併せて、対処方法、修理費用、そして長く快適に乗り続けるために実践しているメンテナンス方法についてまとめました。新車、中古車を問わず、キャンピングカーでは起こり得るトラブルなので、これから購入を検討されている方も、ぜひ参考にしてください。
中古キャンピングカーは故障やトラブルが起きやすい?
走る機能と居住空間がひとつになったキャンピングカーには、特有のトラブルがあります。移動時には、常に大きな揺れが発生するため、居住スペースのネジが緩むこともよくあります。そこで、普通自動車とは違うキャンピングカーならではの注意ポイントをまとめました。
キャンピングカーで注意すべきポイント4
- 接触事故:普通車よりも大きなキャンピングカーの場合、死角が大きくなります。車両感覚がつかみにくいので、狭い道を走行するときや駐車の際などに、接触事故を起こさないよう注意する必要があります。
- タイヤの摩耗:車重が重いキャンピングカーの場合、タイヤに大きな負担がかかるため、普通車以上の頻度でタイヤの状態をチェックすることが重要です。
- 雨漏り、配管の水漏れ:パネルの継ぎ目や天井の窓枠、ソーラーシステムのコーキング部分の劣化が原因で雨漏りが発生することがあります。また、車内の住居スペースに木材が使われている場合は、水漏れに気づかずカビや木材の腐敗が発生することもあります。雨漏りがないかを頻繁にチェックし、発見したら早期に修理することが大切です。
- 振動と温度差による劣化:毎日の移動で受ける振動や、季節の変化による温度差が原因で、普通車よりも早く、家具、電化製品、装備品、パーツの劣化が進行します。振動でネジが緩んだり、家具の装着部分が破損することも多いため、定期的に車内を目視で点検し、必要に応じて整備しておきます。
トラブルが起きたらキャンピングカー専門の整備工場を頼ろう
エンジン部分やバッテリーなどの不具合であれば、一般車の整備工場で修理できます。しかし、居住空間などに設置された冷蔵庫、サブバッテリー、照明などは、キャンピングカー専門の業者に任せる必要があります。さらに輸入車の場合、必要なパーツを海外から取り寄せることも。修理に時間がかかることを頭に入れておきましょう。
購入から2年の間に発生した7つのトラブルと対処法
購入後1ヶ月はトラブルが発生しやすい
私たちは中古のキャンピングカーを購入しましたが、走行距離が5万km台と年式の割には状態も良さそうでした。旅を始める前に、キャンピングカー専門の整備工場で点検を受け、タイヤも新品に交換して万全の準備を整えました。しかし、そこは中古車。劣化している部分も多いはずなので、「不具合や多少のトラブルは起きるもの」と覚悟して旅をスタートしました。
2年間でトラブルが多かったのが最初の1ヶ月でした。大きなサイズの車両の運転に慣れずに車体を擦ったり、居住空間の装備にも、様々な問題が発生しました。中古のキャンピングカーは、経年劣化による破損が出やすいことが分かりました。最初の1ヶ月は、キャンピングカーの運転に慣れることはもちろん、設備が動くか、水漏れがないかなどをしっかり点検しましょう。また、購入直後は、なるべく遠出をせず、購入店や専門の整備工場が近くにある場所で過ごしながら様子を見ることをすすめます。
トラブル1:シャワールームの水漏れ
最初に起きたプチトラブルはシャワールームの「コーキング劣化による水漏れ」でした。初シャワーを終えて出たら、床がびしょ濡れ!焦りましたが、シャワールームのコーキング部分にヒビ割れが見つかり、そこから水が漏れていたことが判明しました。翌日、ホームセンターでコーキング剤を購入し、自分たちだけでなんとか水漏れを修理できました。業者を使わなかったので、材料費の2,000円だけで済みました。
トラブル2:洗面台の下から水漏れ
3日目には、洗面台の下からポタポタと水漏れが発生しました。洗面台の下は収納棚になっているため、使用頻度が少なく気づくのに時間がかかりました。自分たちで修理を試みたのですが、特殊なパーツが必要のようで、整備工場へ持っていきました。原因は劣化によるプラスチックパーツのひび割れで、パーツを交換してもらい1時間ほどで直りました。修理費は約8,000円。
トラブル3:蛇口の水漏れ
旅を開始してから2週間ほどでキッチンの蛇口から水漏れが発生。近くにキャンピングカー専門の整備工場がなかったため、ネットで検索しながら蛇口を解体してみると、「カートリッジ」と呼ばれるパーツに問題があるようでした。水道業者を訪ね、取り外したカートリッジを見せると、ゴムパッキンの劣化が原因と分かりました。幸い、一般的な家庭用の蛇口にも使われているカートリッジだったため、新しいものを購入して交換すると、水漏れが止まりました。費用はカートリッジ代の800円のみ。
トラブル4:ウォーターポンプの故障
ウォーターポンプは、走行中の振動により頻繁に故障するパーツのひとつ。これは多くのキャンピングカーに共通する悩みです。
私たちのキャンピングカーも例外ではなく、時間とともに不具合が発生しはじめ、遂にウォーターポンプの交換が必要になりました。交換は簡単と聞いていたので、業者に頼らず自分たちで挑戦しました。新しいウォーターポンプを購入し、ネットで取り付け方を調べて、なんとか交換できました。自分たちで修理をしたので、費用は部品代の13,000円だけ。業者に頼むよりも格段に安く済みました。
トラブル5:車両の破損
キャンピングカーの運転にも慣れ始めたころに、思わぬトラブルに見舞われました。キャンピングカーは車体が長く、後輪からリアバンパーまでの長さもあります。そのため、急な坂を上るときに、「ガリガリ」という音を立ててリアバンパーが地面にヒットしました。バンパーが少しずれましたが、軽傷だったので応急処置を施し、走行には問題がない状態にしました。今のところ放置していますが、修理代が高額にならないかヒヤヒヤしています。
キャンピングカーのリアバンパーは、どうしても擦りやすい場所のようで、ガムテープでぐるぐる巻きに応急処置をしている車をよく見ます。今は、急な坂道をなるべく避けたり、スロープでは減速するように注意しながら、慎重に運転しています。
トラブル6:冷蔵庫の故障
旅を始めてから6ヶ月が経過したころ、冷蔵庫が突然起動しなくなりました。ヨーロッパ製のキャンピングカーの冷蔵庫は外部AC電源、走行中の12V、そしてガスの3つの方法で冷却できるのですが、調べると問題が発生したのはガス冷却装置でした。
12Vで冷却できるのは走行中のみ。外部AC電源はコンセントがあるRVパークやオートキャンプ場でしか使えないため、ガス冷却が一番使用頻度が高いため一大事です。そこでキャンピングカー専門の整備工場をGoogleマップで探しました。
アポなしで訪ねたのですが、業者の方も快く引き受けてくれて、3時間ほどで修理が完了しました。原因は、ガス冷却用の小さなパーツがサビていたようで、これを交換してもらいました。
このように専門知識が必要な作業もあるので、すべてを自分で解決しようとせず、信頼できる専門家に任せることも重要だと再確認しました。
冷蔵庫全体の交換となると30万円近くの高額な費用がかかるところ、パーツ交換だけで済んだため修理代はわずか8,000円。ほんとうに良かったです。
半年に1回は専門業者で点検しよう
一般車と同様にキャンピングカーでも定期的な点検が必要です。購入直後にしっかりチェックし、修理や調整を行なうことで、車体のコンディションを良好に保つことができます。半年に1回程度は、キャンピングカー専門の整備工場で、オイル交換、タイヤ、エンジンの状態を点検してもらうことをすすめます。
自分でできる日々のメンテナンス
専門業者で見てもらう点検のほかに、自分でできる日常的なメンテナンスも多くあります。
- 洗車:キャンピングカーは、風雨や紫外線による汚れを放置すると劣化が進みます。自分で洗車することで、小さな傷や劣化している部分に気づくこともあるので、車体の状態チェックにも役立ちます。
- 車内の換気:キャンピングカーの室内は、湿気が溜まりやすく、結露が起きやすいです。湿気を放置するとカビの原因になるので、車内をしっかり清掃し、棚のなかまで換気します。冬季など換気が難しいときは、扇風機やファンヒーターなどを活用しましょう。
- コーキングの確認:キャンピングカーのボディ(つなぎ目)には、雨漏りを防ぐためのコーキングが施されています。この部分は、経年劣化で防水性が弱まることがあります。小まめにコーキングの状態を確認し、劣化を発見したら雨漏りする前に直しておきます。
- ネジの締め直し:棚や設備を留めているネジが緩むと、故障や事故の原因になるので定期的な確認を忘れずに。
自分でできる修理には、積極的に挑戦してみよう
キャンピングカーは、定期的な点検と日々のメンテナンスを行なえば、20年以上は乗り続けられるといわれています。しかし、大小様々なトラブルは必ず発生します。専門技術が求められるトラブルもありますが、自分でなんとかできるケースも少なくありません。自分で修理に挑戦して新たなスキルを身につければ、次のトラブルにも対処できるかもしれません。常に愛車を大切に扱い、手間を惜しまずメンテナンスを行ない、快適なキャンピングカーライフを楽しみましょう。