自然のなかで楽しむアクティビティをこよなく愛する私たち夫婦も、この神秘的な島を訪れずにはいられませんでした。いくつかのルートを歩き、とくに魅力的だったトレイル3つを厳選!
頂上から見渡す山と海の壮大な眺めがは格別です。しかも山歩き初心者でもチャレンジできる難易度の低いルートばかりなので、いつかぜひ出かけてみてください。
ロフォーテン諸島はどこにあるの?
「Lofoten(ロフォーテン諸島)」はノルウェー北部の北緯68度前後の北極圏内に位置します。主に6つの島からなる細長い諸島で、それぞれの島は橋を使って移動できます。陸地の総面積は1,227km2、人口は24,500人ほど。ヴァイキングをルーツに持ち、古くから漁業で栄えたカラフルな建物が並ぶかわいい漁村があります。
ロフォーテンの魅力といえば、壮大な自然のなかで楽しむアウトドアライフです。穏やかな海の近くから切り立った山々は、まさに「海に浮かぶアルプス」。山と海の幅広いアクティビティが可能で、ここでしか見られない神秘的な景色を堪能できます。
ロフォーテンの気候は?
ロフォーテンは北極圏に位置していますが、メキシコ暖流の影響でそこまで極端に気温が下がらず、1~2月でも平均気温がマイナス2度C程度と内陸部より高めです。冬でも比較的穏やかな気候なので、オールシーズン観光が可能で、夏はハイキング、冬はオーロラ鑑賞ができます。ただし、ロフォーテンは天候の変化が激しく、風が強く吹く日もあるため、天気予報をこまめにチェックしましょう。
ロフォーテン諸島でおすすめのトレイル3選
1.「Reinebringen(レイネブリンゲン)」
レイネブリンゲンは「ロフォーテンの顔」ともいえる大人気のトレイルです。頂上からの絶景は、ロフォーテンの観光案内写真にもよく使われており、海・山・町が見おろせる大パノラマの景色を楽しめます。
ロフォーテン諸島の南西の入り口でもある、「Moskenesøya(モスケネス)」のフェリー・ターミナルからも近く、「Reine(レイネ)」の街から登山口まで徒歩20分ほどでアクセスできます。ロフォーテンでは、もっともポピュラーなコースとして知られ、ハイシーズンには登山口にスタッフが常駐し、登山道の案内などをしてくれます。
片道約1kmでレイネブリンゲンの頂上へ
レイネブリンゲン・トレイルは、ほとんどが階段の一本道なので迷う心配もありません。頂上までは約1km。1〜1時間半ほどで歩けます。1kmと聞くと短く感じるかもしれませんが、標高差が445mもある急登なので体力を消耗します。
序盤は森のなかを進み、標高が上がるにつれ視界が開けてきます。高所恐怖症の方には少しスリリングかもしれませんが、ルートはしっかり整備されているので一歩ずつ慎重に階段を登っていけば心配ありません。
道中、数か所に石造りの椅子があるで、休憩をしながらゆっくり歩くことができます。
山頂に近づくと階段がなくなります。稜線を少し進めば標高484mのレイネブリンゲン頂上へ到着です。
頂上からの景色は言葉に表せないほどの絶景でした。しかし、人気の高いトレイルということもあり、とにかく人が多かったです。ルートは少し狭いので、登りも下りも通る人を避けながら進み、頂上も人で溢れていたので、ゆっくりと眺めを堪能することもできませんでした。頂上でゆっくりしたければ、人が少ない朝イチの時間帯を狙って行くのがおすすめです。
2.「Ryten・Kvalvika beach(リッテントレイル・クヴァルヴィカビーチ)」
「リッテントレイル」は、シークレットビーチ「クヴァルヴィカビーチ」へ繋がっています。陸路からは徒歩でしか行かれないこのビーチは、人も少なくプライベート感を堪能することができます。リッテンの頂上と、そこから見おろすクヴァルヴィカビーチの2箇所のビュースポットを巡れるトレイルは、往復約10km、標高差880m、5時間ほど。
歩きやすく、進むたびに変化する景色に魅了されるトレイル
「Ryten Trail Parking(リッテントレイル・パーキング)」の登山口から歩き始めます。序盤は、のどかな農業地帯を進み、自然の風景に癒されながら緩やかな道を進みます。
30分ほど平坦な道を進んでから徐々に登りが始まり、景色も開けて一気に眺めが良くなりました。所々で木道になる登山道は、よく整備されていて、とても歩きやすいです。
終盤の急斜面に差し掛かかると左手にビーチが見えてきます。そのまま進めば標高543mのリッテン頂上へ到着です。登り始めから2時間ほどでした。
頂上は平坦な芝生地帯でとても広く、ノルウェー海の景色とエメラルドグリーンに輝くクヴァルヴィカビーチを見渡せます。ロフォーテンならではの景色にうっとりしたいところですが、風がとても強かったので長居はできず、急いでビーチへ歩きはじめました。
ヴァルヴィカビーチに行くルートは、来た道を少し戻ったところにある分岐から右ルートに入ります。序盤は木道を進み、ゴツゴツした岩場のルートを通って、ビーチ手前からは階段になります。リッテン頂上からビーチまでは、長い下りなので1時間もしないで行くことができますが、帰りは同じ道を登ることになるので、ご自身の体力をよく考えてからビーチへ下るようにしましょう。
ビーチは人も少なく、秘境感たっぷり。波の音を聴きながらゆっくりと景色を味わうことができます。山と海を一度に楽しめる素晴らしいトレイルです。
3. 「Offersøykammen(オフェルセヤカーメン)」
ロフォーテンならではの雄大な景色を気軽に楽しめるトレイルが「Offersøykammen Trail(オフェルセヤカーメン)」です。「Leknes(レクネス)」の街からも近く、登山口には広い無料駐車場もあります。
頂上までの距離は約2km、標高差400mで、1時間弱で行くことができます。岩場もなく、広く緩やかな芝生のような草地を歩くトレイルは家族連れにも人気です。
私たちもおしゃべりしながらサクサク登り、気づいたら「え?もう頂上?」というほど、あっという間に到着できました。
標高436mからは360度の大パノラマが広がり、ロフォーテンの切り立った山々と入り組んだ海岸線を同時に見ることができます。まさに「アルプスの頂が海に浮かんでいる」ようです。正面にはレクネスの街が見え、その向い側にはハウクランドビーチが見えます。
山頂は開けているのでピクニックをしながら眺めを楽しむこともできますが、風は強いので防風・防寒ジャケットは必ず持参しましょう。比較的簡単に登れるので、「山登りは苦手だけどロフォーテンを上から鑑賞してみたい」という人にはおすすめです。
海と山が織りなす絶景を堪能しよう
ロフォーテン諸島では、ノルウェー内陸部とはまた違った海と山が織りなす神秘的な風景に圧倒されっぱなしでした。今回紹介した3つのトレイルは、どこも標高500mほどで難易度も低く、短時間で歩けます。道中では、子供から年配の方まで幅広い層が楽しむ姿も見れられたので、初心者でもチャレンジしやすいと思います。秘境の島=ロフォーテンで、素晴らしい大自然を全身で感じてみてはいかがでしょう?