今まで救助犬としてがんばってきたコアが元気なうちに一緒に大冒険を楽しみたいと、秋の東北~北海道をキャンプと車中泊メインで20日間かけて旅をしてきました。その中から、北海道でのキャンプ旅を前後編にわけて紹介。
この前編では、いつもソロキャンの私とコアにとって初めてのグルキャン体験をレポートします。
コアと初めての犬連れグルキャン旅へ
実は恥ずかしながら、私はグルキャンというのは、グループキャンプではなく、グルメキャンプの略だと思っていました。
今回は、SNSを通じて知り合い北海道情報をたくさん教えてくれる札幌在住のベテラン犬連れキャンパー伊藤さん夫妻と、愛犬むぎちゃん、ぎもちゃんと一緒に、地元の美味しいものを食べながら、買い出ししながらの、グループキャンプ兼“グルメ”キャンプを満喫しました。今回のルートは、余市をスタートしてゴールのアルトリ岬まで。片道166kmの旅です。
海鮮市場で食材の買い出しからスタート
札幌を午前9 時に出発して車で1時間ほど、まずは余市の柿崎商店で食材の買い出し。ここでは伊藤家パパさんに犬たちと車でお留守番してもらいました。市場には地元で獲れた新鮮な魚介がずらりとリーズナブルな価格で並んでいます。
地方発送もできるとのこと、海なし県在住の私はあちこち目移りしてしまいました。2階では海鮮丼が食べられる「柿崎商店 海鮮工房」が人気のお店だそうです。 ここでの食材選びは伊藤家ママさんにお任せして、ホタテ、甘えび、秋刀魚、鮭とば、余市の名産品であるりんごを購入しました。
柿崎商店 海鮮工房
住所:余市町黒川町7 -25
電話:0135-22-3354
営業時間などはこちらで
羊蹄山を眺めながら贅沢ランチ
余市の柿崎商店からおよそ60キロ、ニセコの高橋牧場ニセコミルク工房に向かいます。ニセコまでの道中は北海道らしい牧歌的な風景が広がります。途中、休憩で立ち寄った道の駅でニセコのハムやベーコンを購入。高橋牧場ニセコミルク工房に到着すると、目の前にはどーんと羊蹄山。
私はスキーで何回かニセコを訪れたことがありますが、グリーンシーズンに羊蹄山を見るのは初めて。「わー!」と歓声をあげていると、伊藤さん夫妻に「まずはソフトクリームを食べよう!ここのは美味しいから」と手を引かれ、ソフトクリームを買いに。コアと一緒に絶景広がる中、ソフトクリームをペロリ。
ものすごくミルキーで美味しい。むぎちゃんぎもちゃんもちょびっとずつ舐めて大喜びでした。
気持ちの良い原っぱを少し犬たちとお散歩して、高橋牧場の中のレストランのペットOKのテラス席で、地元の野菜たっぷりのランチ。いつもの自分のキャンプのイメージとかけ離れたゆったりとした時間が流れていきます。
ニセコ高橋牧場 ミルク工房
住所:虻田郡ニセコ町曽我 888-1
電話:0136-44-3734
営業時間などはホームページで
豊浦森林公園のキャンプ場に到着
ニセコからさらに60キロ車で走り、途中、道の駅とようらで豊浦の名産品いちごを購入して、豊浦森林公園のキャンプ場に到着。今回は伊藤夫妻がバンガローを予約してくれていました。
森林公園なので、まずは犬たちとのびのびお散歩を楽しみます。 むぎちゃんとぎもちゃんは森や林の中のワイルドなお散歩が大好き。いろいろな動物のにおいを追いかけて楽しみます。時には野生動物の糞を身体になすりつけて、飼い主さんを大慌てさせたりしていました。
自然の中の犬たちはほんとうに生き生きしていて、そんな姿を眺めていると私たち飼い主も嬉しくなってしまいます。お散歩後はキャンプの準備。バンガローの中は火気厳禁なので、タープを張って夕飯の支度をします。
グルメキャンプがスタート!
犬たちのお世話をしている間に伊藤家パパさんが炭を起こししてくれていました。午前中に柿崎商店で買い出ししたホタテと秋刀魚は炭火焼きで。炭火で焼くと香ばしくてほんとうに美味しい。そして、びっくりしたのはボタンエビ。
海なし県在住の私はアウトドアでエビは焼くものと思い込んでいたのですが、伊藤さん夫妻は上手に殻を手で剥いて生で食べ始めたのです。
「エビは焼くのかと思ってた」と言うと、今度は「えっ、焼いちゃうの?」と伊藤さん夫妻がびっくり。生でこんなに美味しくいただけるのは北海道キャンプならではの贅沢。エビ好きの私は、たくさんいただきました。
でも、コア君は生の海老は食べれません。生の海老には、犬の体内でビタミン B1欠乏症を起こすチアミナーゼが含まれているため、犬にあげる時は必ず火を通して、量も控えめにしましょう。
伊藤家ママさん直伝“寒い季節におすすめ”のキャンプ料理
暑さが苦手で寒いのが得意な犬達にとっては、気温が下がり、人の少なくなる秋冬がアウトドアで過ごしやすい季節。料理上手な伊藤家ママさんが、そんな寒い季節にぴったりな簡単で美味しいキャンプ料理を教えてくれました。
ダッチオーブンで炊く【まる鶏の雑炊】
1. 丸ごと一羽の鶏を調理しやすく食べやすいようにいくつかに切り分け、表面を軽く焼きます。
2. ダッチオーブンに表面を軽く焼いた鶏とたっぷりの水を入れ火にかけて、お米を2合分くらい鍋に入れて蓋をします。
3. 1 時間ほど火にかけて、お米と鶏が好みの感じになったら、できあがり。
4. 人用はねぎ、しょうが、塩、ごま油、醤油をお好みで入れて、犬用はていねいに骨を取り除いて、いただきます。犬が食べない場合は、最初からネギや塩を入れて調理してOK。
夜のデザートに【焼きりんご】
1.りんごの芯をくりぬき、バターと砂糖を交互に詰めて、アルミホイルをかぶせて、ダッチオーブン に入れて焼きます。
2.クリームチーズとはちみつを合わせて、よく練っておきます。
3.好みのかんじに焼いたりんご(今回は 20 分)に2で作ったクリームチーズとはちみつのソースを たっぷりかけていただきます。
豊浦森林公園/キャンプ場
豊浦町森林公園管理棟
住所:豊浦町字礼文華526-1
電話:0142-85-1120(電話での予約は受けつけていません)
オンライン予約・詳細はこちら
洞爺湖で水遊び
翌朝、キャンプ場をチェックアウトして向かったのは、日本で3番目に大きなカルデラ湖で、透明度の高いことで知られる洞爺湖(とうやこ)。豊浦森林公園のキャンプ場から洞爺湖までは約60キロです。
コアは水遊びが大好きで、今回の北海道の旅でも湖めぐりをしています。この日は天気がよく気温が高めだったので、到着してから湖畔をお散歩した後に、コアは水遊びもしました。水に入って遊ぶコアを、お水の苦手なむぎちゃんは心配そうに見守っていました。
絶景の無料キャンプ場でランチタイム
犬たちが湖のお散歩で満足したので、次は人間たちのランチタイム。 伊達でお蕎麦かお寿司かという候補も出ましたが、やっぱり犬たちも一緒に楽しもうと、無料キャンプ場でホットサンドランチとなりました。
洞爺湖から25キロほど車で移動して、無料のキャンプ場アルトリ岬キャンプ場へ。噴火湾に突き出した岬のキャンプ場でオーシャンビューを楽しめます。
私とママさんが犬たちのお散歩をしているあいだに、パパさんが手馴れた様子で、さっとテーブルやイスを設営して、ニセコのチーズとベーコン、豊浦のいちごとクリームチーズホットサンドを焼いてくれました。
若いころからキャンプが大好きだというベテランキャンパーのパパさん、キャンプ道具はどれも選び抜かれた良いものを、お手入れして永く使っている感じがとても素敵でした。
アルトリ岬キャンプ場
住所:伊達市南有珠町 107
管理人不在、予約不要、無料
帰り道は美味しいものショッピング
ランチの後は、道中の美味しいものをさらに買いながら札幌に戻りました。立ち寄ったお店のデータも紹介しましょう。
【ニセコチーズ工房】
チーズやカマンベールのソフトクリームが絶品。親子2人で作る小さなチーズ工房です。
住所:虻田郡ニセコ町近藤 425 – 6
電話:0136-44-2188
営業時間などはホームページで
【湧水の里 真狩豆腐工房】
羊蹄山の伏流水でつくられているという豆腐。買い物の後は、店舗前にある水汲み場で、コアのために湧水を汲みました。
住所:虻田郡真狩村社217−1
電話:0136-48-2636
営業時間などはホームページで
【山中牧場】
余市岳を頂く、山あいの一角にある牧場。直営の売店があり、ここのソフトクリームは美味しいものをたくさん知っている伊藤さん夫妻のいち推しです。
住所:余市郡赤井川村字落合478
電話:0135-34-6711
営業時間などはホームページで
北海道での犬連れグルキャンを終えて
私とコアのふだんのキャンプはいつも野宿状態。トレッキングや救助犬の遠征訓練後の宿泊手段としてキャンプすることが多く、早朝に自宅を出発して夕方キャンプ場入りで、食事は自宅から持参したものをワンバーナーでさっと焼いたり煮たりのごくごく簡単なものばかり。
移動はお店が閉まっている時間が多く、地元の美味しいものを買ったりすることも無かったのですが、今回とても楽しく美味しくて、これからこういうキャンプももっと楽しんでみたいなと思いました。まる鶏の雑炊と焼きりんごはこの秋冬、絶対キャンプで作ってみたいと思っています。
旭川生まれのベテランキャンパーのパパさんと、美味しい物には目がなくてお料理上手なママさん、アウトドアでのお散歩が大好きなむぎちゃんとぎもちゃん姉妹。楽しいキャンプをありがとうございました。
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