それなのに、この南北アメリカ大陸に広く分布する小動物は人々に愛されているとは言い難い宿命を背負っています。それどころか、”skunk” という英単語は動物名称の他に、俗語で「いやな奴」とか「打ち負かす」といったネガティブな意味で使われることもあります。
その理由はもちろん、スカンクが猛烈な悪臭の分泌液を出すことにつきます。どれだけ可愛くても、そして悪気がなくても、おならが臭いという理由で嫌われる。気の毒だとは思いませんか?
ということで、スカンクにまつわるクイズ4問です!
【第1問】スカンクが悪臭の分泌液を放出する前の警告行為は?
a) 尾を立てる
b) 足を踏み鳴らす
c) 体を揺らす
d) 上のすべて
スカンクはけっして攻撃的な動物ではありません。むやみやたらに悪臭の分泌液を放出することはなく、その用途はあくまでも自分の身を守るための防御に限られます。
しかもスカンクは、脅威を感じた相手には「引き下がらないとヒドイ目にあいますよ」とまず警告を発します。その警告とは具体的にどのようなものでしょうか?
正解は「d)上のすべて」です。それでもなお、相手が警告を無視して自分を襲ってくるとみなしたときに、スカンクはやむなく分泌液を相手に向けて放出します。その威力はまことに凄まじいものですが、相手を殺すわけではなく、あくまでも撃退するだけです。完璧な「専守防衛」と言えるのではないでしょうか。
【第2問】スカンクは主に何を食べる?
a) 草食
b) 雑食
c) 肉食
d) 昆虫食
どれだけ愛らしくても、そして性格が良くても、スカンクはペットには向きません。悪臭の分泌液が恐れられることはもちろんですが、狂犬病を媒介することも大きな理由です。
従って、スカンクは自然の中で自分の力のみを頼みに生きていかなくてはならないのですが、どのようなものを食べるのでしょうか?
正解は「b)雑食」です。スカンクは主に、昆虫、ネズミなどの小型哺乳類、果実、植物の種子、さらには卵や小型の動物の死骸を食べるなど、食物連鎖の中で重要な役割を果たしています。
一方で、スカンクはその完璧な防御システムのおかげで、自然界における天敵は少ないのですが、匂いに鈍感な大型の猛禽類や蛇に食べられることはあるそうです。
【第3問】スカンクの活動時間帯は?
a) 早朝
b) 夜間
c) 昼間
d) 1日中
スカンクには何種類かあり、体の模様によって識別できるそうです。なかでも白と黒の体毛が縞になっている種は人間社会に近づいてきます。ときには農作物や鶏小屋に侵入して卵を食べることがあり、そのようなときには「害獣」として扱われることもあります。彼らがもっとも活発に動き回る時間帯はいつでしょうか?
正解は「b)夜間」です。夜行性のため、実際に動いているスカンクを見たことがある人は限られます。私もその経験はまだ一度もありません。車に轢かれた可哀そうな死骸は何度か見たことはありますが。
また、スカンクは寒い季節には活動が鈍くなりますが、完全な冬眠はしないそうです。
【第4問】スカンクと出会う機会が減った主原因は?
a) 都市化
b) 乱獲
c) 天敵
d) 気候変動
スカンクの動く姿を見ることはなくても、以前はカリフォルニア州の郊外で車を走らせていると、どこかでやむなく放出したのであろう分泌液の臭いを嗅ぐことは度々ありました。窓をしっかり閉じていても、車内で咳き込んでしまうほどの猛烈な臭いが数kmほどは追いかけてきます。
近年はそうした機会がほとんどなくなりました。他の多くの野生動物の例に違わず、スカンクと出会う機会は減少しつつあるようです。その主な理由は上のどれでしょうか?
正解は「a)都市化 」です。 開発によってスカンクが生息できる場所が減ってきていることに加え、交通事故による被害の影響も大きいでしょう。 今のところは、まだ絶滅危惧種に指定されるほどには個体数は減少していないようですが。
日本でスカンクを見るには?
スカンクは動物園でさえあまり見ることはありません。もし驚かせてしまって、あの強烈な臭いを出されると、その日の動物園はきっと閉園に追い込まれてしまうからでしょう。飼育する場合は、頑丈なケース内に隔離するなどの対策が講じられるようです。
日本国内の動物園で飼育されている動物を検索できる便利なウェブサイト(*1)があります。それによると、現在スカンクを見ることができるのは以下の3か所です。
興味のある人は足を運んでみてはいかがでしょうか。本当に可愛いですよ。
(*1)日本動物園水族館協会ウェブサイト飼育動物検索ページ
https://www.jaza.jp/animal/search