1kmごとに給水ポイント
グアムは走るのに暑すぎるのではないかと心配していたのですが、このマラソンはうれしいことに、給水ポイントが充実しています。ハーフマラソンの21kの間に、8か所計16回の給水ポイントを通過します。平均して1.3kごとに給水を受けられるので、暑さで大量に汗をかきましたが、こまめな水分補給で乗り切ることができました。
また、早朝スタートのため、朝ごはんをどうするか悩んだのですが、コース後半の給水ポイントではバナナなどの軽食も用意されていて、スタミナ不足に陥ることもなく、快調に走り続けることができました。
コース途中で、Qちゃんを発見!
7kmほど走ったところで、聞きおぼえのある声の主……。高橋尚子さんを発見!まだ先は長いものの、走りを止めて、「一緒に写真撮らせてください!!」声をかけました。
ちょうどこのとき、対向車線に、フルマラソンから戻ってくるトップランナーとすれ違いました。「わあー、あの人トップだよね、早い!」と興奮しながら、Qちゃんはトップランナーを追いかけてあっという間に暗闇に消えていきました。
10km地点を通過
今回ハーフマラソンを選んだ理由は、5kと10kコースだと、美しい海岸沿いのエリアに出る前に折り返してしまうから。グアムマラソンらしい景色も楽しみたいという思いで、ハーフに挑戦することにしました。いつも10k程度のジョギングをしているので、20kもいけるだろう、と根拠のない余裕をかましておりましたが、なんとなく足の指先とひざに違和感を感じはじめました。左足の親指の爪が、少し当たるような……。しまった、爪を切り忘れた。せっかく爪切りを持参したのに、爪を切り忘れていたことを思い出しました。足指だけでなく、足全体が重く、上がらなくなってきています。まだやっと半分。このあとの半分を乗り切れるのか。不安になってきたころ、伴走していた夫が「ベビーカーを置いて、先に行け。」というので、スピードを落としはじめた夫にベビーカーを託して、私は完走を目指し、先に進むことにしました。
足の痛みが、折り返したころから本格的になってきました。1kが長く感じられるようになりました。さらに、厚い雲が垂れ込めたかと思うと、いきなりのスコール。目も開けられないほどの激しい雨の中、シャツも靴も、全身が水を吸って1歩1歩がさらに重く感じられます。ベビーカーの息子は大丈夫だろうか、とチラリと考えながら、残りはあと何キロだろう、看板を見つけるたびにそればかりを考えていたものの、簡単な計算もできないほど、身体が疲れているのでした。
沿道からの声援
走り終えた人たちが沿道から「ALMOST THERE!(もうすぐだよ)」と声をかけてくれます。その声がたくさん聞こえるようになり、見覚えのあるホテルが見えてきたところで、ラストスパート。後半は足の痛みもあり、歩く時間が長くなったものの、ゴール前のゆるやかな下り坂は自然とまた足が走り出しました。いったん雨は上がっていて、足の痛みとは裏腹に、顔には笑顔が広がります。もうすぐゴールだ。完走できる。それがうれしくて、足がもつれそうになりながらも、最後まで前に進むことができました。3時間19分。ゴール!!
そうそう、途中で別れた夫とベビーカーは、たった6分差でその後ゴールし、お互いの完走をねぎらいました。ベビーカーを押して走っていると、沿道のサポーターや他のランナーから「Good Job!」と声をかけられると不思議がっていた夫。日本だと、ハーフマラソンで3時間もベビーカーに乗せられたら子どもがかわいそう、なんて言われそうですが、グアムでは、誰もが「いいね」「がんばれ」と応援してくれるのが、とても嬉しかったです。
ゴール後は、飲食ブースで朝食を食べる人や、記念撮影をする人、無料のマッサージサービスを受ける人、ビーチでクールダウンする人、様々なお楽しみが用意されていますが、スコールでびっちょり濡れた服を着替えるため、私はすぐにホテルへ向かうことにしました。その途中、ベビーカーでゴールを目指す男性の姿を発見。この時間であのスピードということは、あの男性、フルマラソンでベビーカー参加ということでしょうか。すごい!
来年のエントリーがスタート
ゼッケンや参加Tシャツを受け取るエキスポ会場で、ユナイテッド・グアムマラソン2019の開催チラシを入手しました。来年は4月14日(日)開催、早くもエントリーが始まり、早期の申し込みは割引率が高いので、早いほどお得です。親子で走りたい方、子どもを連れて走りたい方は、来年の参加を検討してみてはいかがですか?
<取材先>
ユナイテッド・グアムマラソン2018 http://unitedguammarathon.jp/
<取材協力>
ユナイテッド航空
P.I.C.グアム
渡部郁子(わたなべいくこ)
フリーアナウンサー/ライター
JFNアウトドア番組「JOYFUL LIFE」パーソナリティほか、アウトドア、温泉、音楽をテーマに新聞・雑誌で情報を発信。ライフワークのフジロックほか、数多くのフェスで子連れスタイルを実践中。www.watanabeikuko.jimdo.com/