極地探検からキャンプまで!アウトドアとともに歩んだ「サーモス」の120年を振り返る【編集長インタビュー・PR】
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    ナチュラルライフ

    2024.10.17

    極地探検からキャンプまで!アウトドアとともに歩んだ「サーモス」の120年を振り返る【編集長インタビュー・PR】

    「サーモスと楽しむ心地よい時間—THERMOS 120th Anniversary—」は、日々の生活のなかに心地よい時間をもたらすサーモスのさまざまな製品をとりあげて、BE-PAL流の自然派生活&外遊びを提案する連載です。今回はサーモスの簑島久男さんと、樋田望さんをゲストに迎え、冒険家の遠征からハイキング、キャンプ、お弁当まで、アウトドアの楽しみを支えてきたサーモス120年の歩みをご紹介します。

    ブランド誕生120周年!「サーモス」とは?

    サーモス120周年ロゴ

    1904年にドイツで誕生した「サーモス」ブランドが、今年で120周年を迎えました。1904年に世界初のガラス製魔法びんを製品化し、現在はふだんの暮らしからアウトドアでの遊びまで、心地よい時間をサポートするさまざまな商品を展開しています。

    世界初の魔法びんブランド「サーモス」の誕生

    左:サーモス株式会社 マーケティング部 商品戦略室長・樋田 望さん、中央:サーモス株式会社 社長室 ブランド戦略課マネジャー・簑島久男さん、右:BE-PAL編集長・沢木拓也。

    今年で120周年を迎えた「サーモス」ブランドですが、そもそも魔法びんは、いつどのようにして生まれたんですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    もともと魔法びん自体は、1892年にイギリスの科学者ジェームス・デュワーが、真空の二重ガラス容器の内壁に金属メッキをほどこし、魔法びんの原型を発明したんです。

    日本だと、ちょうど日露戦争のころですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    1903年に、そのデュワーのもとでガラス容器を製造していたドイツのガラス職人ラインホルト・ブルガーという人が、二重ガラス容器を金属ケースで覆うアイデアを考案し、世界初「ガラス製魔法びん」としてパテント(特許)を取得したんです。

    僕が記憶している昔の魔法びんも、中にガラス容器が入っていました。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    ブルガーは、科学の実験などに使われていた真空二重ガラス容器の外側を金属で覆うことで耐久性を高め、一般の人にも使える水筒を生み出したんです。

    1910年にアメリカのサーモス社が発売していた魔法びん。当時は高級品で、保護・持ち運び用の革のケースも付属していた。

    ニューヨークタイムズのサーモス広告

    1907年6月16日の「ニューヨーク・タイムズ」紙に掲載されたサーモスの広告。イラストを用いて、自動車旅行や狩猟、ヨット、保育所などで便利な保温保冷ボトルであることを紹介している。凍り付いたかのような「THERMOS」の文字がかっこよすぎる!

    サーモス 簑島さん

    パテントを取得した翌年の1904年、ブルガーはドイツ・ベルリンで「THERMOS G.m.b.H.」を設立します。世界ではじめて「ガラス製魔法びん」を製品化した会社で、これが「サーモス」ブランドのはじまりです。

    1908年6月10日の「モントリオール・デイリー・スター」紙掲載の広告。サーモスのボトルは、ピクニックや狩猟、カヌー、ヨット、キャンピング、自動車旅行などの装備として理想的だと紹介。中央のピクニック風景から察するに、富裕層向けの商品であったことがうかがえる。

    「真空断熱」とは実際どのような仕組みなのでしょうか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    魔法びんのガラスの容器は二重構造になっています。ガラスとガラスの間に隙間があって、ここに空気が入っていると、熱が空気を伝わって逃げてしまいます。この隙間の空気を抜くことで宇宙のように真空状態にすると、酸素や窒素の分子が熱を伝えることがなくなり、熱伝導はほぼゼロになります。

    真空の隙間が熱を伝えないから、魔法びんの中身の温度を保つことができるというわけですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    1907年にはアメリカやイギリス、カナダにもサーモス社が設立され、「真空断熱」という技術を利用して飲み物の温度を保つサーモスの魔法びんが販売されるようになりました。

    ずいぶん、早い展開ですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    そうなんですよ。日本にも1907年、明治時代に輸入されていたんですよ。日本に輸入品として入ってきたころは、名前なんかもなくて、日本の雑誌広告では「寒暖瓶」と紹介されていました。しかも、なぜか銃砲店がその広告を出していたんです。おそらく、狩猟する人、マタギもある意味アウトドアですよね。山で使う想定だったんだと思います。

    明治41年刊行の雑誌「工業之大日本」に掲載されたサーモス「寒暖瓶」の広告。

    明治41年(1908年)1月25日の「東京朝日新聞」誌面。「魔法壜」「不思議なる新輸入品到着」「保熱保冷-二十餘時間」のうたい文句が躍る。

    探検家のマストアイテムだったサーモスの魔法びん

    ピアリー

    アメリカの探検家、ロバート・ピアリー(1856-1920)が登場するサーモスの広告。ピアリーは1886年以降、数度の北極探検を行ない、1909年4月に西洋人としてはじめて北極点に到達したと主張。現在ではピアリーが北極点に到達した可能性は低いとされている。

    サーモス 簑島さん

    20世紀初頭のころは、ピアリーやクックなど、世界的な探検家が北極遠征や高所登山で使っていました。まさに今でいうところの“ガチ勢”です。

    クックの北極探検ルートを記したサーモスの広告

    クックの北極探検ルートを記したサーモスの広告。アメリカの探検家であり外科医のフレデリック・クック(1865-1940)は、1891年から92年にかけて、医師としてピアリーの北極探検に参加。その後、ピアリーと決裂。1903年から北米最高峰デナリ(マッキンリー)に数回遠征し、初登頂を主張。1908年4月に北極点に到達したと主張するが、いずれもピアリーに詐欺だと批判された。

    ガチ勢であり、いまでいう、超絶なインフルエンサーですよね。この時代は探検が流行っていたし、帝国主義の時代ですから、欧米各国がをあげて探検競争をくりひろげていました。なにせ、探検から帰ると爵位がもらえたぐらいですから。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    ほかにも、飛行機を発明したライト兄弟や、飛行船を発明したツェッペリン伯爵、エンデュアランス号で奇跡の生還をはたした南極探検家のアーネスト・シャクルトンも、サーモスの広告に登場しています。サーモスとしては、製品を使っていただいて、PRにもなる。非常に影響力や、信頼感につながったと思います。

    北極や南極などの極地や、誰も到達したことがない高度の上空など、極低温の世界ばかり。サーモスの保温水筒がなければ探検や冒険をやりきれなかったわけで、過酷な場所で生き延びるために、魔法びんは必須装備だったんでしょうね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    なにより、サーモスの魅力を端的に伝える広告のデザインがかっこいいですよね。今みたいにネットなどがない時代なので、こうした新聞広告が徐々に認知され、ほとんど口コミでサーモスのよさが広がっていったんだと思います。

    1909年11月27日サタデーイブニングポスト_クリスマス広告

    1909年11月27日の「サタデーイブニングポスト」紙に掲載されたクリスマス広告。ライト兄弟、ツェッペリン伯爵、ピアリー、クック、シャクルトンなどが登場する。100年を超えたいま見てもすばらしいグラフィックデザイン!

    1910年5月21日の「イラストレイテッド・ロンドン・ニュース」紙に掲載された広告。釣りやスケートなどのウィンタースポーツのほか、ひげそりや離乳食用のお湯を入れたり、コーヒーを入れてちょっと一息つくのにも便利とある。

    1916年11月4日の「リテラリー・ダイジェスト」紙に掲載されたクリスマス広告。

    探検以外では、サーモスの魔法びんはどのように使われていたんですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    水筒はもちろん、テーブルに置くポットや食べ物をいれるフードジャー、バター用の容器などもありました。

    1935年の広告。フードジャー、フラスク、ジャグのほか、バターポットも紹介されている。

    フードジャーもそのころからあったんですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    はい。原型はでき上がっていました。家の中や庭はもちろん、ピクニック文化が盛んだったので、アウトドアで使うことを想定していたんだと思います。それまでは温かいお湯やお茶を外に持っていっても、すぐに冷めてしまっていたので、サーモスの魔法びんは画期的な製品でした。

    北米のデイキャンプ風景。中央の男の子がフードジャーからスプーンでスープのようなものをすくっている。今のキャンプシーンにも似合いそうなクーラーボックスやジャグも。

    そういえば、社名の「サーモス」がまさに「熱」という意味ですよね?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    そうですね、これはギリシャ語なんですが、ギリシャ語では「テルモス」と読みます。とくに山登りされる方には「テルモス」の愛称で呼ばれていました。

    はい。僕も学生時代は「テルモス」と呼んでいました。ワンダーフォーゲル部で冬山に行くときには、たっぷり砂糖を入れて甘くした温かい飲み物を詰めて持っていき、1時間ごとに休憩して飲まないと体が動かなくなる。低温下では温かいもののある/なしが、ほんとうに命に関わりますから。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    当時はサーモスの魔法びんが海外では一般的だったので、「サーモス」や「テルモス」が水筒全般を指す一般名詞的に用いられていました。どこのブランドの水筒もサーモスって呼ばれていましたし、「サーモス持ってるよ」といっても、じつは違うブランドの水筒だったりしていたんですよ(笑)。

    サーモスに革新をもたらした日本の新技術

    日本でサーモスは、どのように普及していったんですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    日本では、もともとは欧米のサーモス製品を輸入商社が仕入れていました。1989年に、いまのサーモス株式会社の親会社である日本酸素株式会社(現・日本酸素ホールディングス株式会社)が、イギリス、アメリカ、カナダのサーモス事業を買収します。この買収によって、ガラス製魔法びんが主流だった水筒の世界に、技術革新が起きたのです。

    ちょうどバブル期で、円高で、日本経済が強い時期。まさにベストタイミングだったわけですね。

    BE-PAL沢木

    世界初の高真空ステンレス魔法びん「アクト・ステンレスポット」。

    サーモス 簑島さん

    ちょっと時代はさかのぼりますが、そこで、サーモス買収する以前の1978年に、日本酸素は世界初の「高真空ステンレス製魔法びん」として「アクト・ステンレスポット」を発売しました。ガラスではなくステンレスで、真空の二重構造容器を製造する技術を開発したんです。BE-PAL創刊の3年前ですね。

    BE-PAL創刊は1981年でした。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    日本酸素は工業用ガスのメーカーでして、 当時事業の多角化を図るなかで、企業相手向けだけでなく、一般の消費者向けの事業を模索していたんですね。

    外側も中の真空部分もステンレス製の魔法びん。いまや当たり前になりましたが、魔法びんといえば中はガラスだった当時、どうやって開発したのですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    日本酸素は工場で使う工業用ガスなどを扱う会社ですので、タンクローリーを使っています。液体窒素を運搬する際には、極低温に保ったまま運ぶため、タンクローリーのステンレスタンクは二重の真空断熱構造になっています。

    あぁ!その技術を水筒に応用したんですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    そうなんです。この構造を小さくしたボトルを作れば、売れるんじゃないかと。ステンレス製は軽く、丈夫で、大きさもコンパクトにできます。ガラス製魔法びんのデメリットを解決できる魔法びんということで、商品化をはじめました。

    ステンレスの真空二重構造って、どうやって作るんですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    通常、二重容器を製造する場合、1本1本ポンプをつないで空気を抜いてその穴を塞ぎ、真空状態にしていくんですが、それだと手間も時間もかかるし、品質にばらつきが出ます。そこで日本酸素は真空チャンバーという装置を開発しました。真空チャンバー内の空気ごと抜くことで一度に大量の水筒を真空状態にし、その中で封止材を熱してステンレス容器の穴を封するという製造システムを構築しました。

    当時の日本酸素は、魔法びんメーカーとして、サーモスとライバルの関係だったということですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    当時は「ニッサン」というブランドでした。「アクト・ステンレスポット」の大きいサイズからスタートし、より携帯性に優れた小さいサイズの水筒を開発し、子ども用の製品も販売していました。でも、なかなか競合ブランドには追いつけない。ブランド力が必要だ、ということになり、1989年にサーモスを買収するに至りました。

    そのときは、サーモスの魔法びんはまだガラス製ですよね?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    はい。ですので、日本で作ったステンレス製の魔法びんに「サーモス」というブランド名をつけて販売することからはじめ、徐々に海外のガラス製のサーモス製品もステンレス製に変えていきました。 日本酸素は、ステンレスの加工技術に長けた新潟県燕市にて開発から生産まですべて自社で行なうようになりました。

    ガラスからステンレスへ世界中の水筒を塗り替えていったのは、まさにイノベーションですね。いまや懐かしい思い出ですが、子どものころ、よく水筒振り回して中のガラスを割って怒られた記憶があります(笑)。

    BE-PAL沢木

    チタンボトル、山専用ボトル、自転車専用ボトル

    サーモスの歴史をふりかえって、アウトドア好きとして記憶に残っているのは、ものすごく軽いチタン製の水筒です。現行最新モデルの「真空断熱チタンボトル(FJN-500T)」は、容量0.5リットルで約210グラム。超軽量ですね!

    BE-PAL沢木

    日本中の山好きに愛されたサーモスの「チタンボトル」。左から2004年発売モデル、2007年発売モデル、2021年発売モデル(FJN-500T 現行品)。

    サーモス 樋田さん

    まだサーモスブランドになる前の1988年、日本酸素が新日本製鐵(現・日本製鉄株式会社)と共同開発で世界初のチタン製魔法びん「シャトルチタン」を発売しました。容量0.45リットルで約240グラムと、当時のステンレス魔法びんより3割ほど軽かったんです。この軽さが注目され、山好きを中心に口コミで広がっていきました。

    サーモス 簑島さん

    チタンはステンレスの60%ほどの比重で、非常に軽いんですが、硬い金属なので溶接や加工が難しいんです。そのため価格も高くなります。1988年に開発した「シャトルチタン」は、標準小売価格10,000円と当時としてはかなり高価でした。

    サーモス 樋田さん

    2007年にサーモスブランドで発売された2代目の「チタンボトル」の価格は15,000円とステンレス製の倍以上だったんです。

    「BE-PAL」2003年5月号掲載の「チタンボトル」。

    サーモス 樋田さん

    しかも、最初に作ったシャトルチタンは、軽いけど、滑ったんですよね。登山家へのヒアリングの結果、登山に行って、滑って落としたっていう話をけっこう多く耳にしました。どこかの山の斜面の下に、滑落したチタンボトルがいっぱいあるんじゃないかって(笑)。

    たしかに、冬、グローブしてると、メッチャ滑るんですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    しかもチタンはステンレスより温度を保つスペックが高くないので、保温機能自体は少し劣るところもあるんです。ユーザーさんからも、蓋が凍った、はちみつが詰まった、なんて話をいただいたりして、チタンの水筒は、軽くていいんだけれど、山向きじゃないよね、って話になり……

    山好きのみなさんのそんな声を反映して、2007年に登山用手袋をつけたままでも開閉しやすい「山専用ボトル」が生まれたんですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス山専用ボトル

    「山専用ステンレスボトル」左:FFX-901(現行品)、中央:2007年モデル、右:2019年モデル(FFX-751 現行品)。

    サーモス 樋田さん

    当時は3000個でいいから、10年ぐらい長く売り続けられるものを作りたい、という思いからスタートしました。容量と保温性能、ザックに入れたときの高さなど、いろいろな登山家からヒアリングして研究しました。

    それだけのこだわりがあるからこそ、山をやる人は迷わず「山専用ボトル」を選ぶようになったんですね。だって、わかりますからね、温度って。朝入れてきたお茶が昼でも温かいとか、人間の根本的な温度に対する敏感さっていうのは、侮れない。それに、過酷なところで使ってよかった、っていうのは人に言いたくなりますから。口コミで広がるのは重要ですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    体感として助かった、と思ってもらえるのは、本当にこだわって「山専用ボトル」を作った甲斐があります。

    専用といえば、自転車用のボトルもありますよね?

    BE-PAL沢木

    自転車用ボトル。上左・中左:ストロータイプの「真空断熱ケータイマグ( FJF-580/レッド、ホワイト)」、上中右・右:ホットドリンクも入れられるマグタイプの「真空断熱ケータイマグ (FJF-580/ブラック、ホワイト)」。

    サーモス 樋田さん

    学校や会社などの幅広いユーザー層のほか、もっとニッチなところで魔法びんが役立つシーンってないかな、と考えたときに上がったアイデアが「自転車専用ボトル」でした。とはいえ知識がなかったので、レース会場に見にいったり、自転車の問屋さんを回ったりしました。当時は片手で飲めるスクイズボトル(軽量プラスチック容器を握ると中身が出てくる水筒)が主流でしたが、それに変わるものはなんだろう、と。

    ツール・ド・フランスなどの自転車レースでは極軽量なプラスチック製のボトルを使っていますね。ですが、楽しみのためのツーリングやヒルクライムのときには、やはり冷たい飲み物、温かい飲み物を飲めたほうが快適だし、ベストなコンディションで自転車を楽しめそうです。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    スクイズタイプのボトルは、保冷能力が高くありません。これだと真夏は辛いので、自転車のケージにしっかりハマり、走行中もガタガタしない保冷ボトルを試行錯誤しました。第1弾は2017年発売の「ストローボトル」です。

    自転車好きたちのリアクションはどうでした?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    そこが難しくて。信号待ちでパッと飲めるのはいいんですけど、疲れて息が切れてる状態だと、もっとゴクゴク飲みたいという声も……。

    ストローだと吸わなきゃいけない(笑)。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    辛いですよね。そこからまたユーザーさんの声をいただき、飲み口を咥えられるスポーツタイプを開発したり、冬のライド用の温かい飲み物も入れられるマグタイプも開発しています。

    ケージでガタつかない工夫はどのように開発されたんですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    市場に出回っているケージのサイズを測って最適なボトルの径を調べ、何度も試作と検証を繰り返しました。ケージの当たる箇所にはシリコン素材を用いて衝撃を吸収し、滑らないような工夫をしています。みなさん、レースの時はできるだけ軽くしたいということでプラスチック製を使われますが、趣味や練習のときなどはステンレス製のスポーツボトルを使っていただくことが多いです。

    ボトルの中には何を?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    自転車に乗られる方はスポーツ飲料系を飲まれる方が多いんですが、スポーツ飲料系は温度が下がると飲みにくくなるので、保冷ボトルに入れて冷たい温度をキープできると飲みやすいんです。ただ水分を摂るだけじゃなくて、5℃から15℃くらいの水分を摂ったほうが、体に浸透しやすいんです。

    よく、中から冷やせっていいますよね。温度って重要なんですね。

    BE-PAL沢木

    キャンプの風景を変えたアウトドア専用シリーズ

    サーモス広告

    1960年代にアメリカの雑誌に掲載されたサーモスの広告。「サーモス なしで家を出ないで!」というコピーとともにポップアップ式のテント、ランタン、ストーブ(バーナー)、ジャグなどが紹介されている。

    昔のアメリカの広告を見ていると、サーモスって、ランタンやテント、クーラーボックスなんかも作っていたんですね。このキャンプ用ストーブは「世界で唯一どのような種類のガソリンも燃焼できる」と謳っています。MSRなどより早くからマルチ燃料対応のキャンプ用バーナーを作っていたんだなぁ。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    日本では、2019年に登場した「アウトドアシリーズ」としてキャンプで使いやすいラインナップを展開しています。現在ではラインナップも増え、「保冷缶ホルダー」や「真空断熱ケータイマグ」「真空断熱マグカップ」のほか、ステンレス製の食器も人気です。

    サーモスの「アウトドアシリーズ」。2021年のラインナップ。

    ソフトクーラーも食材を詰めやすいインナーバッグが付いていて便利ですよね。BE-PALにもよく登場しています。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「アウトドアシリーズ」には実は第一弾があったってご存知ですか? 1990年に登場した「フィールドサーモス」というアウトドアラインです。もともとアメリカでは1960年代にキャンプギアを扱っていたので、アウトドア専用の商品群を作るのは自然の流れでした。

    第一次オートキャンプブームですね。ビーパルも創刊以来もっとも発行部数が多いころでした(笑)。当時のカタログにある折りたたみ式のBBQグリルなんて、いま見るとかなりオシャレで、ぜひ復刻してほしいんですが…。早すぎたんですかね?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「フィールドサーモス」は、アウトドア専門店を中心に展開していたんですが、そのころは量販店やホームセンターので安い価格帯の商品が増えてきていて、販売戦略がうまくいかなかったんです(苦笑)。それで結局、アウトドアギア関連は撤退することになってしまいました。

    でも、そのときの撤退が、いまのアウトドアシリーズの人気につながっているわけですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    そうですね。それ以前もアウトドア向けのシリーズの話題はよく出ました。ただ、過去の撤退の経緯があるので、なかなか進みませんでした。どういうラインナップでどういうふうに売っていくか? かなり検討に検討を重ねて細かく決めていきました。それで、2019年にようやくアウトドアシリーズをやることが決まります。

    コロナ禍でキャンプが大注目されることになる少し前のことですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    今回の挑戦は、テントとかタープのような幕物まで広げず、もう少しライトに、キャンプに行ったとき使えるものを揃えようということになり、サーモスの主力であるボトルのほか、タンブラー、クーラーバッグ、お皿などをラインナップにして第一弾をスタートしました。

    タンブラーやクーラーバッグなどは、以前はなかったのですか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    扱ってはいましたが、「アウトドアライン」では通常のサーモスとは違う見せ方をしたいと思いました。アメリカで売っているものをベースにして、もっとギアっぽく見せよう、ということになったんです。

    サーモスの「アウトドアシリーズ」。2022年モデル。

    キャンプでもふだん使いでも使いやすいと人気が高い「真空断熱ケータイマグ(ROB-003)」。

    カラーリングも独特ですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    イメージカラーになるものを作ろうということになり、まずはミッドナイトブルーを筆頭に展開しました。ステンレスやブラックを加えていき、最近はカーキやサンドベージュも人気です。性能はもちろんですが、見た目の格好良さにこだわりました。

    キャンプ道具って、機能はもちろんですが、デザインも大事ですよね。アウトドアシリーズのアイテムは、ちょっとアメリカっぽいギア感があって、かっこいい。アウトドアだけでなくふだん使いもしたくなります。

    BE-PAL沢木

    サーモスの「ステンレスボトル (ROB-001)」と「保冷缶ホルダー(ROD-0021)。

    「保冷缶ホルダー(ROD-0021)」

    サーモス 樋田さん

    「保冷缶ホルダー」は自宅で使ってくださる方も多いですね。

    僕も家で使っています。ホント、いいですよ。冷たさが保たれるから、家でビールを飲みながら映画見るときなんかにも、あわてて飲まなくていい、ゆっくり飲める。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「保冷炭酸飲料ボトル」もいいですよ。

    サーモスの「保冷炭酸飲料ボトル(RBAA-500)」。

    最近増えているクラフトビールのあるキャンプ場では大活躍ですね。道中のタップルームで直に注いでもらって、キャンプサイトに持っていく、なんて使い方も、最高ですよ。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    僕も野外フェス好きなんで、ビールを買うときに、紙コップではなく、炭酸飲料ボトルに入れてもらってます。マイボトルならずっと冷えてるから、断然おいしい。ゴミも出ないし、環境にもいいんです。

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    真空断熱で豆腐を作り、パスタをアルデンテにゆで上げる

    サーモスの歴史をひもといて気づいたんですが、ちょっと驚くようなユニーク商品も出していたんですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    1993年発売の「豆腐屋さん」という製品があります。

    サーモス 樋田さん

    無調整豆乳と凝固剤を使用して、保温して豆腐をつくる調理器です。付属でいろいろな味の豆腐がつくれるクッキングブックもついていました。もともと「真空保温調理器 シャトルシェフ」の保温調理の機能を使って何かできないか、と考えて生まれた製品だったんですが、残念ながら廃番になってしまいました。

    サーモス 簑島さん

    で、廃番になった後に、「手作り豆腐ブーム」がきた。

    ちょっと早すぎたんですね(笑)。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    こちらの「真空断熱パスタクッカー」は、火を使わずに、外でもパスタが食べられるようにと2007年に開発されました。お湯とパスタを入れて標準ゆで時間より3分長く保温。あとは湯切りをするだけでできあがりです。

    サーモス 簑島さん

    太さ1.5ミリ以上のパスタをゆでるときには、スパゲティ同士がくっつかないように内蓋のガイド穴を通してパスタを入れる仕組みになっているんです。これがちょっとめんどうだったのかもしれません。ただ、ほんとうにおいしいアルデンテのパスタにゆであがるんですよ。

    サーモス 樋田さん

    「携帯用浄水器 シャトルアクア」は1988年発売。中空糸膜と活性炭を使って汚れを濾過する製品なのですが、当初は海外旅行で使ってもらうことを想定して考案されました。真空断熱ではありませんが、いま考えると、災害時にも使えるな、と。

    コンパクトサイズでいいですね。アウトドアでも活躍しそうです。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    真空断熱の技術を使った新商品として最近では、「レンジでごはんが炊ける弁当箱」や、麺を外やオフィスで食べられる“そと麺”用弁当箱「ヌードルコンテナー」なども出しています。

    サーモスの自由な社風が感じられますよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    こういうのがあったらいいよね、というのを定期的に考えていく社風ではありますね。社内コンペではなく、日々の生活から出てきたアイデアを製品化しています。また、かつて撤退した「フィールドサーモス」が「アウトドアシリーズ」として蘇ったように、昔の先輩方が作っていたものを見ると非常に面白いものも多く、新商品のヒントにもなります。

    BE-PALで振り返るサーモスの歩み

    たしかに、ビーパルも43年やっていると、初期のころの記事を見ると面白いんですよね。根底はあんまり変わってないんだなって。そういえば、1981年の創刊号にもサーモスのボトルが登場してるんですよ。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    本当だ。これはきっと輸入品でしょうね。ガラス製か、アメリカ製か。

    日本規格のものではないんですね。ほかにも「シャトルチタン」「山専用ボトル」「ケータイマグ」など、サーモスの歴史をなぞるように、ビーパルにも数々の製品が登場しています。

    BE-PAL沢木

    「BE-PAL」2001年11月号に掲載された中国料理店「ジーテン」吉田勝彦シェフ愛用の真空調理器「サーマルクッカー」。

    「BE-PAL」2001年11月号に掲載された「シャトルシェフ」。

    「BE-PAL」2004年4月号より。

    サーモス 樋田さん

    おお~、「保温弁当箱」も掲載されていますね!

    「BE-PAL」2010年10月号より。

    サーモス 簑島さん

    毎夏、富士山でのクリーンナップイベントを、BE-PALとサーモスで一緒に開催していましたね。僕も参加させてもらいましたが、参加者のみなさんの熱量や温かさみたいなものが印象的で楽しかったです。「この商品使ってます!」「こういう使い方してもいいですか?」などと、アウトドア好きのみなさんとリアルな意見交換ができて、とてもためになりました。

    マイボトルの時代はいつから始まったのか?

    最近はマイボトルを持つのが当たり前になってきましたが、いつころから始まったんですかね?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    マイボトルの最初は、1998年発売の「真空断熱スポーツボトル」。飲み口が付いていてそのまま口を付けて飲める保冷ボトルでした。

    サーモス「真空断熱スポーツボトル」の広告写真。

    サーモス 樋田さん

    その翌年、初代の「真空断熱ケータイマグ」が発売されました。その後、2004年の猛暑で「熱中症」という言葉が広がるようになって、子どもたちが自分たちの水筒を持って運動しよう、という流れになり、マイボトルを持つ習慣が一気に広がりました。

    サーモス 簑島さん

    さらに、2008年のリーマン・ショックのあと、環境保護意識と節約意識の高まりから「マイボトルを持とう」というムーブメントが起こります。

    マイボトルを持つようになってから、生活の仕方や感覚が変わった気がするのですが、製品開発の面でも変わったことはありますか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    どんどんニーズが細分化してくるので、炭酸が入れられるボトルを開発したり、最近では夏がすごく暑いので、容量がどんどん大きいラインナップも増えています。

    僕も山にしょっちゅう行っていたので、学生のころからマイボトル自体は使っていましたが、会社で使うようになったのは、10年ぐらい前からですかね。不要なゴミを増やしたくないという気持ちや、プラスチック製品をできるだけ使いたくないと思うようになったということもあります。最近では、使うシーンによって容量を変えたりもしています。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    僕もふだん家から持っていくときは、500mlボトルに麦茶を入れていきます。コーヒーは匂いがつきやすいので、180mlサイズの別のボトルを使っています。このサイズだと、コンビニエンスストアのコーヒーも入れることができるんですよ。

    サーモス 樋田さん

    お守りじゃないですけど、薬を飲む用などに、いちばん小さい120mlのポケットマグを携行していただいてる人も多いんですよ。

    サーモス 簑島さん

    ポケットにも入って、荷物にならないですから。

    超ウルトラライトですね!

    BE-PAL沢木

    BE-PAL編集長が愛用するサーモス製品を大公開!

    BE-PAL編集長愛用のサーモス製品

    編集長・沢木の愛用品。

    僕、実は長年のサーモスファンでして、アウトドアではもちろんなんですが、ふだん家でも日常的に使ってます。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    どんな商品を使っていただいてるんですか?

    ケータイマグはもちろん、タンブラー、マグカップ、保冷缶ホルダー、シャトルシェフ 、キッチンツール類などなど。どれも家でも使うし、キャンプにも持っていきます。ふだんから使っているものを持っていったほうが、キャンプも楽なんですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    お気に入りは?

    このおたま、サーモスの「スープジャー」専用品なんですけど、ふだん使いでもとても使いやすいんです。この大きさって、なかなかなくて。普通のおたまとしてはもちろん、内側に目盛りが付いていて、計量できるから、大さじの代わりにもなる!

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    スープジャーって口径の大きさ10センチ前後と小さいので、そこに液体を入れやすいように、おたまの先を細めてあるんですよ。

    しかも左右両端、どちらの側からも注ぎやすい。アウトドアでも割れにくい素材だから、こればっかり使っています。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    ご愛用ありがとうございます!

    この「ナイロントング」もいいんですよ。突起が付いていて、テーブルの上に置いたときに、トング先端がテーブルに付かないようになっているんです。置き場所の限られるキャンプではめちゃくちゃ使いやすい。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    細かい食材もつかみやすいサイズ感になっています。

    「シャトルシャフ」は、家の中で使うほうが多いかな。超便利ですよ。煮込み料理やカレーなどを作るときなんかに、ささっと仕込みだけして、買い物に行っている間に保温しておけば、でき上がってますからね。火をつけっぱなしにしなくていいし、まさにエコ調理器ですよね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    二重構造になってる外側の容器だけアイスペールとして使ってくれるユーザーさんもいらっしゃいます。

    なるほど、キャンプでワイン冷やしたりするのにも便利ですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    お酒なんかを、急に冷やしたいときに便利なんですよ。水入れて氷張って。冷蔵庫で冷やすより早いんですよ。クーラーボックスよりも保冷力が高いし、結露もしないから使いやすいはずです。

    サーモス 樋田さん

    僕もキャンプでは「スープジャー」に氷を入れて持ち運んだりしています。飲み物に氷を追加して、冷たくして飲みたいときに便利ですよ。

    ほ〜、こんどキャンプで試してみようかな。あと、今日は持ってきてないけど、サーモスのフライパンも使ってます。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    社員の間でもフライパンは人気です。使ってない人はいないんじゃないかな、ってほど。

    サーモス 簑島さん

    フライパンは参入して5年目なんですが、ブランドに対する信頼感を持っていただけているようで、サーモスだから買った、という声をいただきます。

    最近ほかにどんな新製品が登場していますか?

    BE-PAL沢木

    写真上:「保温調理器 シャトルシェフ(KBJ-3002)」「真空断熱スープジャー(JED-300)」「グランエッジ三徳包丁(KKB-S165)」。左下:「シャトルシェフ」の内鍋はセラミックコーティングされているから焦げ付きにくい。右下:「シャトルシェフ」の旧モデル。

    サーモス 樋田さん

    「シャトルシェフ」の最新モデルは、内鍋の内側がセラミックコーティングされています。中の料理もおいしそうに見えますし、お手入れのしやすさもアップしました。

    蓋がヒンジ式ではなくて、まるごと取れるようになったんですね。これならアイスペールとして使うときにも冷やしやすい!

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「スープジャー(JED-300)」の最新モデルは食洗機対応になりました。油っぽいものを入れることが多いので、食洗機でササっと手入れできるように、熱に強い塗装に変え、食洗機でも剥がれにくくしました。底のシールも剥がれないように、シールではなくステンレスのプレートをレザー溶接しています。蓋にも水抜き穴をつけて、食洗機で洗ったあとに水が抜けて、乾燥しやすいように工夫が施されています。

    この夏に、包丁も出たんですね!

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「ファインエッジ」と「グランエッジ」という2タイプの包丁を発売しました。いままでは調理の最中の道具や、調理後の保存容器などを開発していたんですが、料理を一連の流れで捉えたときに、準備する道具も必要だよね、ということで、サーモスならではの包丁を開発しました。

    オールステンレスだから頑丈だし、手入れも楽だから、キャンプにも最適ですね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    「三徳包丁」「小三徳」「牛刀」「小牛刀」「ペティナイフ」と大きさ違いの5種類あります。刃幅が一般的な包丁より狭くなっていて、手が小さな女性でも取り回しがしやすく設計してあります。皮むきや芽取りなどがやりやすいですよ。

    持ってみると、普通の包丁より軽い気がしますね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 樋田さん

    実際には重量が圧倒的に軽いわけではないんですが、重心が真ん中にくるように設計しているので、持つと軽く感じるんです。使っていても手が疲れにくい構造になっています。

    キャンプに持ち出すときに便利な専用の包丁ケースを作って欲しいな。ペティナイフと包丁が2本か3本入って、そのままスタンドにもなって。マグネット付きでアウトドアラックとか冷蔵庫にも貼れたりするといいなぁ…。

    BE-PAL沢木

    「次の心地よいをつくる。」を掲げるサーモスの未来戦略

    サーモスは今年から新たに「次の心地よさをつくる。」というタグラインを掲げていますね。

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    これまでサーモスは、保温・保冷という温度に関わるものをかなり重視して製品を開発してきました。温かいからおいしい、冷たいからおいしい、というのはもちろんサーモスがとても大切にしてきたことなのですが、サーモスが今まで提供してきた価値って、じつはそこだけじゃないよね、ということを社内で議論したんです。それで「おいしい!」も「使っていて気持ちいい!」もすべてを包括するとなると、「心地よい」っていう表現になるよね? とみんなで話しあって、今年120周年を機に「次の心地よいをつくる。」というタグラインを掲げることに決めました。

    具体的はどんな「心地よさ」をつくるのでしょうか?

    BE-PAL沢木

    サーモス 簑島さん

    フライパンのコーティングが丈夫で焦げつきにくいことや、持ちやすさ、洗いやすさなども「心地よさ」として重要だと考えています。水筒に関しても、洗いやすさや、パーツ交換のしやすさなど、細かいところに気を使って開発しています。そういった「次の心地よさ」を今後、もっともっと消費者のみなさんに届けていきたいと考えています。

    サーモス 樋田さん

    サーモスは、飲み物に関するものだけはなくて、もっとみなさんの生活全般に寄り添っていけるようなブランドを目指しています。たとえば、この秋から「&ONDO」(アンドオンド)という保温アパレル小物をスタートしました。“心地よい”には、着心地だったり、温かい、という感覚だったり、いろんな心地よさがあると思いますが、冬のデスクワークやキャンプなど、みなさんの日々のさまざまなシーンを支えるような心地よい新製品を開発していきたいと考えています。

    今日一日お話をうかがって、サーモスって、使う人のことをすごく考え抜いた、人に温かいブランドであり、探検家から日々の暮らしまでさまざまなところで僕たちの生活を支えて続けてきたブランドなのだと、あらためて思いました。サーモスの製品を上手に使うことで、気持ちよくアウトドアで遊んだり、プラスチック系のゴミを減らして地球にやさしい生活を送ることもできる。これからのサーモスがすごく楽しみです。今朝降っていた雨も上がって、いつのまにか空がすみわたってきました。やっぱり自然のなかですごす時間って、めっちゃ心地よいですね。本日はありがとうございました!

    BE-PAL沢木

    サーモス株式会社 社長室 ブランド戦略課マネジャー・簑島久男さん: 500mlのケータイマグに麦茶、180mlはコーヒー専用と使い分けている。サーモスのフライパン事業を立ち上げたときにはプロモーションを担当。趣味はギター。週末は邦洋問わずロックバンドのコピーでギター担当としてライブ活動に励む。

    サーモス株式会社 マーケティング部 商品戦略室長・樋田 望さん:野外フェスが好きで、フジロックがお気に入り。バックパックを担いだソロキャンプのためにキャンプ道具も最近ウルトラライトなものに一新。ケータイマグの中身は水か麦茶で、500mlボトルを愛用。担当したサーモス製品のうち、自信作は「真空断熱ケータイマグ(JOH-350)」。ダンパー搭載のなめらかオープン構造で、飲み物が飛び散りにくい構造を開発。

    BE-PAL編集長・沢木拓也:学生時代は早稲田大学ワンダーフォーゲル部に所属し、年間100日以上もキャンプをしながら山を歩いていた生粋のビーパル小僧。

    ※取材協力/PICA Fujiyama https://www.pica-resort.jp/saiko/

     

    連載「サーモスと楽しむ心地よい時間ーTHERMOS 120th Anniversaryー」、次回は「&ONDO」(アンドオンド)の魅力をお届けする予定です。お楽しみに!

    サーモス120周年サイト https://www.thermos.jp/thermos120thanniversary/

    提供/サーモス https://www.thermos.jp/

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