【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.9】お魚を食べたら…この味は!? 川下りの旅で過ごす「普通の一日」
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    2024.11.06

    【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.9】お魚を食べたら…この味は!? 川下りの旅で過ごす「普通の一日」

    【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.9】お魚を食べたら…この味は!? 川下りの旅で過ごす「普通の一日」
    こんにちは、川下り大好きな旅人ジョアナです。現地で買った古い木舟ペケペケ号で、アマゾン川を旅する【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅】シリーズ。

    アマゾン川の旅は、ものすごいことが起こる日もあれば、穏やかで平凡な一日もあります。今回は、一緒に旅をしてくれているマキシーちゃんと過ごした「普通の一日」を振り返り、アマゾン旅の毎日のルーティンをご紹介します。

    寝起きでお魚ゲット!

    私たちの舟で見つかった魚

    私たちの舟「ペケペケ号」のなかで見つかったお魚。

    夜は川岸に留めたペケペケ号のなかで寝ている私たち。朝は日の出とともに自然と目が覚めます。しかしこの日は起きてビックリ。えっ舟の中に魚がいる!!

    人差し指程度の小さいお魚が、舟の底に溜まった水の上に浮かんでいました。お魚は、浮かんではいるけれど、泳いではいない。きっと昨晩、天敵かなにかに襲われた拍子に水を飛び出して、運悪くペケペケ号のなかに入って力尽きてしまったようです。かわいそうだね。これは食べるしかないね。今夜の夕食はお魚で決定。幸先の良い一日です。

    水漏れするペケペケ号

    木舟の外側にある修理跡

    古い木舟「ペケペケ号」の外側にある修理跡。

    ところで、舟の中に飛び込んだお魚が、一晩で干からびるでもなく水に浮かんでいたのは、ペケペケ号が水漏れしていたせいでした。一晩経つと、舟の底に少し水が溜まってしまうのです。

    もともとペケペケ号は、古くなって使えなくなった舟を漁師さんが手放して、そのまま放置されていたものを私が船着き場で買い取りました。木が古くなっているから、地元の方が表面にタールのようなものでコーティングをしてくれたのですが、旅に出てまだ時間があまり経たないうちからコーティングがはがれてしまいました。おかげで、ちょっと水が染みて漏れてしまう箇所があります。

    剥がれたコーティング

    ああ、コーティングが剥がれちゃった!

    剥がれたコーティングは、なんだか大きな昆布みたい。って、そんな呑気なことをいってて大丈夫なのか、沈まないかなペケペケ号。若干不安です。

    アマゾン川のガソリンスタンド

    アマゾン川のガソリンスタンド

    アマゾン川のガソリンスタンドは、川に浮かんでいます。

    今日やらなければいけないことは、ガソリンの補給です。8.5馬力あるホンダの汎用エンジンGX270に、専用のスクリューを取り付けたアマゾン川スタイルの船外機で走るペケペケ号。

    燃料は空っぽになるギリギリ前に補給します。満タンにするのにちょうど1ガロン(4L弱)くらい入ります。1日で10L以上消費する日もあります。でもガソリンスタンドが頻繁にあるわけではないから、向こう数日に必要な量を、ポリタンクに入れて積んでおくのです。

    ガソリンスタンドで働く人たち

    ガソリンスタンドで働く人たち。

    ガソリンスタンドには、ドラム缶のような容器に入ったガソリンが並んでいます。欲しい量を伝えると、お店の人がバケツにガソリンを汲んで、大きな漏斗をめがけてジャーっと流し、お客さんが持ち込んだポリタンクに入れてくれます。

    ちなみに現地で売られているガソリン用のポリタンクはあまり密閉性が高くなく、蓋をきっちり閉めても傾けるとこぼれてしまうことがあります。それをわかっているから、気の利いたガソリンスタンドだと、ビニール袋の切れ端をかませて蓋を閉めてくれます。こうすると、漏れないのです。

    ピンクの炭酸飲料

    ピンクの炭酸飲料の色は、ガソリンにとても似ている。

    ちなみにアマゾンのガソリンは、ピンク色をしています。この色も、地域によって赤みが強い地域もあれば、うっすら黄色っぽいこともあります。臭いを嗅がずに色だけ見れば、炭酸ジュースそっくり。実際に現地では、ガソリン用のポリタンクではなく、ジュースの空のペットボトルに入れて持ち運ぶ人も多いのです。おかげで、ピンク色の炭酸ジュースを見ると、ガソリンにしか見えなくなってしまいました。

    お手軽アボカドサンドイッチ

    アボカドトースト

    アマゾン川下りの定番ランチ、アボカドサンドイッチ。

    最後に石鹸で洗ったのはいつだったか思い出せないような手をズボンで拭いて誤魔化したら、お待ちかねのランチタイム。この日の昼食は、女子が大好きな野菜の代表格、アボカドのサンドイッチです。

    ほんとはトーストにしたいけれど、トースターがないから、パンがふにゃふにゃのサンドイッチしか作れない。

    だけど、今回一緒に川下りの旅をしてくれている相棒のマキシーちゃんは、キャンプ飯を手軽に美味しくする天才です。ラスクみたいに乾燥しているスナック用のパンを持ってきてくれました。これならサクサクで美味しい!

    完熟アボカドをのせて塩をパラりと掛けると、小麦らしいパンの甘さとのハーモニーが抜群です。

    アマゾンで町ブラ

    アマゾン川流域の町フアンシート

    ペルー・アマゾン川流域の町、フアンシート。

    さて、出発前に食休みを挟みます。町の散策です。

    トゥクトゥクみたいな三輪バイクがちょうどすれ違える舗装路が、町の中心に1本だけ通っていました。道路の長さは1kmくらい。

    建物がたくさん並んでいるわりには、外を歩いている人が少ないような気がしますが、現地の人は短い距離でも、なるべく歩かずにトゥクトゥクで移動することを好みます。漁や農業で外で働く人を除くと、体を動かすためにスポーツなどをする習慣がある人はほとんどいません。

    外で運動を楽しむことが、難しいくらいの蒸し暑い気候。飲み物は、ぬるい水より冷たいジュースの方が美味しい。だから最近は、糖尿病などの生活習慣病がアマゾン川流域の地域で問題になり始めているそう。現代病の波は、アマゾンまで届いているのです。

    床が地面から少し浮いているアマゾンの家

    床が地面から少し浮いているスタイルのアマゾンのお家。

    雨期になると地面が水没してしまうのか、高床式になっているお家が目立ちます。お家に続く一本橋は、子供たちの毎日の遊び場です。

    町で一番大きいお店へ行ってみた

    フアンシートで一番大きい商店

    フアンシートで一番大きい商店。

    こちらは町で一番大きい商店。町で唯一、カード支払いに対応しているお店です。ただし、残念ながら私たちが訪れたときは故障中で、現金払いのみでした。

    船外機にスクリューを繋げるパーツ

    船外機にスクリューを繋げるためのパーツ。

    お米などの食料品から、ペケペケ号のような船外機につけるスクリューの関連部品まで、幅広い品揃えの大型商店。スクリューといえば、以前の記事で紹介したように、今回のアマゾン旅で何度も苦しめられました。こういう信用できそうな新品の部品を扱っているお店は、アマゾンでは貴重なのです。

    アマゾン川の舟旅で作るディナー

    途中で作ったサラダ

    アマゾン川下りの旅のキャンプ飯。サラダ登場!

    町の散策に気を取られて、この日のペケペケ号はあまり進みませんでした。

    進んでも進まなくても、必ず日は暮れるし、暗くなればお腹も空いてくる。楽しみにしていたディナータイムです。

    まずは前菜として、キュウリのサラダ。全体に塩をかけ、さらに持参した日本のゆかりを振りかけてあっさり仕上げます。マキシーちゃんは、持参したタイ風の辛みが効いた味噌のような調味料をつけて。これもパンチがあって美味しい!

    ベジタリアンではないものの、普段からあまりお肉を食べすぎないようにしているというマキシーちゃんとの旅は、野菜が中心の食生活です。凝ったものは作れなくても、おかげで毎日健康的にサラダを食べています。

    メインディッシュに朝の小魚を添えて

    そしてメインディッシュは、今朝、舟内で見つけたお魚。サイズは人差し指くらい。2人で食べるには少なすぎるけれど、これが今日の私たちのたんぱく質です。

    寝起きにゲットしたお魚の料理

    アマゾン川下りのキャンプ飯。寝起きにゲットしたお魚を添えて。

    はやる気持ちを抑えて一口。日中の移動中に腐らないように塩をたくさんまぶしていたせいで、かなりしょっぱい。でも、魚の香りがして、美味しい。癖のある臭いだけど、悪くない気がするような、しないような。

    いや…、この臭い…、嗅いだことのある…。あっ、ガソリンだ。

    ペケペケ号を給油するときに、ちょっとガソリンをこぼしてしまうことがあるのです。うーん、このお魚、もしかしたらガソリンが染みているかも。そう思ったときにはすでに遅く、もう胃の中でした。でも、ノープロブレム!ジョアナは今日も元気です(次回へ続く)。

    私が書きました!
    建築学生
    佐藤ジョアナ玲子
    フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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