YLT<山形ロングトレイル>奮闘記~蔵王にトレイルを作っぺvol.10~
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    2018.09.04

    YLT<山形ロングトレイル>奮闘記~蔵王にトレイルを作っぺvol.10~

    昨年は色々ありトレイル作りを断念することも考えました。

    前回お話しした通り、やはり私の中では、同じエリアの同じ山域に、同じようにトレイルが2つ作られてよいのか?深く悩みました。

    さて、藪刈りへ!

    深い藪に手を焼きました。

    これまで地道にやってきた活動でしたが、行政の決定は必ず進みます。場合によっては私たちの蔵王にトレイルを作る活動を諦めなくてはならないのだろうか?とも考えていました。

    それは、トレイルは本来自然を必要以上に荒らさないために道があり、自然を知り感じることで、自然を愛着する気持ちを持ってもらうための道だからです。
    山形市がどのような道を作るか分からない以上、同じ山域に同じようなトレイルを2つ作る必要があるのだろうか?自分たちの想いだけで自然に負荷をかけてよいものだろうか、僕の中でこの答えがはっきりした形でまとまりませんでした。

    8月末、オーストラリアに出発する頃、山形県の「やまがた百名山環境保全管理事業」の申し込みが受理され、私たちのルートの一部がその対象として整備する事を認められました。

    やまがた山※山形県が発信する山形の山岳情報サイトです。
    http://yamagatayama.com/#yamaichi

    申し込みをしたエリアは、30年程前には航空写真でしっかり道が確認できるほどの登山道でしたが、現在は藪に覆われ道が全く分からない状況でです。
    地図上で登山道の線は付いているのですが、国定公園の登山道からは外れた道でもありました。

    以前からこの古道をYLTのルートとして使えないかと思い、調査班のリーダー原田さんと僕で幾度となくこの藪を漕ぎ、ようやくそのルートの全容をようやく把握したばかりでした。

    国定公園内の国有林を整備するのは非常に困難です。今回は「やまがた百名山環境保全管理事業」ということで、森林管理署のご協力を得ると共に山形県から国定公園に関わる指導を受けながら、
    藪化している部分の刈り払いを実施し利用できる道とすることができるということです。

    これは、私たちがルートとして使用することが難しいと考えていた道が、YLTのルートとして利用できる可能性が向上したということになります。YLTにとっては非常に大きな進展であり、大きな第一歩でした。

    ただ、この件も本来は山形市の事業と共に進めようと考え申し込みをしていました。山形県の「やまがた百名山環境保全管理事業」のスタートは、僕がオーストラリア歩いている途中の10月からスタートする計画です。
    僕個人的には、このまま蔵王にトレイルを作るべきかどうかの結論が出ていませんでしたが、主目的は「やまがた百名山環境保全管理事業」ですので進めて頂いていました。

    2ヶ月間オーストラリアのトレイルを歩き、答えが出ないまま帰国したのですが、珍しく僕は多忙でした。「やまがた百名山環境保全管理事業」の作業に参加できないほど予定が詰まっていたのでした。
    しかし、新たに会員として参加して下さった方や、地元坊平の皆さん、その他YLTを応援して下さる多くの方のご尽力を頂き、無事に事業の整備が完了したのでした。
    藪は深く、雨の中の作業もあったそうです。この場をお借りして、整備にご参加くださいました皆様に深く御礼を申し上げます。

    もちろん、この他にも秋・冬の女子部の活動もしておりました。

    秋の女子部。色々と活動しているようですね。

    女子部恒例のディナー作り

    冬場の女子部はスノーシューハイキングだったそうです

     

    結局2017年シーズンは、トレイル作りをこのまま継続すべきかどうかという葛藤を個人的にかかえ結論がでなかったこともあり、YLTの活動をお伝えすることをためらったシーズンになってしまいました。
    お伝えできなかったこと、心よりお詫び申し上げます。

    しかし、年が明け山形市のルートが公表となり、迷っていた僕の心の中にもようやく結論が出ました。それはこのままトレイル作りを続けるという答えでした。山形市のトレイルは現在蔵王にある縦走路をそのまま利用し、名称をトレイルに変えたものでした。
    私たちが作るのはトレイルです。アメリカのトレイルに習い、後世に今より良い形で自然や歴史、文化を引き継ぐための道のりです。本来のトレイルを体験していただくためには本来の意味を持つトレイルでなければならないのです。
    蔵王にトレイル作りを進めるうえで、僕が個人的に悩んでいたのは、同じ山域に2つのトレイルを作る意味があるのか、同じ山域にトレイルを2つ作ることによる環境への負荷でした。山形市が新たにルートを作るのではなく縦走路をそのまま利用したことにより、
    長い間悩まされていた、同じ山域に2つトレイルを作ることに関する個人的な葛藤は終わりをつげたのでした。僕個人的には、山形市がどんなルートを設定するかによっては、蔵王にトレイルを作る活動を辞めるつもりでいましたので、ほっとしたというのが本音です。

    整備の時は、坊平の野営場でキャンプをしたり

    このように昨年は色々ありましたが、YLTは新たな目標に向かって進みたいと思います。今回は、長くなりましたのでそんなお話は次回にでも。

    「蔵王にトレイル作っぺ」の応援宜しくお願い致します。

    YLTでは、会員としてお手伝い頂ける方絶賛募集中です!もちろん会員としての参加を問わず応援いただける方の会員も募集しています。
    また、各種イベントの募集も致しますので、お気軽にホームページやフェイスブックからお問い合わせください。

    つづく

    プロフィール

     

     

     

    Profile 斉藤正史 

    山形県在住
    LONG TRAIL HIKER
    NPO法人山形ロングトレイル理事
    トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。

    ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
    山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail

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