「ハンモックは吊る。家を傷つけない。両方叶える。ビーパルだから!」
壁に穴を開けずに部屋のなかにハンモックを吊りたい!
「壁への穴開けはダメ。天井と床で突っ張る方式は天井の強度で無理…。市販のハンガーは場所をとるから嫌。おまけに邪魔な突起が天井にある。でも、写真の部屋にハンモックを吊りたい!」という注文の多い要望に、ブッシュ早坂がチャレンジ。
チャレンジャーはこの人!
編集部一のDIY野郎 ブッシュ 早坂
「え〜? ハンモックを吊りたいけど壁に穴を開けるのも、突っ張り棒方式も市販のハンガーもいや?そんなのもう、柱のある家に引っ越すしかないよ!」と、プリプリするのはブッシュ早坂。アンカーをつくらずにハンモックを吊るのは物理的に無理な相談だ。
「……待てよ。柱がないなら、柱をつくればいいじゃない!」
早坂が閃いたのはロの字型の枠を部屋に入れる案だった。
部屋の天井の対角線に梁を入れれば、梁は両側の壁に支えられて水平方向へは動かない。その梁の下に柱を立てたら、柱は梁に支えられるので荷重がかかっても内側へと倒れ込まない。
「柱の下部が内側に引き込まれることがあるかもしれない。これは床側に着脱式のつっかえ棒を入れれば防げるな!」
この方式なら、部屋の隅と天井に木材が入るだけなので場所を取らない。床側に入れるつっかえ棒もふだんは外しておける。もちろん、既存の壁や床にも穴を開けずに済む。
「そうと決まれば、ホームセンターへGO!」
早坂が買ったのは12フィートのツーバイフォー(2×4)材5本と金具。切ってつないで3時間でハンモックを吊り下げた。
「製作費は約7,000円。家を傷つけずに浮いて眠れます!」
これが対角線活用型2×4ハンモックハンガーだ!
(柱の上方部分)片方の柱への梁の接続を段違いにして天井の突起物をさける。
(梁の部分)部屋の対角線ぴったりの長さの木材で、ふたつの柱が内側に倒れ込むのを支える。
(同上)2×4の規格(12フィート)に足りないぶんは木材を継ぎ足す。
(左右の柱の部分)向かい合う部屋の角ふたつに天井〜床までの高さの柱を2本立てる。
(梁と並行する下のつっかえ棒部分)ハンモックの使用時は床側につっかえ棒を挿入。柱の下部が荷重で内側に引き込まれるのを防ぐ。
(柱とつっかえ棒の接続部分)市販品の2×4の三方ブラケットで柱の足を拡張する。
テク1 ツーバイフォー定規で簡単墨付け
2×4材に特化。材に当てるだけで材の中心や直角、平行、45°を測れる。
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テク2 マイターボックスで真っ直ぐ切断
初心者には木材を真っ直ぐ切ることも難しい。ソーガイドを備えるマイターボックスがあれば、誰でもきれいに切断可能!
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「継ぎ手」をつくって木材を延長!
市販の2×4の木材は12フィート(3650㎜)が最長。部屋の対角線に長さが足りない場合は材に刻みを入れて接合する「継ぎ手」をつくる。今回はふたつの材の端を20㎝ほど真半分に欠いて、接着剤とボルトで固定した。
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柱を刻んで梁をはめ込む
部屋の対角線に梁を渡し、天井〜床の長さに切り出した柱を当てて接合する高さと角度をチェック。接合角と深さを紙に写し取ったら、柱を刻んで梁をはめ込む。
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柱の穴はなるべく小さく
ハンモックを吊る専用金具もあるが、今回は貫通穴を開けて直径7㎜のスリングを結んだ。穴も小さく強度は十分!
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テク3 床のつっかえ棒はラブリコで着脱
2×4材で簡単に棚をつくれる金具「ラブリコ」。そのつっぱり用金具を床側のつっかえ棒に装着して、棒の着脱を簡便に。
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反対側
長辺345㎝、短辺260㎝の部屋にハンモックを設置! 100㎏を超える荷重をかけてもビクともせず。「スリングを付ける高さは梁に近いといいね。そのほうが柱をたわませる力が働きにくい」
Complete!
【編集ハラボーのつぶやき】
浮遊ロングスリーパーここにあり!
私、ハンモック泊が非常に肌に合うんです。編集部でキャンプした際は、「朝ご飯当番でしょ!」と起こされるまで、なんと8時間も爆睡(汗)。おうちにハンモックが張れたら素敵だなぁ~、でも絶対寝坊しちゃうな……。甘い誘惑に揺れる心なのです。
*このハンガーの梁は、内側に倒れ込む柱を支える強度はあっても、直接ぶら下がれるほどの強度はありません。マネするときはご注意!
※構成/藤原祥弘 撮影/矢島慎一
(BE-PAL 2025年1月号より)