七輪のメリット・注意点
七輪があれば、自宅でもキャンプサイトでも気軽に炭火焼きを楽しめます。ただし、七輪は炭を燃料とする調理器具です。やけど・火災の危険が常にあるため、慎重な扱いが求められます。
七輪が欲しいと考えている人は、メリットや注意点についてきちんと理解しておきましょう。
【メリット】手軽に炭火焼きを楽しめる
七輪を使えば、熱源が制限される屋外でも焼き調理が容易です。キャンプサイトで気軽に炭火焼きを楽しめるのは、大きなメリットといえます。
七輪で焼いた食材がおいしいといわれるのは、炭が遠赤外線を発するためです。遠赤外線は食材の表面を高温で焼き、うま味を内部に閉じ込めます。外はパリッと、中は柔らかくジューシーに仕上がるため、いつもの食材がよりおいしく感じられるというわけです。
また、七輪は熱伝導性の高い素材で作られおり、多量の炭を必要としません。『少ない燃料で長時間使える』という特性は、キャンプシーンにぴったりです。
【注意点】火の扱い・高温に注意
七輪をテント内・屋内で使用するときは、十分に換気を行いましょう。酸素の少ないところで炭を燃やすと、一酸化炭素中毒に陥るリスクが高くなります。空気の通り道を確保するのはもちろん、1時間に2~3回は換気するのがおすすめです。
また、七輪使用中は本体が非常に熱くなります。やけどの恐れがあるため、使用中に触れてはいけません。片付けに取り掛かるときは、本体がしっかり冷めるまで待ちましょう。
なお、珪藻土でできた七輪は、水や衝撃への耐性が高くありません。使用後は水で洗わないことや、衝撃を緩和できる専用ケースに入れて持ち運ぶことも鉄則です。
七輪を選ぶときのポイント
七輪でおいしく炭火焼きを楽しむ上で、七輪のサイズ・素材・形状・機能は非常に重要です。七輪を選ぶときのポイントを、詳しく見ていきましょう。
サイズは使う人数に合わせる
七輪のサイズが大き過ぎたり小さ過ぎたりすると、食材が焦げやすくなったり生焼けになったりしやすくなります。七輪を購入するときは、使用人数を想定した上で、ちょうどよいサイズを選択しましょう。以下は、一般的な丸型七輪のサイズと使用人数の目安です。
- 一人:直径14~16cm
- 二~三人:直径21~25cm
- 四~六人:直径30cm~
注意したいのは、あまりにも大きい七輪は持ち運びに手間がかかる上、焼きムラができやすい傾向があることです。使用人数が多いときは大きい七輪ではなく、小型の七輪を複数用意した方が、効率よく炭火焼きを楽しめます。
また、直径20cm以下の七輪は、魚を丸ごと1匹焼くのには適しません。魚の干物などを頭から尻尾まで丸焼きしたい場合は、20cm以上の七輪が必要です。
扱いやすさ・耐久性で素材を選ぶ
七輪に使われている素材は、珪藻土と金属の2種類です。素材の違いを理解して、ニーズにマッチするものを選びましょう。
珪藻土は、地層からそのまま素材を切り出して作った『切り出しタイプ』と、粉砕した珪藻土を型にはめて作った『練りタイプ』があります。
耐久性に優れるのは組織が維持されている切り出しタイプ、コストが安いのは大量生産しやすい練りタイプです。耐久性を取るか、コスパを取るかを検討し、納得できる七輪を選びましょう。ただし、どちらのタイプを選んでも、水洗いはできません。
また、金属の七輪は軽量な上、耐久性も高めです。水にも強くアウトドアに最適ですが、遠赤外線効果においては珪藻土に劣ります。食材の仕上がりに差が出る可能性があることは、承知しておきましょう。
食材や用途に合わせて形状を決める
七輪の形状には、昔ながらの丸型と、正方形・長方形などの角型があります。
丸型の七輪は高さがあり、フライパン・鍋を置きたいときに最適です。食材に熱がまんべんなく当たるため、焼きムラができにくいのが魅力です。少人数で囲むのにはぴったりですが、大きめ・多量の食材を焼くときは不足を感じるかもしれません。
角型の七輪は底が浅く、焼き面が大きいのが特徴です。大きめ・多量の食材を焼きやすく、人数が多いときに便利に使えます。ただし、七輪内に温度差が発生しやすく、食材を置く位置によって焼き加減にムラができるのがデメリットです。
ソロキャンプ・少人数での炭火焼きは丸型、大人数で楽しみたいときや、大きめの食材・焼き鳥などを焼きたいときは角型と、使い分けることをおすすめします。
機能性やお手入れのしやすさも重要
七輪を手軽に持ち運ぶなら、持ち手付きの七輪がおすすめです。また、七輪使用中は、本体が非常に熱くなります。七輪を卓上で使うことを想定している場合は、スタンド付きの七輪や、底面に水を入れられる水冷式の七輪が安心です。
七輪を選ぶときは、お手入れのしやすさも確認しておく必要があります。「使用後は水洗いをして、しっかりきれいにしたい」という人には、金属製の七輪が最適です。
アウトドアにおすすめの金属製七輪
キャンプサイトで仲間と炭火焼きを楽しむなら、携行性・耐久性に優れた金属製七輪がおすすめです。アウトドアシーンにおすすめの七輪を紹介します。
尾上製作所「火消しつぼになる七輪 HS-250」
トタン製品やレジャー用品の国産メーカー『尾上製作所』の、金属製七輪です。ロック付きのふたが付いていて、キャンプ中の火消しつぼとしても活用できます。
七輪のサイズは約25×24×25cm、重量は約1.5kgです。直径約24cmの使い捨て網が2枚付属しており、二~三人で気軽に炭火焼きを楽しめます。設置されている五徳をひっくり返せば、ダッチオーブンやスキレットでの調理も可能です。
七輪下部には、空気を取り込むための空気調整扉があり、火力調節に手間がかかりません。水によるひびや衝撃による破損のリスクがなく、どのような場所でもおいしい炭火焼きを楽しめます。
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- 商品名:尾上製作所「火消しつぼになる七輪 HS-250」
- 公式サイト:商品はこちら
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カインズ「持ち運びできる丸型七輪 MS-2821」
ホームセンター『カインズ』で購入できる、スチール素材の七輪です。表面には耐熱塗装が施されており、熱による変形・ダメージの心配はありません。本体には持ち手とスタンドが付いており、携行や設置がスムーズです。
七輪のサイズは約30×28cmで、焼網の直径は約28cmあります。串の付いた食材を焼くのにちょうどよく、屋外での炭火パーティーにおすすめです。
七輪使用後は、中性洗剤で丸洗いできます。ただし、やけどを防ぐため、お手入れは七輪の熱がしっかり冷めてから取り掛かりましょう。
- 商品名:カインズ「持ち運びできる丸型七輪 MS-2821」
- 公式サイト:商品はこちら
グリーンライフ「少煙シチリン L-390S」
二~三人での使用におすすめの、スチール製七輪です。内部は二重構造になっており、使用中でも本体が熱くなり過ぎません。七輪スタンドを用意しなくても、テーブルやレジャーシートの上に直置きできます。
本商品の特徴は、内部が反射板のような仕様になっている点です。炭に火を付けたときの熱効率がよく、少ない炭でもしっかりと食材に熱が通ります。
加熱中の食材の油が、炭の上に落ちにくい構造が採用されているのも見逃せません。炭火焼き中に煙が発生しにくく、衣類や髪に臭いが付着するのを防ぎやすいでしょう。サイズは約39×19.6×25cm、重量は約3.2kgです。
- 商品名:グリーンライフ「少煙シチリン L-390S」
- 公式サイト:商品はこちら
グリーンライフ
少煙シチリン L-390S
サイズ:本体約W39×D25×H19.6cm、火床約W18×D11×10cm 重量:約3.2kg
丸型のおすすめ七輪
熱効率のよさや七輪特有の風情を重視したい人には、丸型の七輪がおすすめです。さまざまな丸型の七輪から、人気の高い商品を紹介します。
キャプテンスタッグ「炭焼き名人 万能七輪(水冷式)」
国産アウトドア用品総合ブランド『キャプテンスタッグ』からのおすすめは、ブランドロゴの入った鉄製の丸型七輪です。七輪には網・五徳・目皿などが付属しており、網焼きはもちろん鍋料理にも活用できます。
七輪は、底面に水を張って使用する水冷式です。炭火の熱が外側に伝わりにくいため、熱ダメージが懸念される場所でも安心して使用できます。
ハンドル付きで携行性にも優れており、屋内でも屋外でも気軽に使えるのが魅力です。サイズは約28×21cm、重量は約2.7kgです。
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- 商品名:キャプテンスタッグ「炭焼き名人 万能七輪(水冷式)」
- 公式サイト:商品はこちら
バンドック「メッシュシチリン BK【バーベキュー】」
株式会社カワセのアウトドアブランド『バンドック』の、丸型七輪です。軽量で耐久性の高いスチール素材なので、携行や後始末の手間もありません。
水を入れて使う本体に、炭受けをメッシュで取り囲んだ二重構造です。水冷式の採用により本体が熱を持ちにくく、やけどや熱ダメージを心配することなく使用できます。
携行時に便利な持ち手や、鍋調理に使える五徳も付属しており、自宅調理からキャンプ調理までさまざまなシーンで気軽に使えるのが魅力です。サイズは約30×21×28cm、重量は約2kgあります。
- 商品名:バンドック「メッシュシチリン BK【バーベキュー】」
- 公式サイト:商品はこちら
バンドック
メッシュシチリン BK【バーベキュー】
イズ:約300x280x210mm(ゴトク設置時高さ約250mm) 焼き面積/270x270mm ゴトクサイズ/約内径180x外径210x高さ25mm 重量:約2.0kg
ホンマ製作所「七輪亭 AC-25」
新潟県の金属加工メーカー『ホンマ製作所』の、オーソドックスな丸型七輪です。サイズは約24×28cmで、二~三人での炭火焼きを想定している人におすすめできます。携行用の持ち手と設置用のスタンドが付いていて、屋外での使用に最適です。
火力や火持ち時間を調節したいときは、本体下部にある通風口を開閉して空気量を調節できます。着火時は通風口を全開にしておくと、炎が全体に行き渡りやすいでしょう。使用できる燃料は、木炭または4号練炭です。
- 商品名:ホンマ製作所「七輪亭 AC-25」
- 公式サイト:商品はこちら
角型のおすすめ七輪
人数が多いときや、たくさんの食材を焼きたいときは、角型の七輪から好みに合うものを見つけましょう。人気の高い角型七輪から、特におすすめの商品を紹介します。
かもしか道具店「陶の炭火コンロ 角 白」
三重県を拠点とする萬古焼ブランド『かもしか道具店』の七輪です。素材には耐熱陶器が使われており、土由来の温かみが感じられます。
七輪のサイズは、約27.3×10.5×13cmです。底面に水を張って使用する水冷式が採用されており、適度な断熱効果が期待できます。
七輪使用中も外側が熱くなり過ぎず、煙や灰が少ないといったメリットがあり、食卓での炭火調理に最適です。網・敷板・本体がセットとなっており、炭さえ用意しておけばすぐに炭火焼きを楽しめます。
- 商品名:かもしか道具店「陶の炭火コンロ 角 白」
- 公式サイト:商品はこちら
キャンパーズコレクション「炭火しちりん(角型ワイド)三和金属」
七輪の遠赤外線効果を最大限享受したい人におすすめの、珪藻土素材の七輪です。火ばさみ・敷台・角網が付属しているので、備品を別途そろえる必要はありません。
七輪は、約41×17×24cmのワイドサイズです。網のサイズも約40.5×23cmあり、魚1匹を頭から尻尾まで丸焼きできます。
また、炭を置く燃焼室が二つに分かれているので、焼き分けしたり火の強弱を付けたりしたいときもスムーズです。
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- 商品名:キャンパーズコレクション「炭火しちりん(角型ワイド)三和金属」
- 公式サイト:商品はこちら
卓上型のおすすめ七輪
「お酒を飲みながらちょっとした酒の肴をつまみたい……」というときは、コンパクトな卓上型の七輪をチェックしましょう。家庭でも気軽に使用できる、おすすめの七輪を紹介します。
コーナン オリジナル「卓上 丸型 七輪」
ホームセンター『コーナン』で気軽に購入できる、丸型の卓上七輪です。サイズは約28×23.5cm、重量約2.18kgで、持ち手も付いています。携行性に優れており、自宅はもちろん、屋外でも気軽に本格炭火焼きを楽しむことが可能です。
七輪の素材には、軽量で扱いやすいスチールが採用されており、水ぬれによるひび割れ・破損の心配はありません。焼網のほか五徳も付属しており、鍋調理にも対応できます。
- 商品名:コーナン オリジナル「卓上 丸型 七輪」
- 公式サイト:商品はこちら
LOGOS×萬古焼「卓上水コンロ」
人気アウトドアブランド『LOGOS』からは、『萬古焼』で作られた水冷式七輪がラインアップされています。
萬古焼とは、三重県で作られている伝統的な焼き物です。耐熱性・耐久性が高いことで知られており、使用後は洗剤を使って水洗いできます。金属製の七輪と同様の扱いやすさ・お手入れのしやすさで、自宅でも屋外でも気軽に使えるのがメリットです。
使用時は水を入れるため、本体が極度に熱くなる心配はありません。七輪のサイズは約17×13.5cm、重量は約1.4kgで、テーブルに置くのにちょうどよいサイズ感です。
- 商品名:LOGOS×萬古焼「卓上水コンロ」
- 公式サイト:商品はこちら
まとめ
日本古来の調理器具である七輪は、屋外でおいしい炭火焼きを楽しみたいときに最適なアイテムです。キャンプサイトに携行すれば、食事や晩酌の時間が一層楽しくなるでしょう。
七輪には、さまざまな素材・サイズ・形状があります。購入前に使用人数・使用場所を想定したり、必要な機能をピックアップしたりすることは必須です。
『自分にとって使い勝手のよい七輪』を見つけて、キャンプでの食事をより充実させましょう。