今回は、キャンピングカーでヨーロッパを周遊している筆者が、絶景のマッターホルンが見える車中泊スポットと、スキーリゾートの街「チェルビーノ」をご紹介します。白銀の世界で車中泊を楽しみながら、雄大なマッターホルンをバックにウィンタースポーツやスノーハイクなどを満喫できる場所です。
マッターホルンってどこにあるの?
マッターホルンは、イタリアとスイスの国境に位置するアルプス山脈で、標高は4478mあり、世界中で広く知られています。登頂の難易度は非常に高く、高度な技術と体力、経験が求められ、世界中の登山家たちが「一度は挑戦したい!」と憧れる山です。
登頂の難しい山ではありますが、観光客でも付近の街からケーブルカーを利用して間近でマッターホルンを眺めたり、周辺のハイキングやトレッキングコースを歩いて、手軽に美しい景観を楽しむことができます。
マッターホルンへのアクセスはスイス側とイタリア側の両方から可能
スイス側は、標高約1600mのZermatt(ツェルマット)の街からアクセス可能ですが、環境保護のため、ガソリン車での乗り入れが制限されているので、電車を利用するのが一般的です。ツェルマットからは登山列車やケーブルカーを利用して、マッターホルンを一望できる展望台まで登ることができます。
イタリア側は、標高約2000mに位置する、Cervinia(チェルヴィニア)の小さな村からアクセスができます。こちらはスキーリゾートになっており、車やキャンピングカーでのアクセスもできるため、訪問にはとても便利です。イタリア側からもケーブルカーを使って展望台まで上がることができ、両方から壮大な景色をお楽しみいただけます。
今回は、イタリアのチェルビーノ側からマッターホルンへ行き、極寒の車中泊とスノーアクティビティを体験した様子をお届けします。
イタリア側のチェルビーノスキーリゾート
Breuil-Cervinia(ブレウル・チェルヴィニア)はマッターホルンのふもとに位置するスキーリゾート地で、ミラノから車で約3時間と交通の便が良いので、訪れやすい人気のスポットです。
1年を通して多彩なアクティビティを堪能でき、特に冬のスキーやスノーボード、スノーモービルなどのスノーアクティビティが有名で、毎年多くの旅行者が訪れます。
そしてやっぱり、この場所の最大の魅力は、マッターホルンの姿を間近で見れること!スキーで滑りながら、目の前に壮大なマッターホルンを眺めることができる、まさに夢のようなスキー場です。
町には、多様な宿泊施設やレストラン、カフェ、お土産ショップ、スキー用具のレンタル店などが充実しており、快適で便利な滞在が可能です。
大迫力のマッターホルンの景観を楽しめる車中泊スポット
なんとありがたいことに、この場所にはキャンピングカー専用の駐車場もあり、車中泊者も快適に滞在ができます。大型キャンピングカー約80台が停まれる広い駐車場には、給水場、排水処理場の施設も充実しており、料金は1泊€8.50(約1,300円)と良心的です。スキー場へは徒歩15分ほどかかりますが、無料のシャトルバスもあるのでとても便利!
もちろん、夜は気温が氷点下10度近くまで下がるので、車中泊の防寒対策は必須になります。この記事でも紹介した、防寒アイテムと寒さ対策のおかげで、極寒の中でも車内をポカポカ快適に保つことができました。
そして、この車中泊スポットの注目すべきポイントは、マッターホルンを望む絶好のロケーションであることです。キャンピングカーの窓からは雪に覆われた幻想的な世界と、マッターホルンの神々しい姿がそびえ立ち、なんとも贅沢な眺めを堪能できます。
暖かいキャンピングカーで過ごしながら、日の出と共に変化する光景をじっくりと楽しみ、まるで大自然と一体となったかのような感動を味わえる、まさにこれが車中泊の醍醐味です。
今まで訪れた中でも、トップクラスの絶景を誇る車中泊スポットのひとつで、アウトドア好きには訪れる価値がある場所です。
マッターホルンを眺めながらの雪山ハイキングを体験
マッターホルンの周辺は様々なアウトドアアクティビティが可能で、私たちはスノーハイキングにチャレンジすることにしました。初心者から上級者まで楽しめる、多彩なコースが揃っていて、今回は冬の時期でも歩くことが可能な、2時間ほどの手軽に楽しめる周回コースを選びました。距離は約4.5km、標高差は250m弱と急な登りが少なく、比較的穏やかな斜面を歩くので、初心者にもぴったりです。
スタートはキャンピングカーの駐車場からで、序盤は雪に覆われた森林地帯を歩きます。木々の枝先には薄く雪が積もり、後ろには雄大な雪化粧したアルプスの山々が広がっている、息を呑むような美しい景色です。雪の静けさに包まれながら、ザクザクと雪の上を歩く音だけが響き、心をリフレッシュさせてくれます。
さらに進むと、森林が開けて景色が広がり、目の前に堂々としたマッターホルンが姿を現し、その雄大な姿に思わず息を呑みます。ゆったりした雪道を歩きながら、終盤までマッターホルンの絶景を堪能できる、貴重なハイキング体験となりました。
危険箇所が少ないコースなので、ピッケルなどの専門的な重装備は必要ありませんが、雪が結構積もっているため、スノーシューもしくはアイゼンの着用が必須です。私たちは、10本爪のアイゼンとトレッキングポールの装備で行き、安全に楽しくハイキングができました。
イタリア側はスイス側よりも料金がリーズナブルでおすすめ!
イタリア側からの眺めは、スイス側とはまた違った角度でマッターホルンを楽しむことができ、何よりリーズナブルに滞在できる点が魅力的です。スイスに比べて、手頃な価格で宿泊や食事が楽しめるため、コストを抑えつつ本格的なアルプスの大自然を堪能できます。
私たちのように車中泊を利用すれば、宿泊費をさらに抑えることができ、より自由で一味違った旅を体験することも可能です。予算を抑えながらも、マッターホルンの雄大な景色と素晴らしい自然を満喫したい方には、イタリア側のチェルビーノがぴったりの選択肢と言えるでしょう。