欧州の大手キャンピングカーメーカー「Hobby」【伴 隆之のキャンピングカーレビュー】
今回はドイツの老舗キャンピングカーメーカー、ホビーの2024年モデル「On Tour 460DL」と「Excellent 495WFB」の2モデルを紹介しようと思います。
とその前に、ホビーの歴史を簡単におさらいしましょう。ホビー社はドイツの最北部にあるシュレースヴィヒ・ホルシュタイン州で1967年に誕生。現在もレンツベルク近郊のフォックベックに拠点を置いており、キャンピングトレーラーは年間約1万2000台、自走式は約2000台を生産しています。現在、ヨーロッパ市場において約25%をシェアするほどの人気メーカーとなっています。
創業時はキャンピングトレーラーのみのラインナップでしたが、’84年からは自走式も投入。同社の魅力といえばやはりエレガントかつアットホームな作りで、派手さを抑えたシックな室内に加えて、独自開発の車載管理システム「CI-BUS」などの最新技術を積極的に取り入れていることでも注目されています。
ではさっそく「460DL On Tour」のほうから見ていきましょう。
定番レイアウトを採用する「On Tour 460DL」
ホビーのキャンピングトレーラーは8つのシリーズで展開。アクティブ派に人気の「ビーチー」をはじめ、カジュアル路線として「オン・ツアー」「デラックス」シリーズ。中間シリーズの「エクセレント」「エクセレント・エディション」シリーズ、そして高級シリーズの「プレステージ」「マキシア」というラインナップ。マキシア以外はどのシリーズにも異なるボディサイズやレイアウトを用意し、さまざまなニーズに対応しています。
460DLは全長約6.6mというボディに、前方はクイーンサイズにも展開できるツインベッドがあり、中央にキッチンとトイレ&洗面ルーム、後方はリビングという欧州では人気のある定番レイアウトとなっています。
2024年モデルの大きなトピックスとしては、アクリル2重窓が従来のタイプとは異なる、強度や耐久性が高く、遮音性に優れた張り出しのないスリムタイプに変更されています。また、テールレンズのデザインが大幅変更され、周囲を走る車両からの視認性がよくなり、リアビューの印象も大きく変わりました。その他の部分についても年改良によるアップグレードが図られています。
白とライトブラウンを基調にしたインテリアは清潔感と温かみが感じられ、家具類の質の高さも相まって飽きのこないもの。寝室とリビングが前後で独立しており、アコーディオンカーテンで間仕切りできるため2ルーム的な使い方ができるのも魅力。
就寝定員が3人のため、夫婦+子ども1人という使い方を想定して作られていると思いますが、そもそもがかなりゆったりとした空間なので子供との旅ももちろん楽しめるし、将来子どもが巣立って夫婦2人で使う際にはさらに広々と優雅な利用できるので、長い時間を共にできるモデルといえるでしょう。
海外のモダンなホテルのような「Excellent 495WFB」
495WFBのほうはというと全長約7.1mと余裕たっぷりで、前方にリビングとキッチンを置き、中央は縦向きのダブルベッドとクローゼット、後部に振り分け式のシャワールームとトイレ&洗面ルームを配置。
白とチャコールを基調にしたインテリアは間接照明もさまざまな場所に配置されておりモダンなホテルのような印象。キッチンキャビネットの通路を挟んだ反対側に最新のタワー式冷蔵庫も装備。オン・ツアーに比べると上級モデルとなるエクセレントだけあり、室内の装飾パーツも含め高級感が高められてキャンプ場やRVパークで宿泊していてもホテルにいるかのような快適さと居心地になること間違いなし。
シャワーとトイレが独立しているのも魅力的で、給水タンク47L・排水タンク22Lを搭載。防災や別荘などを利用目的のひとつとして考えている人なら、こうした充実した装備も大きな魅力になると思います。そしてオン・ツアー、エクセレントとも共通でベッドやソファのマットも幅や厚み、座り心地などもさすがホビーだなと感じられる作りでした。
495WFBは4人就寝モデルでリビング部分もダブルベッドに展開が可能。4人家族や2カップル、友人同士などさまざまな使い方ができるモデルとなっています。こちらもキッチン部で前後の間仕切りもできる仕様。もちろん2人なら思い切り贅沢な空間でくつろげ、優雅な時間が過ごせるはずです。
価格は「On Tour 460DL」が501万6000円〜、「Excellent 495WFB」が583万円〜。
問)トーザイアテオ