北欧ならでは!「自然享受権」を満喫
スウェーデン
数多のアウトドアブランドを生み出しているスウェーデンだが、そのルーツを追うと必ずラップランドの自然に辿り着く。それは先住民族のサーミ人たちが暮らしてきたスカンジナビア半島の北部地域の総称。特にスウェーデン北部には、クングスレーデン(王様の散歩道)と呼ばれる風光明媚なロングトレイルが存在する。今回はそのハイライトである110㎞の道のりを5日かけて歩き、北極圏の自然と文化を堪能してきた。
そんな北欧の自然と人々の関係を語るうえで欠かせないのが「自然享受権」だ。これは土地の所有者に損害を与えない限り、誰もが他人の土地への立ち入りや、自然環境を享受する権利を認めるというもの。つまり自然はみんなのものだから、どこを歩いても良いし、実った果物を食べるのも自由だし、好きな場所でキャンプしてもOK! 世界広しといえど、こんなに寛容で、贅沢な野外体験ができる場所はほかにないだろう。
王様の散歩道を堪能する、人気のトレイルイベント「フェールラーベン・クラシック」に参加。今年も世界中から2,000人が集った。
標高1,000m以下でも森林限界となるため視界が開けて壮大な一方、悪天時は吹き曝しに。そのため同国のテントは堅牢な作りで、インナーがアウターに吊り下がった、雨天設営がラクなものが多い。
世界一臭い食べ物と言われるシュールストレミングは、屋内での開封は違法。実際に道中で食し、その理由がよくわかった。
実際に行ってきました!
ライター 鈴木純平
ロングトレイル初挑戦の軟弱アウトドアライター。旅の前半は雨に泣きながら、白いポンチョで自ら"てるてる坊主"になって晴天を祈願した。
グランピング発祥の国!
イギリス
欧米ではアクティビティーや旅の宿泊手段としてキャンプが行なわれることが多いが、イギリスではピクニックの延長としてキャンプそのものを楽しむ。グランピングを生んだのもイギリスで、サファリキャンプを思わせる豪華な雰囲気が投影されている。
「ラーヴ」でのキャンプが定番
フィンランド
スカンジナビア北部のサーミ族の住居に由来する、ラーヴという無料の小屋が森の中に点在。キャンパーやハイカーがテント代わりに利用している。
キャンピングカードで自由な旅を
アイスランド
国内約40か所のキャンプ場が定額で利用できる、キャンピングカードを使った車旅が人気。国を一周する国道1号線を通って大自然を堪能しよう!
※構成/鈴木純平
(BE-PAL 2024年10月号より)