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ソロテントの主な種類をおさらい
スタンダードな「ドーム型」
ドーム型は天井に丸みを持たせた形の、最もオーソドックスな形状のテント。柱となるポールをまっすぐに立てるのではなく、湾曲に反らせることで、風雨に対する強度を保ち、テントの居住空間を広げている。
大人1人が立っていられるほど頭上にゆとりのあるタイプもあるほど、窮屈感を感じにくい作りになっている。中で簡単な作業や着替えも可能なところが、使い勝手の良いテントであるといえる。
ドーム型は設営も簡単で、メインポールを2本クロスさせてスリーブに差し込むことで立ち上げることができる。慣れると1人でも設営できるため、ソロキャンパーからの人気も高い。丸みを帯びた形は四方からの風を受け流し、山間部の変わりやすい天候にも耐えることができる。
とんがり屋根の「ティピー型」
ティピー型は横から見ると三角形、真上から見ると多角形という、円錐型に近い構造になっている。もともとは、アメリカの先住民が住居用として草原に立てていた。そのため、インディアンテントと呼ばれることもある。
ティピー型テントの特徴として挙げられるのは、組み立てが簡単なこと。『ワンポールテント』とも呼ばれる通り、ポール1本で設営可能なため、キャンプ初心者やソロキャンパーにも向いている。周囲をぐるりとペグで打ち付けることで突風や強い風にも耐えることができ、風を受け流しやすいのも利点の一つだ。
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基本的なソロテントの選び方
軽さ
ソロキャンプは、道具の搬入から設営、撤収まですべて1人でやることになる。そのため、負担を少なく抑えることが、ソロキャンプ成功の第一歩だ。
1人で持ち運ぶことを考えると、荷物はコンパクトに、できるだけ軽くする必要がある。UL(ウルトラライト)という、荷物を極限まで超軽量化するスタイルを目指すなら、1人用でとにかく軽くコンパクトに収まるものを選ぼう。
設置しやすさ
慣れるまでは、テントは1人でも簡単に設置できるものを選ぼう。軽さやコンパクトさも大切だが、1人で設営できないことには始まらない。ワンタッチ式テント、ワンポール式テントなどを選ぶと設営しやすいだろう。
また、ポップアップ式は設置しやすいが、風や雨などの悪天候に弱く、撤収にコツがいるため、苦労することがある。撤収方法までチェックした上で選ぶようにしよう。
前室付きかどうか
どうしても荷物が増えてしまいがちなキャンプでは、雨よけや荷物置きとしても活用できる前室付きのテントが便利。2~3人用のテントをソロで使えば、急な雨や夜露から荷物を守れる。雨や風があってもテント内で簡単な調理ができるなど、キャンプの幅が広がる。前室がない場合は、タープを組み合わせることも可能だ。
耐水圧や通気性もチェック
耐水圧とは、テントに水が侵入してくる度合いを数値化して表現したもの。数値が小さいと水が浸透しやすく、数値が大きくなるにつれ水は浸透しにくくなっていく。
高ければ高いほどいいように思えるが、耐水圧が高いと通気性が悪くなり、テント内が結露しやすくなるため、バランスが大切だ。 耐水圧の高いフライシートと、耐水圧は低くても通気性のいいインナーテントの組み合わせのダブルウォールテントなら、急な天候の変化への対応と快適な居住空間の確保が同時に叶えられる。
また、通気性は、テント内で快適に過ごすためには欠かせない。テント内に人がいる状態で閉め切っていると、かなり湿気が溜まる。この湿気が夜間の冷え込みにより結露し、テント内や寝袋を濡らすことになる。また、通気性が悪いと、酸素が不足して体調不良につながる可能性がある。温度や湿度だけでなく、テント内での一酸化炭素中毒による事故や酸欠になる恐れもある。テントの開口部が広いものや、メッシュになっていて風が通るもの、ベンチレーターがあり常に換気ができるものなど、通気性が高いものが望ましい。
▼参考記事
「BE-PALアウトドアアワード」にノミネートされたソロテント2選
アウトドアの祭典「BE-PAL アウトドアアワード」のテント部門にノミネートされたソロテントを紹介。
ogawa(オガワ) ステイシー ファルダ
ツールームテントの快適性を、ソロキャンプ向けにコンパクトに落とし込んだ名作「ステイシー」。スカートが追加されたこのアップデート版は、悪天候時にもしっかり室内を守ってくれ、安心感もUP!
●サイズ:300×230×高さ130cm
●重量:約4.04kg(付属品除く)
長年「ステイシー」が愛されてきた理由は、何といってもひとりで使用するには贅沢な前室の広さと高さ、そして設営の簡単さ。そこにスカートが追加され、もはや完璧に近い存在といっても過言ではない。

「ogawaの歴史は“絶対的に丈夫”というところから始まっているので、信頼性が高いですよね」(長谷部雅一さん)。

ステイシー最大の魅力でもあるゆとりのある前室は、フルオープンにすることもできる。「小型なわりに背が高いから、ローチェアなら前室にも楽に収まる」(編集長沢木)。
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SOTO(ソト) ホルス ソロ T/C
陣幕とシェルターの組み合わせで、多彩なアレンジが楽しめるのが大きな特徴。何より画期的なのは、火器メーカーのテントだけあって同社のガス器具が使えること。テント内で煮炊きをしながら、星空を眺めることができる。
●サイズ:320×300×高さ160cm(陣幕装着時)
●重量:9.3kg
「焚き火をやりたい」「星空が見たい」「一人で読書がしたい」「シアターにしたい」など、それぞれのスタイルに、柔軟に対応してくれる懐の深さがこのテントの大きな魅力だ。

「混んでるキャンプ場でも、陣幕で囲うとプライベート空間ができる。上を開けておけば開放感はありつつも、まわりの人からは見えない」(高橋庄太郎さん)。

「火力で信頼のあるメーカーが『どうぞ自社のギアを使ってください』ということで作ったところに、まず注目ですよね。火が使えるテントっていう潔さがいい!」(長谷部雅一さん)。
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2024年のおすすめはこれ!BE-PALが選ぶソロテント2選
ソロユースに求められるのは、なんといっても軽量コンパクト性と設営のしやすさ。2024年のおすすめソロテントをBE-PALライターが紹介する。
直感的に設営できるものがベスト
登山やスルーハイクの旅でテント泊するとき、何より重要なのは"直感的に設営できること"。歩き続けて疲れているときに、複雑なフレーム構成のテント設営は苦痛以外の何ものでもない。
もう一点強調しておきたいのは、フレームだけで自立するセルフスタンディングであること。 直感的に設営できるシンプルなクロスドームや、ハブで1本化したメインポールとリッジポールのみの吊り下げ式など、どれもセルフスタンディング式だから、立ち上げたあとに移動するときも扱いがとても楽ちん。姿形に奇抜さはないものの、ソロキャンピングに必要な要素、機能がギュッと凝縮されている。
初めてテントを買う人、買い換えを検討中のソリストに自信を持ってお薦めだ。
RIPEN(ライペン) SLソロ
23年のベストヒット第1位に選ばれた2人用のSLドーム(980g)のソロバージョン。ポールスリーブの片側が袋状になっていて、ひとりでもスピーディーに設営できるクロスドームだ。まさに"シンプルisベスト"なモデルといえる。
●収納サイズ:19×8×25cm
●ポールのたたみ寸法:38cm
●重量:900g+アンダーシート150g

この軽量コンパクト性は魅力。

薄手なグランドシート布地を保護するため、専用アンダーシートが付属。
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MSR(エムエスアール) ハバハババイクパック1
216×76cmというソロサイズのインナーテントだが、天頂部のリッジポールが前後のウォールを立ち上げてくれるので閉塞感の少ない居住空間を持つ。奥行き76cmの前室もあり、バイクツーリストにウケること必至だ。

コンパクトなスタッフサックは、付属のステイとベルトを使ってハンドルバーに取り付けられる。

テント内天頂部のポケットとロープは、小物を置いたり引っ掛けたりするのに便利だ。
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全国アウトドアショップの店員さんが推す!おすすめソロテント9選
全国アウトドアショップの店員さんが"本当に推したいソロテント"を徹底調査! ソロキャンパーの急増を受け、軽量でコンパクトなモデルの需要が拡大。ひとりとはいえゆったり過ごしたいなら2人用以上、装備を極力軽くしたい人力移動派には究極の1人用がお薦めだ。
ブランド・商品 | 画像 | 販売サイト | 詳細情報 |
---|---|---|---|
価格 | |||
RIPEN(ライペン) エアライズ2 | ![]() | ¥57,200 | |
Six Moon Designs(シックスムーンデザインズ) ルナーソロ | ![]() | ¥64,900 | |
Coleman(コールマン) ツーリングドーム/ST | ![]() | ¥21,780 | |
ogawa(オガワ) ステイシーST-Ⅱ | ![]() | ¥54,780 | |
finetrack(ファイントラック) カミナドーム2 | ![]() | ¥74,800 | |
RIPEN(ライペン) トレックライズ0 | ![]() | ¥42,350 | |
Tentipi(テンティピ) オリヴィン2 ライト | ![]() | ¥91,300 | |
鎌倉天幕(カマクラテンマク) ソリスト | ![]() | ¥93,500 | |
MSR(エムエスアール) ハバハバシールド2 | ![]() | ¥88,000 | |
RIPEN(ライペン) エアライズ2
迷うことなく直感的に設営できる、シンプルなクロスドーム。最大3人が寝られるサイズながら1,550gと軽く、ひとりでゆったり使いたいバックパッカーやキャンパーに人気だ。
●対応人数:2人(最大3人)
●サイズ:間口130×奥行210×高さ105cm
●収納サイズ:本体30×15直径cm、フレーム38cm
●重量:1,550g(本体+フレーム+フライシート)
推しのコメント
「入り口が短辺にあり、汎用性高くあらゆるキャンプ場で使えます! 充実のアフターフォローもポイントです」(ナムチェバザール水戸店)
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Six Moon Designs(シックスムーンデザインズ) ルナーソロ
本国アメリカで数々の受賞歴を持つ、超軽量なワンポールテント。慣れれば1分ほどで設営でき、風や雨に対する強さも申し分ない。通気性に優れているので、とくに夏は快適。
●サイズ:267×199×H122cm(フロアサイズ:229×122cm)
●収納サイズ:28×10cm
●重量:710g
推しのコメント
「シングルウォールでわずか700g前後の軽さを実現! 素材の強度がアップされ、通気性もタープのように抜群です」(秀岳荘白石店)
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Coleman(コールマン) ツーリングドーム/ST
ひとりでも設営しやすいポールポケット式で、荷物を置くのに十分な広さの前室を装備している。1人用ながら前後どちらにも出入り口があり、使い勝手の良さも満点だ。
●サイズ(フライ装着時):約210×265×H100cm
●収納サイズ:直径約19×49cm
●重量:4kg
推しのコメント
「リーズナブルでソロキャンパーに大人気! お手頃価格を感じることなく、長く使えるのもうれしいところです」(WILD-1郡山店)
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ogawa(オガワ) ステイシーST-Ⅱ
広くて130cmもの高さがある前室両サイドのドアは、裾がジッパースライダーに追従する仕組み。細かい気遣いが感じられる、日本ブランドならではの作りだ。(Amazonのリンク先は別カラー)
●サイズ:フライ装着時/230×300×H130cm、インナーテント/220×150×H120cm
●収納サイズ:52×19×19cm(フレーム折り寸40cm)
●総重量:3.9kg(付属品除く)
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finetrack(ファイントラック) カミナドーム2
パッキングして持ち運びやすい軽さとコンパクトさ、強度&剛性、快適空間と、機能をたっぷり詰め込んだ山岳仕様。4シーズン対応もうれしい。
●サイズ:212×130(フライ装着時190)×H105cm
●収納サイズ:本体8×17×27cm、ポール39cm
●重量:1,310g(付属品込み1,460g)
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RIPEN(ライペン) トレックライズ0
本体の生地に、中空糸で織り上げた薄手のリップストップナイロンを採用。最大2人まで寝られるサイズでわずか1,250gという軽量な3シーズンモデル。
●サイズ:205×80×H100cm(前室奥行き40cm)
●収納サイズ:直径13×28cm、ポール畳み寸法38cm
●重量:1,250g
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Tentipi(テンティピ) オリヴィン2 ライト
大型ワンポールテントのクオリティーはそのまま、直径280×H170cmにサイズダウンしたシルナイロン製。ドアにはモスキートネットが付き、スカートは巻き上げ可能だ。
●サイズ:直径280×H170cm
●収納サイズ:41×15cm
●重量:1,900g
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鎌倉天幕(カマクラテンマク) ソリスト
防水透湿生地搭載のシングルウォールテント。フライとインナーテントが一体化しているため、シンプルで素早く設営できるのが特徴。ポールは付属しないが、トレッキングポールでも設営可能だ。
●サイズ:215×110×H120cm
●重量:約1,500g
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MSR(エムエスアール) ハバハバシールド2
フライとボトムに、従来より約3倍長持ちする新しいコーティングを採用。さらには耐水性を維持しつつもシームテープをなくし、耐久性と軽量性を高めている。
●サイズ:213×127×H101cm(インナーテント)、前後室それぞれ奥行き66cm
●収納サイズ:46×11cm
●総重量:1,470g
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夏も快適に過ごせるソロテント!達人のおすすめ4選

レポーターは、「sotosotodays」ジェネラルマネージャーの野毛陽平さん。小田原の実店舗と店舗オンラインストア「BASE」を統括する名物スタッフ。ひとりでも家族でもキャンプをし、年間宿泊数は50日を超える。
BE-PAL流ソロテント選びのポイント3
1 ゆったり過ごしたいなら高さ100cm以上がよし
2 暑い日も快適に過ごせるメッシュ&遮光加工を
3 荷物が多くなりがちなら、2人用テントを選ぼう
ogawa(オガワ) ホズST
3本のポールで構成する自立型テント。従来品と比べて高い耐久性の生地に変更し、天井の透明パネルを省いた。「インナーはフライに引っ掛けられるので、付けたまま設営、撤収できるのが便利です」
●サイズ(約):255×245×H120cm
●収納サイズ(約):20×18×52cm
●重量(約):3.58kg

色みが渋くなって男前に!

出入り口のファスナーは、開けると裾が自動的にめくれる。「楽チンですね!」

出入り口は前後2か所に配置。インナーの出っぱった場所に荷物を置ける。
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MSR(エムエスアール) エリクサー2
2本のポールと、天井に短いポールを追加して組み立てる自立型テント。天井とサイドの計4か所に収納ポケットを装備。「室内に入る光がナチュラルになるので、気持ちよく過ごせます」
●サイズ(約):279×213×H102cm
●収納サイズ(約):直径17×51cm
●重量(約):2.77kg

バックパックなど大きい荷物が置ける広い前室。「靴の脱ぎ履きがしやすく、出入りがスムーズ」
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Coleman(コールマン) ツーリングドーム エアー/ST+
裏地に遮光コーティングを施した自立型テント。天井に今季発売の電動ファンが装備でき、さらに通気性をアップしてくれる。「入ると真っ暗なので、朝の眩しい光からおさらばですね」
●サイズ(約):265×210×H110cm
●収納サイズ(約):直径19×49cm
●重量(約):4.5kg

ベンチレーションをより広く設計し、さらに空気循環がしやすくなった。
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Snugpak(スナグパック) スコーピオン2
天井をまたぐポール構造で、風の抵抗を受けにくくした自立型テント。フライの耐水圧は他を圧倒する5,000mm。「使う部位がわかるように、ポールごとに色付けしているのが優しいですね」
●サイズ(約):300×130×H105cm
●収納サイズ(約):直径19×43cm
●重量(約):2.65kg

遮光コーティングを施したインナー。計10個のポケットを装備する。
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