もう暑いの飽きた!「涼しい」という言葉が言いたくて、「シルバーウイーク前半は標高の高い場所へ行きたいねー。どこ行く?なにする?」と、 夫と相談していたら、たまたま休み中に友人の個展が宇都宮であるようで。これはいいチャンス。こんな機会がないかぎり、なかなか行かない栃木方面を旅しよう。
と思いつくままにキャンピングカーで出かけました。こんな臨機応変な旅ができるのも、キャンピングカーのいいところ。今回は奥日光の湯ノ湖で涼しいというか「寒い!」と発した言葉に幸せを感じながら、気持ちいいトレッキングをしてきたよ~というお話です。
標高約1,500mにある奥日光「湯ノ湖」で久しぶりの「涼」を体感
都内のわが家から湯ノ湖へのアクセスは東北自動車道、日光宇都宮道路を経て、グネグネが有名な「いろは坂」で中禅寺湖へ。そこから戦場ヶ原を通り過ぎて、約200kmの距離でした。
湯ノ湖は三ツ岳の噴火により、湯川がせき止められてできたといわれています。周囲約3kmのこじんまりとした湖。湖畔にある湯元温泉は「日光の奥座敷」なんて呼ばれており、そのちょっと手前にある中禅寺湖のホテルやレストランなどが建ち並ぶ華やかさとは打って変わり、のどかで神秘的な魅力があります。
標高は1,478m。下界で買ってきたカップラーメンがぷくっと膨らんでいました。子どものころ学校で100m標高が上がるごとに0.6度C下がると習いました。約1,500mだと9度Cくらい涼しくなる計算ですが、アスファルトが少なく森に囲まれたこの場所では体感はもっとでしょう。前日のうちに近くに到着し、キャンピングカーで一泊。
朝晩は20度Cを下回り、羽織ものがないと寒さを覚えるほどでした。湖畔からの涼やかな風がスーッと頬をなでる時間は、都会のコンクリートジャングルで灼熱を耐えてきた旅人にとって、幸せ以外なにものでもない気持ちのよさ。
1周3kmの湖と迫力満点の湯滝を見に歩こう
日光湯元ビジターセンターからまっすぐ湯ノ湖に降りた場所から、トレッキングをスタートしました。湖畔にはぐるりと散策路があり、私たちは初っぱなから大自然が感じられる右回りで歩きました。ちなみに左回りもきれいです。
しばらく快適な木道が続きます。車椅子やベビーカー、足腰に不安がある方でも、展望台までは難なく行けそうです。
ここを過ぎると未舗装の道になります。ただ、湖畔沿いを歩く道はアップダウンはほぼないので、目覚めの散歩には最適。足の裏からふくらはぎ、脳へと心地よい刺激が伝わります。
歩き始めて間もない感じのヨチヨチ歩きの小さなお子さんにもすれ違いました。なんだか懐かしい。そんな家族連れでも楽しく歩けるルートです。
大型連休で釣り人は多かったものの、散歩やトレッキングをしている人たちの姿はほとんどなく、私たちだけのプライベートな時間が楽しめました。まもなく始まる紅葉の季節になるとまた違う表情となるのでしょう。
湯ノ湖で見つけた生き物たち
「トンボ、止まらないかな」と、みんなで怪しく指を立てているのですが(笑)。
私はじつは虫が大の苦手で(とくにゴ●ブリと蚊)、東京にいるとちょっとした蝶や蛾にもヒッ!なんて変な声をあげてしまいますが、なぜか自然のただなかにいると虫がまったく気にならないのです。昔からそうです。
虫の眼や羽をしげしげと眺めては「きれいだな」なんてことを思ってしまいます。自然に身を預けていると、なんだか自分がリセットされるような気分になりますね。
最近、この界隈にもクマがよく出ると聞いていたので、子どもたちはリュックの鈴をわざと鳴らしながら歩いていました。前の週に旅した都会的な高尾山とはまた違う無垢な大自然、緊張感が湯ノ湖にはありました。
偏光レンズ越しに湖を眺めると、たくさんの魚が泳いでいるのがわかります。子どもたちにサングラスを貸してあげたら驚いていました。
私が大学生のころ、リタイアした両親が長野は白樺湖の、さらに山奥に移住しました。父が亡くなるまで10年ほど通いましたが、雨が降ったあと、こんな派手なカラーのキノコが家の周りにニョキニョキ生えていたなー。「シロウトはキノコに手を出すな!」が、父の口癖でしたね(笑)。
湯滝まで歩いてみた
高さ約70m、長さ約110mの湯滝(ゆだき)。三ツ岳溶岩流の岩壁を湖水が勢いよく流れ落ちます。湯ノ湖の散歩道からの距離は500mくらい。10分かからないのですが、けっこう急な階段を降りました。登って戻るの、ちょっと大変そうだななんて思いながら。
ペットNGの看板は日光や戦場ヶ原でも見かけました。生態系保全の観点から国立公園の特別保護地区では、犬との散策はできないんですね。ペットさんと旅している方はお気を付けください。
前日に立ち寄った華厳滝もそうでしたが、連日の雷雨のせいか潤沢な水量でした。天然ミストが気持ちいい。日光、そして奥日光はどこに行ってもいつも水の音がしましたね。
こんな場所にこんなお店があるなんて。いい香りに吸い込まれそうになりましたが、今回、キャッシュは持ち合わせていませんでした。残念。もしこちらでなにかつまみながら湯滝を眺めたいという方は、お財布を持ってきてくださいね(笑)。
湯滝から流れる湯川沿いを歩いていくと戦場ヶ原、さらには中禅寺湖にも繋がります。そっち方面へもいつか歩いてみたいなぁ。
虫を捕まえたり、あちこちで立ち止まりながらゆっくり歩きました。さらには滝にも降りて、約1時間半の気持ちいい朝の散歩となったのでした。
湖畔のあちこちにあった質問コーナー
質問は全部で10個ありました。いちいち立ち止まっては子どもたちと盛り上がりました。帰り道、ビジターセンターに立ち寄って答え合わせをしましょう。
日光湯元ビジターセに寄り道寄り道
湖畔を歩いて自然を感じ、ビジターセンターで知識を深める。その流れ、とてもよかったです。建物の裏にはキャンプ場もありました。敷地内にあるトイレもきれいでしたよ。
日光湯元ビジターセンター
- 所在地:栃木県日光市湯元
- 電話:0288-62-2321
- 開館時間/休館日:9時~16時(4月~11月/無休)、12月~1月( 9時30分~16時/平日休館)、2月~3月(9時30分~16時/水曜休館)
- ホームページ:http://www.nikkoyumoto-vc.com/
歩いたあとはやっぱり足湯でほっこり
ビジターセンターから歩いていける場所に足湯があります。ハイキングや登山のあとに、足の疲れを取るのにうれしい施設でした。しかも屋根付きなので雨天でも楽しめます。足を浸けてビックリ。お湯の温度が50度Cあるそうです。水道と繋がったホースもありましたので、熱さに弱い方は薄めながら入れます。
あんよの湯
- 所在地:栃木県日光市湯元官有無番地
- 営業期間:4月中旬~12月中旬
- 営業時間:9時~20時
- 料金:無料
日光市にあるおいしいパン屋さんに寄り道
湖畔沿いにある湯元には温泉旅館などはありますが、ずいぶん落ち着いた雰囲気です。遅くまでやっているコンビニやレストランなどはないので、宿に泊まらないのであれば、食材などの買い物は手前の町で済ませた方がいいですね。
日光市内に「カテッジイン」という、歴史ある金谷ホテルベーカリー直営のレストラン兼ベーカリーがあります。そこで1本のパンにチーズがたっぷり入っている「チーズロード」を購入(994円)。これがおいしくて、朝食や行動食として、家族みんなのお腹や気持ちを満たしてくれました。ほかにもいろんな種類のパンがありました。キャンプに行く前にもオススメです。
カテッジイン・レストラン&ベーカリー
- 所在地:栃木県日光市本町1-25
- 電話番号:0288-50-1873
- 営業時間:9時~17時
- 休業日:3月~11月は無休。12月~2月は、 月に2~4回の休業日があります。詳しくはホームページで確認を。
- ホームページ:https://nikko-kanaya-history.jp/cottage-inn-restaurant/
役に立った持ち物
クマよけの鈴の準備を忘れずに
日光湯元ビジターセンターのホームページでも逐一報告・更新されていますが、やはりこの界隈には頻繁に熊出没情報が出ています。クマよけの鈴は必ず用意していきましょう。
できれば虫除けも
今回刺すような虫は見かけませんでしたが(もしかしたらいたのかな?)、自然豊かな場所に行くには、ヤブ蚊だけでなくブユやマダニにも効く虫除けがあると安心ですね。
さらに涼しくなり、いよいよトレッキングに最高の季節到来が到来します。皆さんも良い山時間を。