日本のミライを明るくする! 園児野生化計画 vol.51
この日は年長さんの子供達と里山へお散歩。フィールドはここ数ヶ月の大雨や風などで地面には太いのから細いのまで、長短様々な木の枝がたくさん落ちていました。
子供達の”何でも拾いたい衝動”と、”自然の落とし物”を掛け合わせると始まることはひとつしかない。今日は木の枝遊びに決定だ。僕が「枝を拾って遊ぼう!」と言う間もなくもう彼らはとっくにそうし始めていた。
木の枝は、この世に同じ長さ、形、太さ、質感のものはひとつとしてない。子供達は直感とこだわりの狭間を行き来しながら枝を片っ端から拾い集める。木の枝は、園に持ち帰れば制作の時間に使える他先生の活用方法もたくさんある。問題はバス移動含めちゃんと持ち帰ることができるサイズなのかどうかだが、そんなことは子供達はお構いなしだ。
やっと見つけた”オレの枝”は、誰にも触らせたくない宝物になる
拾った枝が長ければ天に掲げ、何か呪文のような者を唱え始める子どもが現れる。女の子は魔法のステッキが人気の様子。名称は「光る剣」と現代風だが、昭和の香りがするチャンバラごっこも健在なのが嬉しい。
「大きな木があったぞー!」という誰かの叫び声に反応して我先に走る子供達
誰かが長い木の枝を見つければ、その場で「誰が一番長いか競争」がはじまる
帰り道も大切そうに運ばれる木の枝達
はたしてこれらは何に変わるのだろうか?
通常、園によっては「長い物を振り回せてはいけない」というのが鉄の掟としてあるのだがこの日は自由。日常のルールは子どもと子どもの距離がスペースの関係上狭いため気付かぬうちに持っている長い物で相手を傷つけてしまう恐れがあるが、これだけ広ければいくつかのルールを設定すればどれだけだってぶん回すことが可能だ。大きな倒木を引きずって遊ぶのも同じで、今回ばかりは自由に引きずり回す。
これらのルールはもちろん園の先生方も理解してくれている。ただ全てをNGにするのではなく、環境に合わせて子どもの欲求を満たせる場をつくる。これが大切なのだ。
とことんまで暴れた子供達は、園舎に帰れば集中して室内遊びも楽しめる。発散と集中のバランスが遊びの肝なのではないかと子供達に気づかされたのでした。