シェルパ斉藤、1万円ぽっきりで中津~深谷の旅へ!『BE-PAL』本誌未収録の写真と共にお届け
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    2024.09.09

    シェルパ斉藤、1万円ぽっきりで中津~深谷の旅へ!『BE-PAL』本誌未収録の写真と共にお届け

    シェルパ斉藤、1万円ぽっきりで中津~深谷の旅へ!『BE-PAL』本誌未収録の写真と共にお届け
    新札の流通が始まり、一万円札の肖像は福沢諭吉から渋沢栄一にバトンタッチ。そこで9月9日発売のBE-PAL10月号『シェルパ斉藤の旅の自由型』では、シェルパ斉藤が新旧の肖像になったふたりの出身地をつなぐ旅に挑戦。しかも、旅費は1万円以内だ!
    BE-PAL.NETでは、本誌で紹介しきれなかった写真を中心に、”財布に優しい”旅の醍醐味をレポートする。

    新一万円札発行にちなんで福沢諭吉と渋沢栄一の故郷を訪ねる

    「青春18きっぷ」を活用すれば目的まで到達できる!

    大分県の中津から埼玉県の深谷まで旅をした。

    なぜ、中津から深谷なのか? それは一万円札に関係がある。中津は福澤諭吉の出身地で、深谷は渋沢栄一の生誕地だ。新札発行にちなんで、旧一万円札の福澤諭吉の故郷と新一万円札の渋沢栄一の故郷をつなぐ旅を思いついたのである。

    新旧一万円札をつなぐ旅だから、旅の予算はもちろん1万円。

    とはいえ、中津と深谷の距離は1,100kmを優に超えるから、通常の交通機関では到達不可能だ。普通列車の片道切符でも13,000円を超えてしまうし、北九州と東京を結ぶ格安高速バスでも運賃は10,000円を超える。

    でも夏が来れば、強い味方が登場する。JR全線の普通列車と快速列車が1日乗り放題になる乗車券が5回分(あるいは5人分)セットされた「青春18きっぷ」だ。720日から910日まで利用できる「青春18きっぷ」の発売額は12,050円。中津から深谷まで2日間で行けるだろうから、青春18きっぷを使えば交通費は5,000円以内で済む計算になる。宿泊はネットカフェでも利用すれば、一万円札の旅が達成できるはずだ。

    そう確信して、大分県の中津へ向かった(新旧一万円札のリレー旅は中津から深谷までであって、その区間以外の移動や食事は旅の予算に含めていない)。

    中津駅から歩いて20分ほどの場所にある福澤諭吉の旧居。木造茅葺平屋建の趣ある建物だ。資料を展示した福澤記念館が隣接されている。

    中津藩の大阪屋敷で生まれた福澤諭吉は1歳半で父を亡くし、以降は中津で青年期を過ごす。シングルマザーとして諭吉たち5人の子供たちを育て上げた母親の「お順さん」を朝ドラに! と地元がNHKに働きかけているらしい。

    福澤諭吉の旧居から歩いて5分以内の場所に、黒田官兵衛が築城した中津城がある。福澤諭吉旧居と福澤記念館、中津城、中津歴史博物館を巡る共通観覧券は一般700円。

    中津城から眺める中津市内の町並み。古い建物が残る商人町や江戸時代と同じ道幅の城下町など、歩いて巡るのにちょうどいい町だ。

    レンタサイクルで向かったのは自転車の旅人限定のゲストハウス

    中津の宿泊は野田さんの墓参り自転車ツーリングでもお世話になった「すえひろや」だ。ハワイから移住したジェイソンさん&照与さん夫妻が古民家をリノベーションした快適なゲストハウスで、宿泊条件が自転車の旅人か、訪日旅行者となっている。

    夫妻と僕は友人といえる間柄になったので、自転車でなくても泊めてくれるだろうが、筋は通すことにした。

    駅前の観光案内所で4時間300円のレンタサイクルを借りて、自転車の旅人として「すえひろや」に立ち寄ったのである。

    駅の観光案内所にレンタサイクルがある。観光案内所では耶馬溪までのサイクルマップや中津市内の地図が置いてある。

    サイクリストなら素泊まり¥4500というリーズナブルな料金でありながら、快適な一夜を過ごせる「すえひろや」。キッチンが充実したリビングルームに自転車を持ち込むことも可能。

    建築家であるジェイソンさんのセンスの良さを感じる建物だ。伝統的日本家屋の美しさと利便性を両立したゲストハウスである。

    中津駅前でジェイソンさんと照与さんに見送られて出発。埼玉県へ向かう長距離移動の鉄道旅がスタートした。

    普通列車を乗り継ぐ旅の詳細は発売中のBE-PAL10月号にて!

    深谷の旧渋沢邸までどのように鉄道を乗り継いだのか? 予算10,000円で足りたのか?

    旅の詳細はBE-PAL10月号『シェルパ斉藤の旅の自由型』を読んでもらいたい。12,050円の青春18きっぷを5,000円以内で2日分だけ購入した裏ワザも紹介しているし、深谷駅到着後に駅から78km離れた旧渋沢邸まで出かけた顛末も記してある。普通列車を乗り継ぐ鉄道旅の醍醐味を満喫できたと自負している。

    初日は朝6時45分から夜11時54分まで列車に乗りまくった。普通列車のシートは意外に快適。腰が痛くなることもなかった。

    日本各地に増えつつある駅ピアノ。下関駅にも設置されていて、中国人らしき女性が「エリーゼのために」を奏でていた。

    深谷駅は東京駅舎を模して赤レンガで建てられている。渋沢栄一が深谷に日本で最初の機械式赤レンガ製造工場を作ったことから、深谷にはレンガ造りの建物が多く見られる。

    深谷駅前には渋沢栄一の銅像が立っている。でも僕の旅のゴールはここではない。駅から約7km離れた渋沢栄一旧邸をめざした。

    深谷市内を走るコミュニティバス「くるリン」も、渋沢栄一の肖像と赤レンガのペイントが施されていた。

    新旧一万円札のリレー旅を成功させたあと、深谷市内の旅館「きん藤」に泊まった。深谷は中山道の宿場町であり、この宿は江戸時代から続く旅籠でもある。でも素泊まり¥5,800でリーズナブルだった。

    2年前にリノベーションした「きん藤」の建物は清潔で快適。1階はコワーキングスペースとしても利用されている。中山道を歩く旅人にも人気の宿だ。

    9月13日にシェルパ斉藤のトークショー開催!

    最後にトークショーのお知らせを。

    新刊『シェルパ斉藤の山小屋24時間滞在記』の出版を記念したトークショーを、東京のモンベル渋谷店で913日(金)の午後7時から開催します。

    13年かけて全国145軒の山小屋にそれぞれ24時間滞在した僕だから知りえた山小屋の魅力やとっておきの逸話を語るつもりでいるし、「ランプの山小屋」や「主人とサシで語れる山小屋」、「食事が抜群においしい山小屋」などテーマ別におすすめの山小屋も紹介しようと思います。

    翌日からは『シェルパ斉藤の山小屋24時間滞在記』に素晴らしいイラストを描いてくれたイラストレーター神田めぐみさんの原画展が開催されますが、トークショーの開始時刻までには展示されているはずです。

    予約不要、入場無料のトークショーにいらしてください。新刊の販売及びサイン会も開催しますよ。

    イベント情報(モンベル公式サイト)

     

    絶賛発売中!『シェルパ斉藤の山小屋24時間滞在記』

    シェルパ斉藤さん

    紀行作家・バックパッカー

    1961年生まれ。揚子江の川旅を掲載してもらおうと編集長へ送った手紙がきっかけで『BE-PAL』誌上でデビュー。その後、1990年に東海自然歩道を踏破する紀行文を連載して人気作家に。1995年に八ヶ岳の麓に移住 し、自らの手で家を作り、火を中心とした自己完結型の田舎暮らしを楽しむ。『BE-PAL』で「シェルパ斉藤の旅の自由型」を連載中。『シェルパ斉藤の行きあたりばっ旅』ほか著書多数。歩く旅を1冊にまとめた『シェルパ斉藤の遊歩見聞録』(小学館)には、山、島、村、東海自然歩道などの旅や、犬と歩いたロングトレイルの旅を収録。

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