神奈川・横浜のアウトドアショップ「GOOD OPEN AIRS myX」でのポップアップストアに先駆けて開催されたペトロマックスの世界観に浸るキャンプイベントで、ペトロマックス日本総代理店「スター商事」との共催。一足早い11月15日にメディアを集めてそのエッセンスをぎゅっと濃縮させた予習イベントが開かれたので参加してきた。
美しさに一目惚れしたものの…
スター商事がペトロマックスを扱うきっかけはヨーロッパで行われた展示会でのこと。
1998年、スター商事に入社して間もない佐々木社長が惚れ込み、本格的に日本にペトロマックスを紹介することになったわけだが「当初は品質が均一ではなくそのまま出荷するとクレームがくることが多いので出荷前に全品検品。さらに修理依頼も多かったですね」と当時の苦労を振り返る。
当時の土曜はペトロマックス修理の日。1日かけて社員たちがランタンを修理していたというから相当なものだ。
そもそもペトロマックスを代表するHK500は200以上の細かいパーツで構成されている。
マイスター制度発祥のドイツを本国とするペトロマックスだが、当初は他国の工場で細かなパーツを製造、組み立てまで行っていた。商標を持っていたのはグローブを作っていた大手ガラスメーカーで、本体の精度まで管理しきれなかったのだろう。
風向きが変わったのは現社長のジョナス・タウレックが商標権を買い取ってからだと佐々木社長は振り返る。
「ジョナスが学生時代にアフリカを旅していたとき、小さな村で見たランタンの美しさに魅了されたのがきっかけだそうです。彼が社長になって以降、パーツは海外で製造していますが組み立てはドイツ国内。きちんと管理しているからでしょう、不具合はグッと減っています」(佐々木社長)
ランタンの品質が均一になっただけでなく、ダッチオーブンや焚き火台などラインナップが増え、世界中のアウトドア好きから評価が高まったのもこの頃から。
「今ではもう私が修理をすることはなくなりましたが、たまにランタンに火をともしています。予熱をしてバルブを開き、パッと光る様子を見ると心が震える。
キャンプでは手軽に使えるLEDランタンが人気ですが、ペトロマックスの灯りは大光量なのにやわらかい。そんな灯りっていいと思いませんか?」(佐々木社長)
ランタンからアウトドアクッキングへ
幅広いラインナップを紹介する佐々木社長は「夕食はキャンプのメインイベント。クーラーボックスで運んできた食材を焚き火にかけて料理を作り、ランタンの灯りのもとで楽しむわけで、ペトロマックスの製品はクッキングの要素を網羅。キーアイテムはHK500ですが、アウトドアクッキングブランドになったように思います」とも。
ペトロマックスを通してドイツ流のキャンプを知る
ところで、HK500の品質が向上した今も、点火に手こずるユーザーはいる。その原因はなんだろう?
(1)給油し、マントルを取り付ける
(2)圧力計の赤いメモリを超えない程度に加圧
(3)予熱バーナーでマントルに火をつけ、燃え移ったら消火して空焼き
(4)ふたたび予熱バーナーに点火し90秒待つ
(5)グリップホイールを下向きにして予熱バーナーを閉じる
以上が点火の手順なのだが、スター商事の太田和良さんによると「大半が予熱不足。また、真鍮製で使っているうちに各部がゆるむので点火前に3か所の点検を行いましょう」とアドバイス。
日本のキャンプ道具はコンパクトで機能的、繊細な仕上げがウリだが、ペトロマックスの製品は質実剛健でありながら美しい。
「どれも少々乱暴な使い方をしても壊れません。なかでもランタンは自分でメンテナンスしながら長く使う、そんな道具です。ペトロマックスを通じて、ドイツのキャンプスタイルを知ってもらえれば」(佐々木社長)
【問】GOOD OPEN AIRS myX ペトロマックス ポップアップストア 12月6日〜12月22日
【問】スター商事