クヌギの実は食用可能?
クヌギの実(どんぐり)は食用可能です。ただし、そのままでは食用になりません。クヌギの実にはタンニンという苦み成分が多く含まれています。そのまま食べると、口の中に激しい苦みと渋みが広がり、すぐに吐き出したくなるはずです。
じつはクヌギの実は、どんぐりの中ではアクが強い種類。食べるには事前にアク抜きが必要なのです。アク抜きをすれば、炒って食べたり、どんぐりパンやどんぐりクッキーなどに加工したりして、おいしく食べられます。
クヌギの実の特徴
クヌギはブナ科コナラ属の落葉高木です。本州、四国、九州の各地に分布しており、北海道の南部でも一部見られます。公園の中に植樹されていることも多く、生活に身近なエリアで発見できます。
クヌギの実は一般的などんぐりと少し違い、コロンとした丸い形状をしています。粒も大き目で、一目でそれとわかる存在感があります。
殻斗(かくと)と呼ばれるどんぐりの帽子部分の形状も特徴的。一般的なものが、お椀のような形状なのに対し、細かい繊維が反り返った、まるでアフロヘアのような見た目をしています。
クヌギの実の収穫時期は他のどんぐりと同様に秋ごろ。クヌギの木の下を見ると、たくさんの実が落ちているはずです。食べるのであれば、収穫は9月~10月頃がおすすめです。秋を過ぎても収穫はできますが、時間が経つと痛むことがあるので注意しましょう。
クヌギの実を食べる際の処理方法
水にクヌギの実をつける
拾ってきたクヌギの実はバケツなどに貯めた水に漬けましょう。水に漬けて沈んだものが食べられるもの、水に漬けてもプカプカと浮いているものは、傷んでいたり、中身が虫に食われてスカスカになっているものです。
沈んだものだけ取っておき、残りは処分しましょう。
殻を割る
次にクヌギの実の殻を割って中身を出します。平らな場所に並べ、タオルなどをかけてその上からハンマーで叩きましょう。タオルをかけるのは、どんぐりがあたりに飛んでいくのを防ぐためです。丈夫なビニール袋に入れたどんぐりを上から叩いてもかまいません。
また、ペンチやくるみ割り機などを使ってひとつひとつ割る方法もあります。挟んで殻にヒビを入れ、爪で殻をはがして中身を取り出しましょう。
時短で殻割りをするならば、電子レンジを使いましょう。レンジ加熱用のビニール袋や封筒に、クヌギの実を入れ、500w~600wで30秒レンジにかけます。殻が割れる際にはじけるので、実を入れる袋は厚めのものがおすすめです。
30秒かけて変化がなければ、殻が割れるまで10秒ずつ延長しましょう。
実を細かくする
アク抜きをしやすくするために、実を細かくしましょう、平らな場所に置き、ハンマーを使って砕きます。あまり細かくすると食感が損なわれるので、4等分を目安に砕きましょう。
煮込んでアクをとる
クヌギの実に含まれる、渋みの原因のタンニンは、水に溶けだす性質があります。そのため、水に長時間(7日以上)漬けておけばアクが取れますが、煮込むことで時短になります。
鍋にたっぷりの水を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火にして、殻をむいたクヌギの実を入れて煮込みましょう。1時間ほど煮込むとタンニンが溶けだして、お湯が真っ黒になるはずです。お湯が黒くなったら、いちどお湯を捨ててリセット。新たにお湯を沸かしてクヌギの実を入れ、煮込みましょう。
この作業を、お湯の色が黒く変色しなくなるまで繰り返しましょう。時短と言っても4時間以上は煮込む必要があります。本を読んだり、動画などを見たりしながら気長に行いましょう。
フライパンで炒る
アクを抜いたクヌギの実を熱したフライパンの上で炒って、水気を飛ばします。表面が軽く焦げるくらいまで炒りましょう。
アク抜き完了
これでアク抜きが完了です。クヌギの実が食べられるようになりました!そのままでも食べられますが、クヌギの実がもつ独特のコクを生かし、クッキーやパウンドケーキなどに一緒に練りこんで食べるのがおすすめです。
クヌギ以外のどんぐりは食べることはできる?
日本に自生する木の実(どんぐり)はクヌギ以外にも食べられるものがあります。
それはブナ・コナラ・シイの実などです。とくにシイの実はアクがほとんどなく、殻をむけばそのまま食べられるのでおすすめ。それ以外の実はクヌギの実同様に、しっかりとアク抜きが必要です。
どんぐりを食べることにチャレンジしてみる?
どんぐりは一般的に食卓で目にすることがない食材ですが、しっかりとアク抜きおいしく食べられます。アク抜きには手間と時間がかかりますが、作業を終えた後の達成感とそのあとに食べるどんぐりの味には感慨深いものがあります。
どんぐり集めは子どもが大好きなアクティビティです。これからの季節、ぜひ親子でどんぐり料理に挑戦してみてはいかがでしょうか?