タヒチ・ボラボラ島でジャングルをフラフラしてみた【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
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    2024.10.24

    タヒチ・ボラボラ島でジャングルをフラフラしてみた【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】

    タヒチ・ボラボラ島でジャングルをフラフラしてみた【「海外書き人クラブ」お世話係・柳沢有紀夫の世界は愉快!】
    「優雅な水上バンガロー」じゃないタヒチを巡る旅。今回はいよいよ本丸「ボラボラ島」に上陸です。なぜボラボラ島が「本丸」かというと、水上バンガローの本場だからです。

    どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。

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    【タヒチ旅vol.5】川口探検隊レベルの大発見の連続!

    モーレア島からボラボラ島へは飛行機で50分ほど(タヒチ島からもほぼ同じ)。ここでまずハイキングツアーに参加します。ツアーと言っても今回は1対1。

    案内してくれるガイドの名前はタマ(Tama)さん。本人いわく「色が黒いのでポリネシア人に思われることもあるのだけど、モロッコ系フランス人で2003年にボラボラに来た」とのこと。そして「本業は考古学者で生物学者」とのことです。マジか。

    タマ先生。人を見た目で判断してはいけませんが、彼自身が「怪しさ全開」のほうに全振りしていると言えなくもない。笑

    超マイペースなタマ先生です

    さてハイキングをスタートしてすぐに見えてきた庭にある建造物。

    赤い屋根の下に白い大きな箱状のものが見えます。

    タマ先生によるとこれは「墓所」で、墓地ではなく個人宅の庭に墓があるのだそう。

    タヒチでは伝統的に火葬はしないそうです。火は悪魔の代理だと思われているからです。一方で「土葬する」とも言いきれないのこと。というのは遺体は「土の中に埋める」のではなく、「土の上に置く」からです。

    その理由は「土中は地獄と繋がっている」と考えられているから。いきなりディープな話からツアーはスタートです。

    さて今回私たちが向かうのは「ジャングル」です。

    こちらがメモを取っているにも関わらずスタスタ行ってしまうタマ先生。

    大人数の旅ならまだしも1対1のガイドツアーでここまで引き離されたのは初めてです。笑

    だけどタマ先生、話はめちゃくちゃ面白いのです。たとえば…。

    ポリネシア人たちはカヌーで大海原を渡ってきたから「海の民」と思われがち。でもじつは定住後は内陸部のジャングルの中に住み、農業を営んでいた人たちが多いそう。

    その理由は海沿いには津波の心配があり、海にはサメがいるからだとか。そして海辺に住むようになったのはヨーロッパ人の宣教師たちが来て、移り住むように言われてからとのこと。

    ポリネシア人たちが昔はジャングルで暮らしていたと言える証拠の一つ。それが植生とのこと。じつはジャングルの中では今もバナナ、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツ、コーヒーなどが一緒くたに混在しているのではなく、それぞれがまとまって生えているのです。

    つまりバナナを植えた場所、パイナップルを育てた場所があるということ。それがかつて農業をしていた何よりの証拠だというのです。

    ところがタマ先生によると、今ではポリネシア人たちはジャングルに行くのはタブーとしていて誰も足を踏み入れないとのこと。トゥパパウ(Tupapau)、つまり幽霊がいると恐れているのです。

    でもそれは宣教師がタヒチ人を海沿いに住まわせるためにでっち上げたホラ話。そして宣教師たちはポリネシア人たちの祈祷所である「マラエ」を壊したとのこと。

    そんな辛辣なことをはばかりなく口にするのはタマ先生が、そもそもモロッコ人でイスラム教徒だからかもしれません。

    そしていよいよジャングルへ向かいます。ちなみにこのあたりは個人の所有地なので勝手には入れないそう。そしてポリシア人たちは上記のようにジャングルに入らないので、タマ先生が蛮刀で刈ってつくった道を進みます。進むのはいいんだけど…。

    だからタマ先生。あなたは私と1対1のツアーをしてるんだってば!

    頼むから立ち止まってメモを取る時間を与えてくれ~。

    そんなタマ先生、突然脇道に逸れたのでついていこうとすると「キミは来なくていい」。…事前に伝えてほしいものです。

    そしてちぎってきたのがこの葉っぱ。

    「触ってごらん」と言われたのでその通りにすると、すごくなめらかですべすべ。

    じつはこれトイレットペーパーとして使われていたそうです。

    そして「見ててごらん」というのでお尻をふきだすのかと身構えたのですが…葉柄(ようへい。葉の根元にある茎や枝とつなぐ細い部分)を別の葉に突き刺しました。

    基本的に事前の説明がないタマ先生。

    「ほらっ」と自慢げに見せるタマ先生。

    かつてポリネシア人たちは4枚を編みこんで「お皿」として使っていたとのことです。

    こういうことを今では逆に彼がポリネシア人の小学生に教えているとのこと。感心してメモを取っていると…。

    思った通りこの距離。

    まあ、マイペースなところが「いかにも学者」なのですが。けど私を迷子にする気か? 幼稚園に入る前から「迷子の天才」と母親から絶賛されていた私だけど、それはデパートの中での話だぞ。

    危機一髪!? 野ブタと超接近遭遇!!

    「おおっ、ユキ。これを見てみろ!」

    突然立ち止まって地面を指さすタマ先生。

    「野ブタの足跡だ」とのこと。

    「えっ、野ブタがいるんですか?」

    「いるよ~、たくさん」

    まるで自分が飼っているかのように自慢するタマ先生ですが、ニコニコしている場合ではありません。「ワイルドピッグ」と先生が言うので便宜上「野ブタ」と訳しましたが、「野生のイノシシ」も「ワイルドボアー」以外に「ワイルドピッグ」という呼び名もあります。

    いずれにせよ、野生化してしまえばブタだってイノシシレベルで強敵なのではないでしょうか。

    「おおっ、いたいた」

    タマ先生の指さす先には確かに野ブタの姿がっ!

    「ほらな。ウソは言ってないだろ?」

    いやいや、自慢している場合じゃありませんよ。逃げるんですよね? ええっと確か背中を向けて走ったら追いかけられるから、視線を向けたまま後ろにゆっくり下がっていくんですよね?

    あとタマ先生。今回だけは絶対に置き去りにしないでくださいよ~。涙

    つうか野ブタに襲われた際の治療費、海外旅行保険でカバーされるんだっけ?

    …なんて完全にパニックになっていたら。

    子ブタちゃんたちがワラワラとこちらに近づいてきました。

    かっ、かわいい。さきほどの恐怖は完全にふっとんで、「動物カフェでご満喫」状態に早変わり。

    そんな感じでほっこりとしていた私は、差し迫る危機にまったく気づいていなかったのです!

    なんと大きな牙を持つ親野ブタの登場です!

    子育て中のクマやイノシシは子どもを守るために特に攻撃的になるといいます。野ブタだって同じでしょう。

    のそりのそりと近づいてくれる親野ブタ。さっきまでなついていた子ブタたちもさっと道を開けます。恐怖で完全に固まってしまった私。ところが…。

    親野ブタも完全にタマ先生に懐いていました。タマ先生に手玉に取られていました。笑

    聞くと野ブタたちの大好物の一つにクルミがあるのだそう。でも彼らはあの硬い殻を割ることはできません。それでタマ先生が割って与えているうちに「仲間認定」されたとのこと。

    また彼らは野生のショウガも大好物。それが生えているのでこのあたりはいつも歩くお決まりのルートとのこと。というわけでタマ先生もしょっちゅう彼らと交流しているのです。

    さっきまるで飼っているように野ブタの存在を自慢したタマ先生ですが…まさか本当に飼いならしているとは。笑

    先に進みましょう。

    すべてがうっそうとしたジャングルというわけではなく、視界が開けるところもあります。

    見たこともないほど巨大なアレが!

    「ユキ。これから先は下を向いて歩け。私がいいと言うまで決して視線を上げてはならない」

    相変わらず命令すれども説明せずのタマ先生ですが、ここは彼の王国。素直に従います。すると。

    「ここで待っていろ」

    こんなところで放置されても困ると思ったのですが、今までの行動パターンからすると置き去りにするのであればこちらに断りもなく勝手にスタスタ行ってしまうはず。そして10秒後。

    「よし。顔を上げていいぞ」

    目の前に巨大なバニヤンツリー(ベンガル菩提樹)とタマ先生が立っていました。

    …けどポーズとってるし。サービス精神旺盛な人です。

    普通の木は根っこから生えますが、バニヤンツリーは枝から下に伸びたものが地中に入って根っことなります。よってこんな形になるんですね。

    この木は樹齢1600年くらいで世界最大級とのこと。「どうやって樹齢を調べるんですか?」ときいたところ「木の周囲の大きさで推測するんだ」とのこと。

    バニヤンツリーはその形状から地上と天国をつなぐものとされ、ポリネシア人たちは一族の長などが死んだあとは遺体を根の間に置いたそうです。

    そんなメモを私が取っていると…。

    またスタスタと先を行くタマ先生。

    クラクラするくらいマイペース。「いっしょに無人島に漂着したくない人選手権」があったら、たぶんぶっちぎりの1位でしょう。

    なんか人工的な建造物…というか掘っ立て小屋などが見えてきました。

    タマ先生曰く、「私の農園」とのこと。地元の若者を二人雇って世話させているとのこと。

    【タヒチ旅vo.1】でも紹介したポリネシア人たちの寺院「マラエ」の跡。

    そしてタマ先生、パッションフルーツの実を割って「ほらっ、食え」と勧めてくれました。

    確かに見た目はおいしそう。

    だけどあなた、今それを泥だらけの靴で踏んづけて割りましたよね? 

    最後までクラクラするほどマイペースなタマ先生です。

    そしてジャングルから下界に戻ってきました。

    ハイキングは約2時間で終了。ちなみにタマ先生が頼んだ送迎の車、予約していたのだが迎えのときは20分遅れ、送りのときは45分遅れでした。

    タマ先生曰く、ポリネシアンがヨーロッパ人などによく使うこんな言葉があるとのこと。「You have a watch. But we have time. (あなたたちは時計を持っている。でも私たちは時間を持っている)」。つまり「おまえらはいい時計を持っていても時間に縛られているが、自分たちは時間を自由に使っている」くらいの意味なのでしょう。

    …タマ先生、あなたも人のことは言えないと思いますが。笑

    さて昼食をとるために予定していたラグーンサイドのレストラン「Restaurant Le Gecko」に来ると、ボラボラ島らしい海の景色が広がっていました。

    海の青と空の青。

    しばし昼寝でもしたくなりました。

    「じゃないタヒチ」を探してきたけど…これはこれでいいですね。笑

    【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら

    タヒチ観光局
    https://www.tahititourisme.jp/

    今回の「TAHITI DISCOVERY」ツアーに関する日本語での手配問い合わせ先(ただしツアーそのものは日本語非対応):タヒチ・ヌイ・トラベル
    https://tahitinuitravel.com/(サイトは英語またはフランス語のみ)
    日本語対応メールアドレス:japan@tahitinuitravel.pf

    Restaurant Le Gecko(宿泊施設「Oa Oa Lodge」内)

    私が書きました!
    オーストラリア在住ライター
    (海外書き人クラブ)
    柳沢有紀夫
    1999年からオーストラリア・ブリスベン在住に在住。オーストラリア関連の書籍以外にも『値段から世界が見える!』(朝日新書)、『ニッポン人はホントに「世界の嫌われ者」なのか?』(新潮文庫)、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)、『世界ノ怖イ話』(角川つばさ文庫)など著作も多数。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」のお世話係

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