フィンランドの中で、最もパブリック・サウナの数が多く、ハイレベルなサウナが集まる都市として、フィンランド第2の都市タンペレが正式に「サウナ・キャピタル」としてフィンランドサウナ協会と国際サウナ協会に宣言された。フィンランドが世界で一番のサウナ大国だとすると、今、世界で一番サウナが盛り上がっている街と言えるのかもしれない。
首都ヘルシンキのパブリック・サウナの数を遥かに超える20を超すパブリック・サウナがあり、2018年には新たに2つのサウナがオープン。フィンランドで最も古いパブリック・サウナがあるのも、ここタンペレ。1906年にオープンしたラヤポルティ・サウナ(Rajaportti Sauna)はフィンランドで最も古い現役のパブリック・サウナで、タンペレのサウナ文化のシンボル的存在だ。
薪で何時間も温められた大きなサウナストーブから生み出される熱は、しっかりしているのにとても柔らかく、他では体験することができないような気持ちのよい汗をかくことができる。サウナの中、そしてサウナから出て外で外気浴をしながらクールダウンしているときも、日本の銭湯のように人と人の距離が近く、独特なサウナ文化を感じることができるのも、タンペレならではだ。併設されているカフェには地元のクラフトビールも充実している。
2つの湖に挟まれた細い地峡で美しい景観に囲まれているタンペレは、コンパクトで動きやすく、すぐに自然にアクセスできるのも魅力の街。サウナもその自然を十分に活かしたものが多く、街の中心部からすぐ近くの湖畔に立つサウナもある。1929年にオープンしたラウハニエミ・サウナ(Rauhaniemi sauna)は湖で泳ぎやすい造りになっていて、夏も冬も一年中人が集まる人気のサウナだ。
名実共に「サウナ・キャピタル」となったタンペレは、これからの動きにも目が離せなさそうだ。
タンペレのサウナ情報がまとまったサイト(英語)
https://visittampere.fi/en/nature/sauna-capital/
文・写真 / 東海林美紀