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フォーミュラEマシンも登場!「JAIAカーボンニュートラル促進イベントin東京」
正式名称は「JAIAカーボンニュートラル促進イベントin東京」。EVやPHEV、FCEVなどの電動化された輸入車の存在を一般に訴求しようという大規模なイベントでした。
参加したのは4輪車メーカーだけでなく、2輪車メーカー、充電ネットワークメーカー、バッテリーリサイクル企業その他など多岐にわたっていました。
なんと金曜日には皇居と東京駅をまっすぐに結ぶ、あの行幸通りに各社のクルマやフォーミュラE(電気で走るフォーミュラマシンで競われる世界選手権)の車両などがたくさん並べられ、大きなステージも設営されて賑わったそうです。
自動車メーカーでクルマを並べていたのが、メルセデス・ベンツ、BMW(2輪も併せて)、アウディ、ポルシェ、ヒョンデ、ジャガーランドローバー、ボルボ、テスラ、マクラーレンなど。15日だけの展示が、フォルクスワーゲンとBYDです。
最新外国車に乗れる!参加した人々の動機とは
僕は土曜日に、同乗体験のドライバーを務めました。午前10時から午後6時まで、ひとコマ1時間で参加者を助手席や後席に乗せて、内堀通りを1周。
担当した電動車は、BMW iX M60、ヒョンデ IONIQ 5、メルセデス・ベンツ EQB、同G580、レンジローバー オートバイオグラフィ P550eの5台。重複して試乗したクルマもあります。
一人で参加する人ばかりでなく、夫婦や親子などもいました。みなさん事前にイベントのことを知っていて、わざわざ出掛けてきてくれた人たちでした。中央通りのイルミネーション見物のついでに来たわけではなさそうでした。
電動車について興味を持っているという点では一致していますが、興味の持ち方がさまざまなところが面白かったです。
すでにEVやPHEVを所有して乗っていて、その広がった興味と関心を深めるために来場してくれた方々もいました。
そうした方々は電動車の長所であるモーターによる走行の静粛性の高さや発進の滑らかさ、加速の力強さなどはすでに自分のクルマで承知しているので、車種による違いを知りたかったようです。
また、中にはとても詳しい方もいらっしゃって、試乗用のヒョンデ IONIQ 5が直前のマイナーチェンジを受けていることを知っていました。マイナーチェンジによって延びた航続距離や充電性能を試すことまではできませんでしたが、IONIQ 5のクールなインテリアを確かめることができました。
詳しい人とは、電動化だけにとどまらず自動化やコネクティビティなどについても話すことができました。クルマが大きく変わりつつあることを認識されていました。
「ディーラーで試乗だけ」はハードルが高い
クルマそのものが変わるだけでなく、その販売方法などもユーザーには直接的に影響を及ぼしてきます。今回のイベントに参加し、同乗体験まで申し込む人たちはクルマへの興味と感心が高いわけですが、そんな人たちに共通していたのが既存のディーラーに行ってまで試乗したいとは思っていないことでした。
「“買わないといけないんじゃないか”と気がひけてしまう」
「アンケートと称して、個人情報を渡さなければいけないのが嫌」
「何度か行ったが、担当者のバラ付きが大きく呆れたことがある」
その代わりに、こうして各種のイベントに積極的に参加しているわけです。ふだんはスマートフォンなりPCなりデジタルで情報収集を行いながら、休日にはこうしてイベントなどに出掛けてフィジカルにクルマに触れる。とても積極的な姿勢に感心させられました。
急速に多機能&高機能化している最新のクルマに興味と関心を持ってもらい、買ってもらうためには、その持てる価値を実車で十分に伝える必要があります。
そのためには、従来型のショールームやセールスパーソンの形態と財務体系では限界に達しているのだと考えます。
「買わなくても大歓迎」な車イベントが増えますように!
手前味噌になりますが、同乗体験に参加してくれた方々からの感想も上々でした。興味のあるクルマに実際に乗れたことの満足感はとても高いようでした。
中には、「えっ、自分で運転することはできないのですか!?」と最初は期待外れのようだった人もいましたが、助手席からでも楽しんでもらえたようで僕も胸を撫で下ろしました。
そして、みなさん実車に触れて乗れることをとても喜んでくれていました。こうした機会がもっと増えると良いですね。日時の限られたイベントだけではなくて、どこかの施設を活用して、一定期間常設で車に触れたり試乗できるような取り組みも歓迎されると思います。
それに気付いているBMWやボルボなどは「売らないショールーム」を運営し始めています。
今回のイベントを主催した日本自動車輸入組合なり他の団体なりが主導して、実車に触れられ、試乗もできるような機会を増やして充実させていく意義は大きいと思いました。まずは、今回のイベントのアップデイト版が2025年に行われることを期待しています。