【燃える温泉、黒い温泉、秘湯巡りのアゼルバイジャン】 カスピ海を北上したら、黒づくめのロシアに叱られました。
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    2018.08.28

    【燃える温泉、黒い温泉、秘湯巡りのアゼルバイジャン】 カスピ海を北上したら、黒づくめのロシアに叱られました。

    軽キャンピングカーで、地球半周中の放浪夫婦です。
    稚内からサハリン島へ渡り、シベリアの大地を西へ。モンゴルで道草し、中央アジアからイランを経てコーカサスへ突入。折り返し地点は、南アフリカの喜望峰。ガイドブックに載らない隠れ家的パワースポットで力を蓄え、絶景・奇景を見つけては、「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    写メを撮りまくるアゼルバイジャン人

    カスピ海の西に位置するアゼルバイジャン。噂すら聞いたことがない国ですが、意外にも温泉天国でした。山奥の秘湯から、お湯が燃える温泉、真っ黒な重油風呂とキワモノ湯を楽しめます。また歴史を遡れば元はペルシャだったので、イランのように人懐っこい人たち。ボクらを見かけると、珍しい動物がいるぞ、とばかりに写メを撮りまくり。観光される毎日です。

    酔っ払いに絡まれた名もしれぬ湖

    国境を越えた日、名もしれぬ静かな湖を発見。湖畔の食堂に「ここで寝ていいですかね?」と声をかけ、軽キャンピングカーの寝床作り。地元の青年たちとおしゃべりを楽しんでいたら、酔っ払いに襲撃されました。プロレスラーのように屈強なおじさんが、なぜか拙者にキスを迫ってくるのです。すぐ横に大和撫子のYukoがいるというのに。あまりにもしつこいので、泊まるのを諦めて退散。幻の湖畔キャンピングですが、マイ秘境です。

    熊じゃないですよね?

    湖以外の野宿スポットは、さほど深くもない森。幹線道路を外れて、一軒だけある鄙びた土産物屋に「ここで寝てもいいですかねー?」
    何語の返事かもわかりませんが、あの笑顔はYES!ということでしょう。木々の下に潜り込んで、就寝。夜中、ガサガサと葉が揺れて誰かが通ったような……、もしかして熊?

    ナニもない秘境

    ナニもない秘境があるとの噂を聞き、ナニがあるかも知れずにLahic村へ。道中はガードレールのない頼りない崖道。プチデスロードの先に見つけた、宿泊客のいないキャンプ場。あいにくの雨。

    村を散策し、床屋に誘われて散髪。意外なことに、キャンプ場の無料Wi-Fiは感度良好でした。雨が降り止まず、すぐ目の前の川は決壊寸前な気がしなくもありませんが、車の中で動画鑑賞。幸せのひとときです。

    温泉巡り・「森のなかの秘湯」

    誰が知っているか知らない謎の秘湯、iSTi-SUへ。温泉宿は、獣道に毛が生えたような山道を辿った茂みの奥です。

    四角四面のタイル張りの湯船は風情に欠けますが、ほど良い湯加減。効能は不明ですが、旅の疲れが癒されます。

    温泉巡り・「燃える温泉」

    アゼルバイジャンには、ふたつのキワモノ温泉があります。ひとつは、お湯が燃える温泉。

    川から吹き出すお湯に天然ガスが混ざっているので、ライターをかざすと、ボッ!
    火が点いた……、ようですが、昼間なので明る過ぎてよくわかりません。夜、露天風呂に忍び込んで火をつけたら、下の写真のとおり。燃え盛る火。この後、火を消せなくて密かに大騒ぎ。放火犯になってしまったかと、ビビったです。

    天然ガスといえば、首都バクーの近くでは4,000年間も天然ガスが燃え続けている地獄、「ヤナル・ダグ」が有名です。

    温泉巡り・「重油風呂」

    キワモノ温泉の極め付けは、Naftalan村の「重油風呂」。売り物にならない原油を風呂にしてしまったアイデア商売ですが、簡単には入れません。サナトリウムに入院して、医師の診察を受けねばなりません。
    医師に、入院する暇はありません、というか健康です、冷やかしなんですと説明して、特別に入浴許可をいただきました。
    全裸になって空の浴槽に入ると、蛇口からどろどろと原油が流れてきます。全身が真っ黒になり、ガソリンの香り。効能は発ガン性の危険あり……、とのことなので、軽く命がけです。入浴時間は、砂時計できっかり10分。ちなみにこの重油の汚れは、洗ってもなかなか落ちません。肌の艶がよくなることもなく、皺の隙間に重油が染み込んだだけ。

    カメラを出すと、眉間を撃ち抜かれそうな青空

    カスピ海に出ると、海岸線に沿ってか細い道が伸びていました。車が一台通れるだけの砂利道。北上するとロシアです。ことのほか天気がいいことだし、紛争とは無縁そうな田舎だし、沿道に桃色の花が咲いているし。こっそりと密入国できそうです。

    目立たないようにトロトロと進みます。、そろそろロシアかもと思われたあたりで、藪から兵士。肩にアサルトライフルをぶら下げて、通せんぼ。後方に見張り台。急に空気が張り詰めました。カメラを取り出すだけで、眉間を打ち抜かれそうな青空。お呼びじゃない、そんな感じ。犬のように追い払われました。その5分後、黒塗りの車に捕まります。兵士ではなく、KGB風情(お会いしたことはありませんが)。高級そうなスーツにネクタイ。パスポートを奪われて、冷たい視線に冷たい尋問。
    「2度と近寄らないように!」
    はい、ごめんなさい。

    難民キャンプの町

    スマホの地図アプリによると、Sumqayitの町には腐るほど宿があります。そのひとつを訪ねたら、難民キャンプでした。アゼルバイジャンは、アルメニアと未承認国のナゴルノカラバフをめぐって戦争中なのです。逃げてきた子供たちが、ブルースリー!と叫びながら、大集合。あのね、拝まなくていいから。

    【アゼルバイジャン・ドライブ情報】
    ビザ:要(無料)※キルギスで取得
    自動車税:20US$
    道路税:20US$
    車両保険:30US$
    長期滞在者:イミグレでレジストレーション
    SIMカード:SIMカード212円(3マナト)/1GB353円(5マナト)
    おすすめのアウトドア:温泉、森、湖
    道路状況:幹線道路は舗装
    最新国境情報:Web site「The Silk Road Travel Guide」https://caravanistan.com/border-crossings/
    警察官:賄賂請求なし
    次回はトルコ編。銃声が飛び交う「イスタンブールでクーデター」です。

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