、富士塚そのものが浅間神社として旧逆井村の鎮守白髭神社の持社となっているそうです。富士塚は、石積み型の大型のもので、かつてはすぐそばを流れる中川を背に塚と樹木と鳥居のとり合せの美しいものだったそうです。残念ながら倒壊防止のため、昭和30年代にコンクリートで覆われて現在の形になったそうです。
なぜ、駐車場にポツンと富士塚だったのかは分かりませんでしたが、江戸川区に富士塚が多いのは、戦火を逃れたことと、川が多くあるため舟運を利用して富士山の溶岩(ボク石)が運び易かったのではないかと言われています。
ちなみに、逆井の地名の由来は、低地帯で、水がさかのぼるようなところからきているそうです。ただ、「逆井」の“逆“が縁起が悪いということで“平“にしようとなり「平井」と呼ばれるようになったという説もあるそうです。もともとの地名はその土地を現すものなのかもしれませんね。
次回は、江東区の亀戸富士です。
※今回紹介したルートを登った(歩いた)様子は、動画でもご覧いただけます。