まるで高床式キャンプ! 「テントコット」泊はラクで気持ちいいぞー

アウトドアの知識

2025.01.19

まるで高床式キャンプ! 「テントコット」泊はラクで気持ちいいぞー



まるで高床式キャンプ! 「テントコット」泊はラクで気持ちいいぞー
テントコット泊は新しいキャンプスタイルとして要注目!

一般的なテントにはない快適さがあり、ソロ~デュオでキャンプを楽しむ方におすすめのスタイルです。

本記事ではテントコット泊のメリットや選び方、さらに、筆者愛用のテントコットもご紹介します。

そもそもテントコットとは?

テントコットとはコット(持ち運び式の簡易ベッド)の上にテントが乗った形状の道具です。地面に設置する一般的なテントと比べて、地面からの冷えや熱をカットし快適に過ごせることや、基本的にペグを使用しないため、場所を選ばず設置できるなど、さまざまなメリットがあるアイテムです。

テントコットでのキャンプは、まだまだ一般的になじみのないキャンプスタイルですが、いちどその快適さを知ってしまうと、抜け出せない魅力があります。快適なソロ~デュオキャンプをしたい方に、ぜひおすすめしたいスタイルですので、その魅力を詳しくお伝えします。

テントコットの種類は大きく分けて2つ

分離型のテントコットの全体像。

分離型のテントコット。サイズの合ったコットの上に装着して使用。

テントコットの種類は大きく分けて一体型と分離型の2つです。一体型はコットとテントがあらかじめ一体になっているタイプ。ワンタッチテントの様に開くだけで設営が出来る点がメリットで、重量や収納時のサイズが大きい点がデメリットです。

分離型はコットの上に固定して設置が出来るテント。すでにコットを持っている方は価格を抑えられるため、こちらのタイプがおすすめです。ただし、テントコットが手持ちのコットに対応しているサイズか、しっかりと確認してから購入するようにしましょう。

分離型は軽量でコンパクトなものが多く、積載に場所を取らない点がメリット。コットに取り付けなければ、普通のテントとして使用もできます。デメリットは一体型と比べて設営にやや手間がかかる点。とはいっても、手順は普通のテント設営と変わらないため、難しくはありません。

テントコットの選び方

重量やサイズで選ぶ

折りたたんだ状態のテントコット。

分離型はコンパクトなものが多い。

テントコット購入の際は重量や収納時のサイズチェックが重要。一体型のものは重くなりがちで、積載にスペースを要するため、どちらかと言えば車で出かけるオートキャンプ向きです。

分離型は軽量でコンパクトなものが多い傾向があります。軽量コットと組み合わせて、徒歩キャンプやバイクキャンプに携帯できるサイズのものもあります。自分のキャンプスタイルやクルマの積載量に合わせて、最適なものを選びましょう。

機能で選ぶ

テントコットの表面が雨を弾いている様子。

耐水圧が高いものならば雨天でも安心。

テントコットを選ぶ際は、その機能性にも注目しましょう。まずチェックしたいのがテントの耐水圧。雨天時にも使用したいならば、耐水圧が明記されているものを購入しましょう。耐水圧は1,500mm以上のものがおすすめです。

テントコット内側から全室を撮影した様子。

広い前室のあるテントコット。靴などを濡らさずに収納できる。

暑い時期の使用を考慮するなら、フルメッシュのものなど、通気性がよいものを選びましょう。また、全室のスペースが広いものや、キャノピーのあるものなら、クーラーBOXや小さなテーブルなども置いておけるため、空間を有効に活用できます。

細かい部分ですが、小物用のポケットがあるものは、携帯や鍵などの紛失防止になるため便利です。フックがあるものはランタンを上から吊るして、効率よくテント内を照らすことができます。併せてチェックしておきましょう。

使用人数で選ぶ

テントコットの主流サイズは1~2人用です。1人用のテントコットは幅65~85cmほど、85cmのものなら、一人で寝転がって余った場所に多少のキャンプギアやバックパックを入れ込む余裕があります。ゆとりのあるキャンプがしたい方は、2人用を1人で使うのもおすすめです。

2人で使用するならば幅150cm以上あるものにしましょう。ただし、2人用はそこまで多くの商品が販売されているわけではないため、選択肢の幅は少なくなってしまいます。

テントコットのメリット7つ

設営場所を選ばない

コンクリートの上に置かれたテントコット。

コンクリートの上でもポンと置くだけで設営できる。

テントコットは設営する場所を選びません。コットを置ける場所であればどんな場所でも設営が出来るため、極端な話コンクリートの上でも大丈夫です。また、雨が降るとぬかるむような場所、ペグが抜けやすい山中の落ち葉の上、砂利の上、地面が固くペグが打ち込みにくい場所などでも、コットの水平がある程度取れる場所ならば設置OK。

一般的なテントサイトはもちろんのこと、自宅のガレージでの設営や、野営にも適しているため、テント泊の幅が広がります。

設営した後に移動しやすい

テントコットはテントと比べて設営後に移動しやすいのもメリット。キャンプに出かけてテントをペグで固定してから、「やっぱりあちらの場所のほうがよかった……。」なんていうこともあると思います。そのような場合も、ペグを使わないタイプのテントコットなら、持ち上げて場所移動するだけで簡単に配置換えができるのです。

撤収時にテントが汚れない

雨の日のテント泊の悩みといえば、地面に接する床部分の汚れ。地面がぬかるんでテントの裏側が泥で汚れてしまった経験はありませんか? そもそも床が地面に接していないコットテントなら、そんな心配も無用。コット部分の汚れた脚をササッと拭いて、乾かすだけでよいので手間がかからず、撤収が非常に楽です。

地面の影響を受けない

コットテントの下部の様子。

凸凹した場所でも寝心地に影響なし。

コットテントは地面から距離があるため、地面が凸凹した場所でも寝心地が悪くなりません。床部分がコットのため、どこでも寝心地が変わらず安眠出来ます。また、地面からの熱や冷気の影響も受けにくいため、夏は涼しく、冬は暖かく過ごせます。ただし、地面からの距離があるとしても、冬場はそのまま寝るだけでは寒いので、キャンプ用マットとの併用をおすすめします。

地面からの虫の侵入を防げる

コットテントは地面と寝床との間に空間があるため、アリやムカデなどの虫類が浸入しにくい作りです。林間などの虫の多いキャンプサイトで使用する際に重宝します。

椅子を持っていく必要がない

コットテントを椅子のかわりにして座っている様子。

高さのあるコットテントなら椅子代わりにしてくつろげる。

コットテントの高さにもよりますが、テントの入り口部分を開けてコットの上に座れば、椅子のかわりにしてくつろげます。床部分の材質や形状によってはお尻が沈み込んで座り心地が悪い場合があります。その場合は、キャンプマットを敷けば座り心地が改善できます。

カンガルーテントとして使用できる

テントコットのインナーテントだけを設営した様子。

通気性のよいものは夏場のカンガルーテントとしてもおすすめ。

コットテントはタープや大き目のテントの中に入れ込んで、カンガルーテントとしても使用できる点が魅力。とくに分離型のものはカンガルーテントととして便利です。一般的なテントの様にフライシートとインナーテントがわけられるものが多いからです。インナーテントだけを入れ込んで、蚊などの害虫の侵入を防いだり、フライシートと一緒に使い、2重の壁にして寒さを防いだりと、便利に活用できます。

愛用のテントコットを紹介

設営されたコットテントの様子。

グループキャンプで、大型タープの脇に設営した様子。

私が愛用しているのはHillZeloのMatchbox Solo Cot Tent。分離式のテントコットで横幅は67cm。大人一人がギリギリ寝られる横幅ですが、前室に小型のクーラーボックスやテーブルなどの、ソロキャンプで最低限使用するものを収納できるスペースがあります。

コットにテントコットを取り付けた様子。

コットの角に取り付けて固定。

設営は、インナーテントの角にあるスリーブをコットの4隅に引っかけ、組み立てたポールにインナーテントを引っかけるだけ。このままでもメッシュテントとして使用できますが、フライシートを被せて、ガイロープで地面に固定すれば、耐水圧が1,500mmあるため、雨天の日でも、おこもりキャンプができます。

軽量コンパクトで、重量が約1.65kg、収納サイズが径14cm×長さ47cmほど。組み合わせて使う折りたたみ式の軽量コットと一緒にしても、ツーリングキャンプにも持参が出来るほどのサイズ感です。また、分離式のため、ソロテントとして山登りに使用したり、カンガルーテントとして使用できるのも嬉しいポイント。コスパがよく、15,000円以内で購入できるのにかかわらず、軽量な素材を使い、縫製などの細部の作りこみがしっかりとした高品質なテントです。1人用のテントコットをお探しならば、ぜひチェックしてください。

テントコット泊で新しいキャンプスタイルを楽しもう

テントコットを使ったキャンプは、設営の手間を減らし、どこでも快適な寝床を確保できるため、オールシーズン楽しめるキャンプスタイルです。一体型のテントコットならば、車から降ろして開くだけで寝床が出来上がります。

もしもコットをお持ちなら、分離式のテントコットの導入を検討してみてはいかがでしょうか? きっとキャンプの楽しみをさらに広げてくれるはずです。

 

のまどうさん

アウトドアライター

行く先のあてもないバックパッキング、ソロキャンプ、登山が大好物です。とはいえフラフラは出来ず、最近は子供とのキャンプと自宅に並べたギアを眺めての想像の旅に夢中です。千葉の最南端在住。田舎暮らし満喫中。

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