氷河も残る北欧ノルウェーの最高峰「ガルフピッゲン」に夫婦で登頂!
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    2024.09.22

    氷河も残る北欧ノルウェーの最高峰「ガルフピッゲン」に夫婦で登頂!

    氷河も残る北欧ノルウェーの最高峰「ガルフピッゲン」に夫婦で登頂!
    北欧でもっとも高い山「ガルフピッゲン」をご存知でしょうか?ノルウェーにある山で、その標高は2,469m。夏でも雪が残り氷河に囲まれたその頂上からはここでしか見られない雄大な眺めを堪能できます。キャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊している私たち夫婦も、この北欧最高峰に挑戦!雪道をも通る往復約10時間のロングトレイルでは、くたくたになりましたが、山頂には疲れも吹き飛ぶ絶景が待ち受けていました。

    ガルフピッゲン山頂へのルートはふたつ。ガイドなしで登れる往復約10時間のコースに挑戦

    山頂への道

    この地域は別名「巨人の住処」とも呼ばれており、ノルウェー内でも高山が集まる山岳地帯です。

    「Galdhøpiggen(ガルフピッゲン)」はノルウェーの西部に位置するヨトゥンヘイム国立公園内にあります。ノルウェーだけではなく、北欧一高い山で、その標高は2,469mです。頂上を目指すルートは主にふたつあります。

    ひとつ目は標高1,850mに位置する「Juvasshytta(ユーヴァスヒュッタ)」小屋から出発するルートです。往復約6時間、総距離約11kmで標高差も約700mと、ガルフピッゲンを目指す最短のルートです。途中、危険な氷河渡りをするため、ガイドツアーの利用が必須になります。

    ふたつ目は、「Spiterstulen(シュピターシュトゥレン)」小屋からのルートで、往復約10時間、総距離約15km、標高差約1,500mというロングコースで、体力は使いますが難しい技術は必要ありません。こちらは氷河を通らないのでガイドなしでも登れます。そこで今回は、ガイドなしで登れるシュピターシュトゥレンからのコースで頂上を目指しました。

    登山口まではハラハラドキドキのドライブコース

    シュピターシュトゥレンまでの車道

    登山口に着くまでは「車の重量大丈夫かな?」とヒヤヒヤするような木製の橋を渡るアドベンチャー感満載の道路を通ります。

    出発点となるシュピターシュトゥレンの山小屋までは、ヨトゥンヘイム国立公園の拠点となる「Lom(ロム)」の町から車で50分ほど。山小屋へたどり着くまでの最後の15kmは通行料150kr(約1,900円)が必要です。そこは舗装されていない砂利道で、車一台がやっと通れるほど狭いため、「対面車がきたらどうしよう」とヒヤヒヤしました。

    さらに道中には、いくつかの木製の橋を渡る箇所もあります。大型バスも通る道なので大丈夫とは分かっていながらも、3.5トンもある大型キャンピングカーの私たちは「重さでこの橋崩れるんじゃないの?」とスリルを味わいながらのドライブとなりました。

    スタート地点のシュピターシュトゥレン小屋のベースキャンプは最高にリッチ

    シュピターシュトゥレンの山小屋

    シュピターシュトゥレンの山小屋は駐車場、水場、トイレのほか、テント場やロッジの宿泊施設もあります。登山者にはありがたい充実の設備です。

    登山口にあるシュピターシュトゥレン小屋は、最大220名が宿泊できるロッジで、ゆったりくつろげる客室のほか、豪華なレストランを併設し、登山者のベーススポットとなっています。水場、野外トイレもあるテント場ではキャンプも可能です。

    シュピターシュトゥレン小屋の内観

    シュピターシュトゥレンの宿泊施設内には、暖炉やチェアもあってなんともオシャレ。

    広い駐車スペースもあり、道路通行料はこちらにある自動精算機に車のナンバープレートを入力して支払います。シュピターシュトゥレン小屋の営業期間は、冬季、夏季で分かれており、それ以外の期間は道路が通行止めになるので注意しましょう。

    • 2024年の営業期間:3月15日~5月5日(冬期)、5月31日~9月29日(夏期)

    ノルウェーの最高峰を目指してスタート

    ガルフピッゲンの登山口

    橋を渡った先はテント場になっていて、多くの方がキャンプしていました。

    今回は登り下りとも同じコースを利用する往復約15㎞の長距離コースなので、朝8時から登りまじめました。

    ガルフピッゲンの登山道

    トレッキングスタートです。奥に見えるのがシュピターシュトゥレン小屋。

    シュピターシュトゥレン小屋前にある川の橋を渡ってスタート。序盤は森のなかを歩き、徐々に標高を上げていくと、やがて森林限界を超え周囲の山々が見えてきます。幸運なことに晴天にも恵まれ、遠くまで景色が見渡せ、風もそこまで強くなかったので気持ちよく登れました。

    シュピターシュトゥレンからの登山道

    登山道は標識もあるので迷うことなく進めます。

    岩場コースの始まり

    ここから先、頂上までは岩場のコースです。両手を使って登る場所もあって、危険ではないですが、ある程度の体力が必要となります。

    1時間半ほど登ると、そこから先はゴツゴツした岩場コースになります。ゆるい岩場もあるので踏み外さないようにトレッキングポールでバランスを取り、一歩ずつ慎重に進みます。その先は、ずっと急斜面の岩場が続くため体力を消耗します。

    氷河の「クレバス」には要注意

    ガルフピッゲンの氷河とクレバス

    こちらは重装備とガイドが必須の別ルートです。このようにクレバスがある氷河の上を通ります。

    さらに進むと右側には広大な氷河が広がっています。よーく見ると別ルートのユーヴァスヒュッタ小屋から登ってくる人たちの行列が見えました。こちらのコースは「クレバス」と呼ばれる深い割れ目がある氷河の上を通るので、全員が1本のロープに繋がった状態で氷河を渡らなくてはいけません。深さ10m前後もあるので落ちたら大変なことになります。

    ガルフピッゲンの氷河

    私たちのコースは氷河の上を通りませんが、氷河に囲まれた道を歩くのでヒヤヒヤです。

    登りはじめてから3時間ほど経つと、周囲は雪に覆われ頂上も見えてきます。しかしこの先、ふたつのピークを越えなければなりません。急斜面の雪道なのでアイゼンを装着し、安全に配慮して登ります。アイゼンを付けずに登っている人も多く見かけましたが、足を滑らせている方を何度か見かけたので、用心も兼ねてアイゼン、もしくはチェーンスパイクを使用することをすすめます。

    ガルフピッゲンの雪道

    遠くに見えるのがガルフピッゲンの頂上です。

    ガルフピッゲンの雪道

    雪の上をザクザク歩くのはやっぱりサイコーです。夏でも雪が残っている場所ではアイゼンがあると安心です。

    360度パノラマ絶景のガルフピッゲンの頂上へ到着!

    ガルフピッゲンの頂上

    ノルウェーの最高峰、標高2,469mのガルフピッゲンに到着。

    ラストの急登はゼェゼェと息を切らしながらもなんとか登り、ようやく5時間ほどかけてノルウェーの最高峰のガルフピッゲンへ到着しました。頂上は見渡す限り雄大な氷河に囲まれていて、見たこともない神秘的な光景が広がっていました。しかも8月中旬のサマーシーズンにもかかわらず、これほどの雪が残っているとは、ほんとうにすごい!

    ガルフピッゲンの頂上

    北欧だからこそ味わえる雄大な山岳風景に言葉も出ませんでした。

    ここの山頂は普段、強風で数分しか滞在できないらしいですが、この日は、風もなく太陽がポカポカ暖かいほど気持ち良かったので、頂上でゆったりとランチをして景色を堪能しました。

    山頂には、なんと夏場のみ開いているカフェと小さな売店があり、温かい飲み物やケーキを味わえます。

    ガルフピッゲン山頂のカフェ

    山頂にポツリとあるカフェ。トイレは利用できないので注意しましょう。

    帰りは登りと同じルートで下ります。長い道のりなので岩場に気をつけ、休憩を取りながらゆっくり4時間ほどかけて下山しました。

    今回登ったシュピターシュトゥレン小屋からのコースは距離は長いものの難易度は高くありません。氷河の上も通らないので体力に自信がある方なら登れると思います。10歳ぐらいの子どもや70歳ぐらいの老人、ワンちゃんまで元気よく登っていました。

    北欧最高峰の景色はやっぱり格別だった

    ガルフピッゲンからの景色

    天気にも恵まれ、最高のトレッキング日和でした。

    まさか私たちが北欧一高い山へ登る日が来るなんて夢にも思っていなかったので、達成感と感動でいっぱいのトレッキングになりました。このような貴重な体験ができるのもキャンピングカーでヨーロッパを周遊しているからこそ。これからも一日一日を大切にしながら、キャンピングカーに乗って世界の絶景や美しい山を探す旅を続けていきますのでお楽しみに!

    私が書きました!
    トラベルライター
    ルアナ
    2023年1月から夫婦でキャンピングカーに暮らしながらヨーロッパを周遊中!登山、キャンプなどのアウトドアが大好きで、ヨーロッパでもアルプスや色んな地域の山を登っています。夫婦の長年の夢だったキャンピングカー暮らしで旅をして、有名観光地だけでなく、ガイドブックにも載っていないような秘境スポットをどんどん巡り、キャンピングカーライフや海外登山などリアルな体験談をお届けします。Instagram:https://www.instagram.com/doisdenos_lu_tani

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