どうも。オーストラリア在住ライターの柳沢有紀夫です。私が住むブリスベンから車で1時間ほどのゴールドコースト。
そこで有名な「白砂のビーチと超高層ホテル群」じゃない「アウトドアアクティビティ」を紹介するシリーズ、第2弾はショートハイキングの紹介です。
【ゴールドコースト旅vol.2】颯爽と向かうもまさかの○! でも翌日リベンジ!
前回紹介した「不思議なサーフィン」もそれなりに成功をおさめ気をよくした「頭は5歳」くん。次に向かったのは延々と続くビーチの南端、「バーレーヘッズ国立公園」内のコースです。
ここは小高い丘になっているので「ちょっとした崖の上から海を眺めながら歩けるコース」と「亜熱帯雨林の中を歩けるコース」があり、変化に富んでいます。ゴールドコーストの中心部サーファーズパラダイスからはトラム(路面電車)とバスを乗り継いで40~50分かかりますが、近くに宿を取ったら地元民に交じって朝のウォーキングにもオススメ。
もちろん地図を見ながら普通に歩けるのですが、今回は「ジェルガルアボリジナルカルチャーセンター」という先住民アボリジナルピープルの文化を学べる施設のガイドツアーを予約してみました。
ちなみに英語表記は「Jellurgal Aboriginal Cultural Centre」なのですが、ゴールドコースト観光局から日本語では「カルチャラルセンター」ではなく「カルチャーセンター」とすると指示されたので、それに従っています。さっきから出ている「バーレーヘッズ」も英語の発音的には「バーリーヘッズ」かなと思ったりもしますが、こちらもまた観光局の表記に準じています。「センター」が「Center」でないのも、オーストラリアではイギリス英語流のスペルが使われるからです。
お母さんがアボリジナルピープル(「アボリジニー」という呼び方は差別的とされ使われなくなっています)とトレス海峡諸島人といういずれも先住民のハーフで、お父さんがスコットランド人とのこと。そんなエイドリアンさんと外に出たところ…。
そんなこんなでスタートして、最初に見せてもらったのが日本の「貝塚」のように貝を重ねておいた場所。
「アウトドア生活の大先輩」の知恵を学ぶ
途中エイドリアンがコースを外れました。
黄土色の土を取ってきました。一瞬「雨の中、泥遊びかよ~」と「頭は5歳」の私でもビビったのですが、じつはこの土アボリジナルピープルたちがフェイス&ボディーペインティングに使うものとのこと。
そうした土や鉱物を削って水で溶いたものは「白、黄色、オレンジ、茶色、赤」の5色が基本で、それぞれに意味があるそうです。たとえば赤は血の色。「戦い」の象徴でもあるが、遺体にも塗るそう。そして赤い土はこのあたりでは珍しかったので、物々交換の商品にされたとのこと。
そして白は幽霊の色でもあるが、精霊の色でもあり、彼らに守ってもらうためにダンスのときに顔に塗るのだそうです。
ただ途中でさらに雨足が強くなってきたのでウォーキングは中止。施設に戻ってから、アボリジナルピープルの知恵についてあれこれ解説してもらいました。
まずはアボリジナルアートの代表のように言われている「ドットペインティング(点描画)」。だけどじつは伝統的な手法ではなく1970年初頭にシドニーのアボリジナルのアーティストが始めたとのこと。別のところで別の人に聞いたら「1950年代くらいじゃないか?」とのことでしたが、いずれにせよ、この数十年で急速に広まった手法とのこと。
で、そのアート。動物の絵などはわかりますがそれ以外の単なるデザインに見えるものにも意味があるとのこと。たとえば「U」の字は人を表すそうです。胡坐をかいて座っている形なんですね。その横に線がある場合、槍やブーメランなので男性を表します。何もないのが女性。そして真ん中は焚き火とか食事とかです。
あと「ブーメランは狩りをする男性の道具」で、「杖みたいなのはイモを掘ったりするときに使う女性の道具」と、仕事の役割分担がビシッと決められていたので男女の道具はまったく違うとのこと。
で、こんな話を聞きながらふと思ったのです。「ああ、アボリジナルピープルたちはアウトドア生活の大先輩なんだな」と。なんたって18世紀にヨーロッパ人が入植してきたときも定住する家を持たずに狩猟採集生活をしてきたわけですからね。
「バーレーヘッズ国立公園」はきちんと歩けなかったけど、いろいろなことを学べた2時間でした。
翌朝「バーレーヘッズ国立公園」に再チャレンジすると
とはいえ、やっぱりそこにアウトドア感たっぷりのウォーキングコースがあれば歩きたい。というわけで翌朝リベンジしてきました。
地図の一番下の「You are here.」から緑の1番ルートをちょっと進んですぐに黄色の5番ルートへ。そこから周回路になっている3番ルート「レインフォレストサーキット(雨林周回路)」の右側を北上。ちなみに「サーキット」というと「自動車レース場」と思ってしまいがちですが、もともとの意味は「周回路」です。
この「レインフォレストサーキット」は一応すべて歩いてみましたが、地図左側のルートには特に何もなく、中央のルートだけで充分だと思います。
というわけで3番の北端あたりから2番を経由して1番の「オーシャンビュートラック」を経由して戻るのがいいと思います。
そして突然視界が開けてきました。
東向きなので早朝の散策なら日の出が楽しめそうです。
ツカツクリは卵を抱かず、この大きな「巣」の中に卵を産み、腐葉土の発酵熱で温めるという珍しい鳥です。
地図の3番ルート「レインフォレストサーキット(雨林周回路)」の北上からオレンジ色の2番ルートを通ります。ここは結構下りの階段が多いです。
海沿いのルートへ
そして到着するのが「Northen Entrance」。そう、北側の入口です。というかホテルやホリデーアパートメント(コンドミニアム)が多いので、こちらからスタートする人のほうが多いかもしれません。
1番の海に面した崖沿いの道「オーシャンビュートラック」を戻ります。
前日エイドリアンが教えてくれたところによると、アボリジナルたちを指導した精霊の指とのこと。斜面についているのは水路ではなく、アボリジナルピープルたちが歩く道。傾斜が急で歩くのはかなり大変そう。
「バーレーヘッズ国立公園」はゴールドコーストの中心部のサーファーズパラダイスからだとバスや路面電車を乗り継いで1時間弱。でもそれより南のほうに宿泊すればもっと近いです。
そして2025年の終わりまでには現在のトラムがバーレーヘッズまで延伸されるそう。そうなるとサーファーズパラダイスの所要時間もグッと短くなりそうです。
ビーチからもいいのですが、高台から見渡す南太平洋もなかなかのものです!
【柳沢有紀夫の世界は愉快!】シリーズはこちら!
ゴールドコースト観光局
https://experiencegoldcoast.com/
Jellurgal Aboriginal Cultural Centre
https://www.jellurgal.com.au/