極上の“野外”読者空間を作ろう!
「焚き火は自分にとって狼煙のようなもの。『ここはオレの住処だぞ!』って、キャンプサイトに着いたら、すぐに火をおこすんですよ」という、本誌でもおなじみの長野修平さん。誰もが認めるアウトドアの達人に、焚き火の前で本を読むためのアイデア&テクニックを教わった。フィールドではもっぱら地べたスタイルで、トナカイの毛皮を敷く。
「椅子は持って行かずに、地べたで過ごすことが多いですね。焚き火との距離感も近くて、火と一緒にいる感じが好きだし、火も扱いやすい。眠くなったら、そのまま寝られるしね」
そんな修平さんは、アウトドアの実用書をフィールドに持っていくことが多いのだそう。
「フィールドで実用書を読んでいると、本に書かれていることを、その場ですぐやってみようとなる。実際に試すことで、本とフィールドがリンクする。本を読むだけなら、それはただの知識に過ぎないけど、実際にやってみることで、自分の知恵になっていく。フィールドに本を連れていく意味はそこにあると思っています」
今回教えてもらったアイデアは、どれもフィールドで調達できる素材が中心で、時間をかけずに作れるものばかり。ぜひ、参考にして、極上の読書空間を作ってみてはいかがだろう。
焚き火で読書を楽しむためのアイデア術
まずはここから!炎が高くなるティピー型に組めば明るい
焚き火の炎は明かりとしても活用。薪を円錐状に高く組むティピー型は、炎が高く上がるため、周囲を明るくできるとともに、暖房効果も高いというメリットがある。
ブックスタンドを作る
両サイドの木に2本の短い木を渡し、紐でテンションをかける構造。本をのせられて、後ろを支える木で角度調整も可能だ。
紐に巻き付けた小枝をネジのように巻いて締める。
効果は?
両手が空くので、飲み物を飲んだり、寝ながら本を読むのに便利!
リフレクターを作る
3本の木を縛るだけで完成する、白いお皿を使ったリフレクター。木は、お皿を引っかけるための枝が付いたものを選ぼう。
3本の木の上部を三脚結びでしっかり固定する。
効果は?
ランタンの明かりを反射させられるので、手元を明るくできる!
ランタンスタンドを作る
よくしなる細い木を利用したランタンスタンド。木を地面に挿し、その先端付近をチェーンで引っ張るようにしならせてペグダウンすれば完成。
チェーンの代わりに紐やロープを使ってもOK。
効果は?
チェーンの調整で、明かりの高さを簡単に変えられる機能性も◎!
灯明を作る
貝殻を皿に使用した灯明。竹に4つの切れ込みを入れて、貝殻を竹の節部分にセット。貝殻にオイルを入れ、たこ糸に火を灯して使用する。
たこ糸は太いものほど、炎もその分大きくなる。
効果は?
ランタンよりも雰囲気のある明かりで、心地よい空間作りに貢献!
長野修平さんが焚き火の前で読みたい本を聞いた
アイヌ式エコロジー生活
治造エカシに学ぶ、自然の知恵
作者:さとうち藍(著)、関戸 勇(撮影)
出版社:小学館
長野修平さんの焚き火本はこちら
焚き火大事典
監修:長野修平
出版社:成美堂出版
※構成/風間 拓 撮影/三浦孝明
(BE-PAL 2024年12月号より)