【広い室内空間は雰囲気も抜群!|伴 隆之のキャンピングカーレビュー】
ロールーフをベースにしながらも開放感ある室内
2004年8月23日に5代目となる現行ハイエースが発売され、はや20年が経過。幾度となくマイナーチェンジを繰り返しながら深化・進化を続けるシーラカンスのような長寿命モデルのハイエースは、国産キャンピングカーのベース車両として不動の人気を支えています。今回は、そんなハイエースベースのキャンピングカーを紹介します。
ビルダーのグリーンハンズは2021年に創立した新ブランド。しかしながら、キャンピングカー製作の実績は20年以上と経験が豊富。
現在はワイドミドルルーフベースの「コット」、スーパーロングキャンパー特装車ベースの「コクア」、そしてここで紹介する「ロット」の3モデルをラインナップしています。
それではロットを見ていきましょう。
ミニバンのように多人数乗車も可能
ロットのベースはロールーフの標準とワイドボディから選択が可能。コンセプトは「たくさん乗れて、いっぱい積める!」。この最適解として前向きのセカンドシートと荷室左側に横座りのサードシートのレイアウトを採用しており、前席に2人、セカンドシートに3人。サードシートに3人の8人乗車が可能となっています。
セカンドシートにはキャンピングカー専用シートであるFASPシートを採用。反転・フラットモードなどシート展開がしやすく、ヴィンテージ感のあるレザー調のシート表皮にすることで汚れが付きにくく、拭きとりもラクです。
居心地のいいインテリア
荷室部分は右側に冷蔵庫やシンクといったキッチン装備や電装系などを集約したロングカウンターを配置。高さをサイドウインドウより低くすることで、視界の妨げにならないよう配慮。またサイドウインドウ部にはオプションで車載用クーラーやアイアンフェンスの装着できる仕様になっています。
食事や休憩時では反転したセカンドシートとサードシートでL字ソファのリビングが展開でき、ロールーフながらも圧迫感なくゆったりと過ごすことができます。取材車は標準ボディでしたが、キャビネットの高さが抑えられていていることで車内の採光性がよく、L字ソファレイアウトにより2人で過ごすときでも標準ボディの狭さを感じさせない開放感があり、快適な空間に仕立てられていました。
ベッドはサードシートの背もたれを通路にセットするだけと簡単で、1〜2分もあればベッドセットができてしまうほど。オプションで上段ベッドの追加もでき、小さな子供との家族旅にも対応しています。
ほかにも荷室のサードシートとキャビネットを左右に振り分けたことで、中央部分にたくさんの荷物が積載できる点もポイントとなっています。
ロールーフをベースにしながらも「多人数乗車・アレンジのしやすさ・積載性の高さ」と、バランスの取れたモデルがロットの魅力といえるでしょう。価格は495万5600円〜。
問)グリーンハンズ