富士登山を機に山登りにハマった東野さん(でも六合目で敗退!)を中心に、2019年スタートしたドキュメントバラエティ番組「PEAK HUNT東野登山隊」。
東野さんを始め、庄司智春(品川庄司)さん、木村卓寛(天津)さん、椎葉宏治(「東野登山隊」ディレクター)さんの4人で北アルプスの龍王岳、厳冬期の八甲田山、剱岳、残雪期の岩手山などにアタック、シーズン10まで配信されています。
始まりはまったりと、それでやっぱりわちゃわちゃと楽し気だけれど、登山そのものは正真正銘にガチで真剣。そんな東野登山隊が今度は新たにロングトレイルに挑戦。選んだルートは、新潟県糸魚川市→長野県松本市を目指す「塩の道」。全長120kmに及ぶ歴史ある古道。その道中のお話を東野幸治さんと庄司智春さんに直撃インタビュー!
登山と違ってロングトレイルは横移動だから安心だし、あかんかったら休憩できる
――ロングトレイルに興味を持った経緯は?
東野:5~6年前、‟世界のロングトレイル写真集”みたいなんをたまたま買ったんです。1~2週間の休みを取るのはスケジュール的に厳しいけど、世界各地の圧倒的な景色に触れ、こんなんも楽しそうやなと。
そしたらちょうど俳優の仲野太賀くんが、アラスカでロングトレイルに挑戦する動画があって。自分も国内で、そこまでロングじゃなくても、ちょっとやってみたいなぁと。「塩の道」を選んだのはスタッフさんです。昔日本海でつくった塩を歩荷(ぼっか)さんが背負い、牛と一緒に120㎞運んだのを再現しようということで。
――登山との違いをどこに感じましたか?
東野:登山は上っていく楽しさがあって、景色もいい。でも危ないし、死ぬかもわかりません。足をくじいてもよどほのことがない限りSOSは出せない。泣き言を言わず、自分で降りなきゃいけません。
ロングトレイルはまったくの初めてでしたが、そこは横移動やからね。ただず~っと歩くと。あかんかったら休憩できるし、車という文明の利器ですぐ助けに来てくれます。だから安心です。途中でお店に入っても、コンビニに寄ってもいい。今回もディレクターはちょいちょい消えてました(笑)。(庄司さんに)どうでしたロングトレイルは?
庄司:登山は標高が上がっていくので涼しくなりますが、アスファルトの暑さもあって、登山とは違った汗の量でした。始まる前は、楽勝でしょ!?みたいな空気でしたけど。
前回の岩手山もそうでしたが、今後一切そういう言葉はもう…(笑)。もちろん楽しさもありましたが、厳しかったです。アスファルトの道から山に入り、すると高低差があって。アスファルトでも坂があったりして、地味に足腰に響きました。
東野:アスファルトがこたえるんですかね、荷物が重いわけでもないし、不思議ですけど。『24時間テレビ』のマラソンって、途中から歩いてるじゃないですか。テレビで観てたら、たいしたことないと思ってたけど、100kmってめちゃくちゃしんどいねんなって、初めて尊敬の念が湧きました(笑)。「歩いてるだけ」って言ってたのが申し訳ないです…。
庄司:(間)寛平師匠がマラソンとヨットで世界一周をした「アースマラソン」のとき、一日40~50㎞走られていましたが、いざ自分がやると、この距離を毎日毎日!?と…。
東野:寛平さん、もっとアースマラソンのことを言った方がいいいですよ。もうみんな忘れてるから。本人も忘れてるかもわかんないですけど。
--一緒に歩くメンバーに求めるものは?
東野:コツコツと真面目に歩いてくれる人がいちばんです。尚且つ罰ゲームじゃないんで、前向きにやってくれる人がいい。もちろん自分を含めてですが、楽しみたいので。
庄司:後半は、メンバー4人でバトンをつなぐ形でした。東野さんが僕の前で峠を越えてくれたことに刺激をもらって。自分も、ココまで行ってくれた!?と言われたい。少しでも距離を稼ごうという気持になりました。
東野:GPSを使ったアプリがあるんです。歩き始めるときにスタートを押し、その日歩き終えるときに止める。すると歩いた道筋を、3Dの地図で線で見せてくれて。それを見ると、うぉ~こんなに歩いたんや!って。達成感があります。
庄司:そのアプリを教えてもらい、他のメンバーもやってました。
――これから挑戦する人にアドバイスするなら?
東野:雨合羽を持っていくくらいかなあ。水は途中にコンビニも自動販売機もあるだろうし。例えば女性のグループなら、そのなかで誰かの友だちとかにひとりくらい、車でちょっと並走してもらっていつでも止められるようにするとか。あと熊対策?
庄司:日が暮れかかった山道は、熊が出るかも!? とちょっと緊張感がありました。
無になって、黙々と歩くのが気持いい