早速作ってみた模様をお伝えしよう。
金切りバサミと電動ドライバーを駆使して、空き缶で作ってみた!
ウッドガスストーブとは、二重構造の缶で木材を蒸し焼きにして、取り出した可燃性ガスを燃やすストーブ。予熱した酸素とガスを混合して燃やすため、燃焼効率が高く煙も少ない。
「燃料が小枝なら、災害時も近所で調達できる。ここはいっちょ、つくってみますか!」
金切りバサミと電動ドライバーを駆使すること数10分。完成したストーブに火を入れると、豪快な炎が立ち上った!
「えええ! 数本の小枝でこんなに火力が出るの!? これならご飯も炊けちゃうじゃん!」
善は急げとばかりに、オガチンは白米をストーブに載せた。
「これ、火力と燃焼効率はすごいな。そのぶん忙しいけど」
塗料缶のウッドガスストーブは高性能だが内容積が小さい。ちょっと目を離すとすぐに燃え尽きてしまうが、だからといって枝を入れすぎれば、炉内の温度が下がり酸素の吸入も滞る。少量の枝を持続的に投入するのが上手に使うコツだ。
15分後、メスティンから魅惑的なおこげの香りが漂った。
「それでは待望のオープン! おお、炊けてる! これなら災害時も煮炊きの心配はないね」
材料は空き缶3個だけ!
用意するもの
左から、耐刃グローブ、ゴムハンマー、金切りバサミ、千枚通し(太め)、マーカー、ステップドリルを装着した電動ドライバー。
1 円を16等分する折り目をつ、穴開け位置のガイド紙にする
紙に塗料缶よりひとまわり大きい円を描き、その円を等分する位置で半分に折る(円→半円)。できた半円を等分するように折る(半円→イチョウの葉形)。これを繰り返して4回折ると、円を16等分できる。
↓
2 貯金箱の開口部側に16個の穴を開け、底部にもたくさんの穴を開ける
❶紙の上に貯金箱をひっくり返して置き、縁から30㎜の高さに外周を16等分する点を打つ。
❷その点に千枚通しを当ててゴムハンマーで叩き、直径5㎜ほどの穴を開ける。
❸缶の底部にも千枚通しでたくさんの空気孔を開ける。
底部の穴はできるだけたくさん!
3 塗料缶の天を丸く切り抜き、下部に8個の穴を開ける
❶貯金箱を塗料缶にのせて貯金箱の外周をマーカーで写しとる。
❷マーカーで写しとった円の7㎜ほど内側を金切りバサミで丸く切り抜き、マーカーの線まで短冊状の切れ目を入れる。
❸短冊状のパーツを内側に折り曲げる。
❹紙の上に塗料缶を置き、底から20㎜の高さに外周を8等分する点を打つ。
❺その点に千枚通しを当ててゴムハンマーで叩き、直径5㎜ほどの穴を開ける。
❻その穴をガイドにしてステップドリルで直径20㎜の穴を開ける。
手を切らないように注意!
4 パイン缶に穴を開けてゴトクをつくる
❶筒状にしたパイン缶を紙の上に置き、縁から30㎜の高さに外周を8等分する点を打つ。
❷その点に千枚通しで穴を開け、ステップドリルで20㎜ほどの大きさに広げる。最後に金切りバサミで穴2つを繋げて燃料の投入口をつくる。
今回の缶は小さいから側面を切り開きました!
缶を重ねて完成!
Complete!
塗料缶に貯金箱を挿入してゴトクを置けばウッドガスストーブが完成! 工作になれた人なら着手から完成まで30分ほど。
安定したらこの火力!
下部の穴から入った空気は貯金箱のなかの枝を燃やす(一時燃焼)。燃えた枝から出たガスは2つの缶の間を通った空気と混じり燃える(二次燃焼)。
そのへんの枝が燃料!
ウッドガスストーブの燃料は直径10㎜にも満たない小枝。ひとつかみの枝があれば簡単に湯を沸かせる。
炊飯も実践!150gの小枝で1合を15分で炊けた
Complete!
米を炊いてみると普通のストーブより若干時間がかかったものの、きちんと炊けた。使用した薪はおよそ150g。高効率!
【おまけ オガチン語り】
里山遊びの道具も飾れる収納棚が完成
DIYといえば、我が家にキャンプ道具や登山用品を収納するディスプレイ棚を作りました! 2×4材の末端にディアウォールという突っ張り道具を付けて柱にし、そこに合板を留めれば完成。バッグや帽子など、愛用品を眺めながら毎日仕事ができて幸せです♪
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2024年11月号より)