安全性が高く乗用車感覚で運転できるN-VAN【伴 隆之のキャンピングカーレビュー】
アトレーやエブリイに次いで、軽1ボックスとして人気のN-VAN。先の2モデルはエンジンがフロントシートに搭載されるセミキャブオーバータイプなのに対し、N-VANはエンジンがフロントのボンネット下に収まるFFレイアウトを採用。
そのぶん荷室長はセミキャブオーバータイプよりはやや短くなるものの、低床&センタータンクレイアウトにより乗用モデルのようなシート高や1365mmの室内高を実現しました。ちなみに室内高を見るとアトレーで1215mm、エブリイで1240mm。この違いからもわかるように、車内でくつろぐ際の開放感はN-VANが一歩リードしています。
今回はそんなN-VANをベースにした、ルートシックスの「SEEK(シーク)」を紹介します。
N-VANの特性を活かした室内の架装が光る
まずは天井。直接見ることはできませんが天井には断熱加工が施されており、調光式のLEDダウンライトが6か所に埋め込まれています。照明はほかにも左右のスライドドア上部にスポットライトを装備。
荷室部分は左右のリアクオーターウインドウを埋めるかのようにウッドの壁が設けられ、ここに収納フックやネット、収納棚などが装備されています。そしてベッドマットがセットできるフレームを前後に配し、ベッド下には大型の収納ボックスを搭載。
注目はマルチウェイロングテーブル。左右の壁に橋渡して普通にテーブルとして使えるのはもちろんのこと、最上部にセットすれば荷物棚としても利用可能。さらにバックドアにセットしても使うことができる設計で、ベッドやシートアレンジに合わせてテーブルがセットできるようになっているのはシークならでは。
ベッド長が長く2人でもゆったり就寝できる
リビングモードは助手席側のフロントとセカンドシートを前倒しし、そこにベッドマットをセットしてL字のソファに展開。運転席側はセカンドシートをダイブダウンさせてフラットにし、回転できる運転席シートを反転させてマルチウェイロングテーブルをセットすれば完成。
取材車はオプションの2ウェイ昇降式テーブル(6万6000円)を搭載し、マルチウェイロングテーブルを上部棚として利用しているときは、下の写真のように昇降式テーブルを使ってコの字のリビング展開もできるようになっています。また、この昇降式テーブルは外に持ち出してアウトドアテーブルとして利用もでき、使わないときは収納ボックス内に収まるようになっています。
ベッドモードについては助手席側で2100mm、運転席側は回転シートを搭載すれば1800mmのベッド長があるので大人2人での就寝も可能。男女とわずサクッと展開できるのも好印象でした。
装備面ではポータブル電源取り込みシステムを搭載。収納ボックスにポータブル電源を設置するスペースがあり、ポータブル電源があればサブバッテリーなしでも照明などの電力を賄うことができるシステムになっています。
価格は246万5000円(G・2WD)〜。低床&センタータンクレイアウトの広い室内が居心地よく、多彩なアレンジと使いやすさが光る、ソロやカップルでも使いやすい1台でした。
問)ルートシックス