「重い」「デカい」が一般の焚き火台のイメージ。なかには「軽量」「小型」を目指したものもあるのだが、使いやすさ、持ち運びやすさでいうと……。
バックパックにも入る焚き火台
しかし、さらなる進化を見せてくれたのが、多摩川の某所でテストしてきたパーゴワークス「ニンジャファイヤースタンド」。
中空で軽い金属パイプとメッシュネットを組み合わせたシンプルな構造で、見た目もなかなかスタイリッシュだ。
なにより、丸めて収納したときのサイズ感がうれしい! 大型どころか小型のバックパックにも余裕で収まり、どんなところにでも持っていける。それでいて300gに満たない重量は、クルマでは移動しない「人力派キャンプ」の「焚き火好き」は放っておけないはずだ。
この焚き火台は軽量小型タイプだけに強度は限定的。メッシュネットには太い薪を載せられるほどのスペースはなく、鋳鉄のダッチオーブンを載せると金属パイプのゴトクは曲がりそうである。無理はさせられない。だが周囲で拾った小枝を燃やしたり、3~4人用クッカーを載せたりするのには十分だった。
おもしろくて便利なのは、付属の火吹き棒。こいつで空気を送り、一気にメラメラと火力を高めたりして遊んでいると、妙にテンションも上がりますよ。
金属パーツを組み立てると、上部はX型に。この部分がクッカーや焼き網を置くゴトクになる。
真上からは地面が透けて見える。これは、薪を置く部分が目が細かい金属製のメッシュネットだから。
なんと金属パイプにシリコンチューブが組み合わされた火吹き棒も付属。パイプは修理にも使える。
収納時は長さ36㎝、直径3㎝ほどの大きさに。丸めた状態でトグル付きのコードを使い、固定する。
広げた状態。中央がメッシュネット、右に金属パーツと火吹き棒。左には使用方法を描いたイラストも。
パーゴワークス/ニンジャファイヤースタンド
極細のステンレスパイプとメッシュネットで作られた重量280gの超軽量焚き火台。メッシュネットには柔軟性があり、ケースごと丸めて持ち運べる。バックパックにも収納しやすいので、これまでは重量やかさばりが気になって人力では焚き火台を持っていきにくかった山の中や、荷物を減らして公共交通機関で移動する際も便利だ。
¥13,000
サイズ:360×360×300㎜
収納サイズ:360×30㎜
重量:280g
主素材:ステンレス
◎文=高橋庄太郎
自分が行なう焚き火のスタイルは、もっぱら河原や海岸での直火。山中用に、こんな焚き火台が欲しい。著書『トレッキング実践学[改訂版]』は7月末に発売されたばかり。
※撮影/加戸昭太郎