この2024-2025年シーズンも11月23日、ついに幕開けとなりました。例年、スノーアクティビティーは1、2月をピークに4月頃まで楽しめます。周辺には温泉も点在し、日本人にはうれしい穴場! わが家のスキー&スノーボード、温泉旅を全3回にわたりレポートします。この第3回では、スチームボート・スプリングス郊外の山奥にある温泉施設、「ホット・サルファー・スプリングス・リゾート&スパ」をご紹介!
【コロラド州の絶景ゲレンデと知られざる温泉を巡る旅 VOL.3】
レトロなモーテル風建築の温泉宿
100%天然温泉を消毒なしのかけ流しで提供
アメリカ国内旅行の際は、必ずアクセスできる温泉施設や野湯がないかチェックすることにしています。けれども、実際に訪れてみると、消毒の塩素がきつすぎたり、ほぼプールのぬるま湯しかなかったりと、日本人にしてみたらガッカリなスポットも多数。それが、「ついに見つけた!」と個人的に感動する充実ぶりなのが、ホット・サルファー・スプリングス・リゾート&スパです。
「スチームボート・リゾート」のスキー場のある中心地からは車で約50分の距離に位置しますので、車がない場合はホテルのスタッフにタクシーを手配してもらいましょう。わが家は連日のスキー&スノーボートの小休憩として、中日をまるまる、この日帰り温泉に充てました。
このホット・サルファー・スプリングスも、スキー場のあるスチームボート・スプリングスと同様に、かつて先住民の薬湯の地として守られてきた歴史を持ちます。さまざまなミネラル成分を含む名湯は、中でも温泉名にもなっている硫黄(サルファー)の強い香りが特徴的です。なんと1946年の測定以来、40秒ごとに約19リットルという豊かな自然湧出量と成分レベルは変わっていないそう。そんな天然温泉を消毒一切なしのかけ流しで堪能できる、日本人にはたまらない場所なのです。
露天風呂含め約20種類の湯巡りが楽しめる
予約は不要で365日オープン、時間制限、人数制限もなし。脱衣所にはコイン式ロッカー、シャワー、トイレもあります。水着に着替えたら、7つの泉源から湯を引いている屋内外の約20種類あるプールへ。湯は基本的に高所へ行くほど熱め、低所へ行くほどぬるめとなっているようです。そのうち8種類の湯は大人限定。
アメリカ人は熱めの湯が苦手らしく、高所に行くほどひと気がなくなります。おかげで青空の下、ダイナミックな渓谷の自然美を眺めつつ、露天風呂を誰にも邪魔されずにゆっくりと堪能できました。その開放感たるや! 慣れないスキー後の筋肉痛も和らいでいきます。
20種類のどこかしら空いているプールに入れるため、ほかに誰もいなければ貸し切り状態に。やや離れて塀や壁で囲まれているプールは、カップル客に人気のようでした。子ども向けのプール、立派なスイミングプールも完備し、性別、年齢問わず温泉に親しめます。
多彩なプールの中には岩風呂も!
高所のプールに入り、ひとりくつろいでいたら、息子が様子を見に来ました。
「そろそろ帰りたいのかな?」
1日中入っていたい気分でしたが、仕方ない…。帰る前に、息子と一緒にほかのプールを回ってみることにしました。
それぞれ、プールの材質も、湯の泉質や温度もバラバラ。なので、自分好みのプールを見つける面白さがあります。
「僕はここが好き」
と息子が教えてくれたのは、こぢんまりしたサイズ感のプール。色合いやデザインが気に入ったのだそう。一方、夫の推しは岩風呂風に演出されたプールでした。雰囲気があり、熱すぎずぬるすぎず、奥には日陰もあって、なるほどここなら長湯に良さそうです。
若者のグループ客が長時間占領していた比較的高所にあるプールは、眺めこそ素晴らしかったのですが、日陰が全くないのが難。低所のぬるめのプールでは、小さな子どもたちが遊ぶ姿が見られました。1時間の予約制で個室風呂も屋内にあるのですが、18歳未満は利用不可のため、今回は断念。オプション料金を払えば、人目を気にせず日本式に裸で入れるのはいいですね。
私たちは日が暮れる前に帰路に就きましたが、宿泊者は温泉も入り放題なので、日程に余裕があれば1、2泊しても良いかもしれませんね。温泉で体をほぐして英気を養ったら、翌日のスキー&スノーボード再開が待ち遠しくなりました!
■ホット・サルファー・スプリングス・リゾート&スパ
5609 Spring Rd, Hot Sulphur Springs, CO 80451, USA
https://www.hotsulphursprings.com
アメリカ・シアトル在住。エディター歴20年以上。現地の日系タウン誌編集長職に10年以上。日米のメディアでライフスタイル、カルチャー、旅、海外移住、バイリンガル育児など、多数の記事を執筆・寄稿する傍ら、米企業ウェブサイトを中心に翻訳・コピーライティング業にも従事。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。