私は以前にスキーで訪れたことがありましたが、夏のタホ湖は初めてでした。自宅のあるロサンゼルス郊外からは約750㎞。半日かけてのドライブになります。自転車、テント、寝袋、食料などを車に満載して出発です。
四季を通じて楽しめる自然の宝石、から少し離れたキャンプ場
ここにもあったアメリカのキャンプ場3種の神器
タホ湖に辿り着くまでの道のりにはとくに語るべきエピソードはありません。砂漠のような荒地を走る高速道路をひたすら北上しただけです。こうした長時間ドライブのときによく聴く浜田省吾のライブCD3枚組を大音量でかけ続け、なぜか私も声を嗄らしたくらいでしょうか。
私が利用したキャンプ場は正確にはタホ湖周辺ではありません。湖から約40㎞離れた、シエラ・ネバダの山中にあるHope Valley Campgroundです。湖畔にはたくさんのキャンプ場があるのですが、どこも予約を取れなかったのです。
アメリカのキャンプ場は上のサイトで一括して管理されていて、すべてオンライン予約ができて便利なのですが、人気のあるところは何か月も前から売り切れてしまうことが難点です。私は大抵の場合キャンプに行こうと思い立ってから実際に出かけるまでは数日くらいしかありませんので、予約可能なキャンプ場は少し不便な場所にしか残っていないことが多いのです。
しかし、今回のキャンプ場は「あたり」でした。サイトひとつひとつのスペースが広く、多分20m四方くらいはあったでしょう。クルマを停め、4人使用テントを張っても、まだまだ余裕があります。サイトの周りは木に囲まれているので、プライバシーも保てます。テントを張る部分の地面は平坦に整地され、木陰にも恵まれていました。
サイト内にはさらに、8人くらいは一度に食事ができるほどの大きなテーブル、焚火をするための台(Fire Pit)、そして食料を熊から守るための鉄製の箱(Bear Box)があります。この3つはアメリカのキャンプ場にほぼ必ずついてきます。
私はキャンプで料理をしません。ですから、広いテーブルは食事のためには不要なのですが、夜空の星を眺めるときには格好のベッドになります。テントや寝袋を畳むときの作業台にもなります。
もちろん夜毎の焚火はキャンプ生活では欠かせません。料理はしなくても、その分すぐに食べられる食料(果物、プロテインバー、ミックスナッツなど)は大量に持ち込みますので、それらを安全にテント外で保管する鉄製の箱は大変助かります。
まさにこの3つはキャンプ場における3種の神器です。
逆に言えば、それ以外の設備はあまり期待できません。日本のとくに豪華なオートキャンプ場に慣れた人は戸惑うかもしれません。
このキャンプ場にしても、トイレは水洗ではありません。便器の下は深い穴です。「ゴミを捨てないでください。取り出すのはとても困難です」と注意書きが壁に貼ってあります。とくに不潔とは思いませんが、便座の蓋を開けるとハエが飛び交うくらいのことは覚悟しなくてはなりません。
シャワーも炊事場もありません。そして何より、携帯電話の電波はまったく届きません。私が知る限り、アメリカのキャンプ場は大抵がそんな感じです。
それでもなぜか、私はテントでは普段よりぐっすりと眠ることができます。眠るしか他にやることがないと、身体のどこかにある快眠スイッチが自然に入るのでしょうか。そして翌朝すっきりした気分で付近を散歩すると、キャンプ場の隣を流れる川のこんな景色を独り占めできました。
さらに足を伸ばしてタホ湖へ向かうと、宝石のような美しい湖が待っていました。少し泳げば、汗も汚れもすっきりと落ちます。気分はもちろん最高です。
2,3日風呂に入れなくても、一体それが何だって言うのか。そんな風に思う人には、タホ湖(周辺)のキャンプはおススメです。そうでない人にはもちろんホテルもたくさんあります。
タホ湖公式観光案内ウェブサイト:
https://visitlaketahoe.com/