極上サバイバル飯第15弾では、飯盒で手軽につくれる「すいとんの甘辛煮」を紹介します!
15膳目「おやつとして親しまれた水団甘鹹煮」
どーもこんにちは!元自衛隊芸人のトッカグン小野寺耕平です!
「戦場でもコメが食いたい!」という兵士達の声を叶えるために日本軍が開発し、ドイツ軍のメスキットM1893を参考にして明治31年に誕生した機能美溢れるそら豆型の日本の飯盒。
円形より省スペースで携帯性よし、熱効率が高く角がないので洗浄が容易で使い勝手良しと、開発の際に当時の日本軍がこだわった数々のポイントが現代のキャンプ事情にもマッチし、今なおアウトドア界隈で愛されています。
そんな飯盒を使用して作る極上サバイバル飯第15弾は、とっても簡単にできる明治時代の軍人のおやつ「すいとん甘鹹煮(あまからに)」を紹介します!
大日本帝国陸軍では朝昼晩の食事の他に、加給品といって所謂おやつとして出されるメニューもありました。
そのひとつがこのすいとん甘鹹煮です。「鹹」って初めて見る漢字だったので少し調べてみたところ「塩辛い」とか「塩分がある」っていう意味らしいです。おぉ…。
因みに、すいとんって漢字では「水団」って書くのをご存知でしたか?なんとなく水陸機動団を連想させるミリタリーなメニューですよね!
すいとんは平仮名で表記されることが多いので、何か甘い物でも食べてひと休みしようかなと入ったお店のメニューに「水団甘鹹煮」と記載されていてもなかなかイメージがしづらいですが、今日から皆さん、水団=すいとんと読めますので自信を持って大きな声で注文できますな。
すいとんと聞くとなんとなく味噌汁などの汁物や鍋に入っているものというか、食事系のメニューな気がしませんか?
おやつのすいとん、興味深いです。
早速作っていきましょう!!
【材料(1人分)】
小麦粉・・・60g
澱粉(片栗粉)・・・50g
砂糖・・・20g
醤油・・・20ml
水・・・分量外
【作り方】
①小麦粉と澱粉をよく混ぜ、水を徐々に入れて耳朶くらいの硬さに捏ねておく
②飯盒でたっぷりお湯を沸かし、沸騰しているところへ捏ねた生地を摘み落とす
※手を少し濡らすとくっつきにくいです
③浮き上がってきたら飯盒の中子に掬いあげて水を切っておく
④飯盒の蓋で醤油と砂糖を合わせてよく煮詰めてタレを作る
⑤取り出しておいたすいとんとタレをよく絡める
レシピの参照元の原文だと①にある「耳朶」のルビが「みみたぼ」になっていて、少し歴史を感じますね。
今でも白玉団子のレシピとかこういうモチっと系の生地のレシピには大抵硬さの目安として耳朶が用いられますが、「みみたぶ」と読むのが一般的になっているので2度見してしまいました。
これで1人分ということですが、実際に作ってみるとなかなかのボリュームです。
では、早速頂いてみます。
すんんんんんごい弾力だ!!モッチモチのモチ。めちゃくちゃ食べ応えのあるうどん。美味しいタイヤ。…って、伝わりますでしょうか、この弾力のある歯ごたえ。
タレはシンプルなみたらしなので、甘じょっぱくて馴染みのある安定の和スイーツといったところ。しかし特筆すべきはこのモチモチ感でしょう。しっかり咀嚼するので食べ応えがあるし、讃岐うどんを凌ぐモチモチ食感はとても癖になります。めちゃくちゃうまい!
さすが軍人のレシピというべきでしょうか、しっかりアゴのトレーニングになります。
小麦粉にほぼ半々の割合で混ぜている片栗粉の効果なのか、弾力のある仕上がりが個人的には大正解!!
使ったのは薄力粉ですが、もしも強力粉にしたらどうなってしまうんでしょうね。それも興味があるので今度試してみたいと思います。
実は以前YouTubeの企画で「ゴールデンカムイ」に出てくるキャラクター達のモデルになった旧軍の第7師団の食事を再現したことがあるんですよ。1食でとんでもないボリュームでした。あの食事量に加えてこの大ボリュームのおやつとは、本当にかつての日本軍の食事量は驚異的です。
皆さんも興味があれば、この連載でも何度となく軍隊調理法に記載されているレシピをご紹介しているので、おかずとご飯と汁物を組み合わせて1食にして、さらに今回のような加給品も食べてみてください。腹が一杯すぎて5時間は動けなくなること必至ですよ。
「すいとん甘鹹煮」は、捏ねる作業をお子さまに任せてみたりすると休日に家族で楽しみながら作ることもできる手軽なおやつかと思いますし、食べ盛りがいらっしゃるご家庭でしたら粉物が余っているときにササッと作っておやつに出せばかなりお腹いっぱいになるので夕方の「ごはんまだ〜?腹減った〜」に焦らなくて良くなるかも。
是非作ってみてください。
本日はこれまで、それじゃーまた!
今回紹介したレシピ含め、飯盒を使った様々な料理レシピは、動画(公式チャンネル:トッカグンの東京サバイバル)でもご覧いただけます。