「雑草ガーデニング」をはじめよう!種を採取して育てる方法を徹底解説
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    2024.12.29

    「雑草ガーデニング」をはじめよう!種を採取して育てる方法を徹底解説

    「雑草ガーデニング」をはじめよう!種を採取して育てる方法を徹底解説
    身近に生えている雑草のタネを採取して、タネから育てる「雑草ガーデニング」のやり方を紹介します。そのへんに生えている雑草って、なんとなくスルーしがちですが、なかにはじつに美しい形状や色のものも多い。水耕栽培で芽生えを観察したり、小さな植木鉢で自分で育ててみると、自然本来の不思議に驚かされますよ。秋冬は雑草のタネ集めの好機。みなさんもぜひチャレンジしてみてください!

    雑草を育てて楽しもう!

    雑草は邪魔者扱いされていますが、自分で育てれば園芸植物に変わります。普段、あまり見ることのない芽生えの姿や、成長する様子を間近で観察できるので、雑草の新たな一面に触れることができます。

    雑草の育て方

    雑草を育てる方法は、水だけで育てる「水耕栽培」と、土を使って育てる「土耕栽培」があります。それぞれの特徴を解説していきますので、好きな方法で雑草を育ててください。

    水耕栽培に必要な道具

    栽培に使う容器は水が漏れないものであれば何でもよくて、コップや皿(少し深いもの)、イチゴの空パックなど台所にあるもので大丈夫です。あとは、土の代わりにティッシュ、脱脂綿、布など水を吸収するものを用意してください。

    水耕栽培の方法

    容器にティッシュなど水を含みやすいものを敷き、その上に雑草の種子をまきます。容器にラップをすると水の蒸発が防げて便利ですが、芽が出てきたら外してください。

    水は種子が沈まない程度に注ぎ、水が少なくなってきたら足すようにします。水耕栽培は、雑草が育つ様子を室内で観察することができますが、大きく育てることは難しいので、芽生えの姿を観察するのに向いています。

    土耕栽培に必要な道具

    土耕栽培に使用する容器は、ホームセンターや100円ショップに売っている植木鉢が便利です。

    その他にも、空き缶や陶器でも大丈夫ですが、底に水の抜ける穴が必要です。土は、肥料が既に入っている育苗培土や園芸培土などがおすすめです。

    土耕栽培の方法

    植木鉢に土を入れて、そこに雑草の種子をまきます。土を使えば、雑草を大きくなるまで育てることができます。畑や空き地の土を使ってもいいのですが、色々な雑草の種子が混ざっているため、園芸用の土がおすすめです。

    また、種子の上に土を被せる際には、種子がうっすらと隠れる程度にします。被せる土が厚過ぎると、芽が出ないこともあるので、かけ過ぎに注意してください。

    植木鉢は、室内に置くこともできますが、光が不足しがちなので、家の軒下やベランダで育てると雑草が大きく育ちます。

    種子や球根を探す

    雑草を育てるためには、自分で雑草の苗や種子、球根を探してくる必要があります。

    種子探しに必要な道具

    種子を入れる容器は、チャック式の袋が便利です。野外に出るときは集めた種子が混ざらないように、袋を何枚か持っていくと安心です。

    また、雑草の苗や球根を採取するときには小さなシャベル(スコップ)を用意してください。

    移植して増やす

    ヒガンバナ

    ほとんどの雑草は種子を付けますが、例外的に種子の無い雑草があります。以前紹介したムラサキカタバミやイモカタバミ、真っ赤な花が特徴のヒガンバナなどです。

    こうした雑草は、根から掘り出して移植します。また、小さな雑草を苗として移植する方法もあります。

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    種子から増やす

    花が咲き終わり、葉や茎が茶色に変わった雑草をよく見ると、種子がたくさん付いています。ただ、雑草の種子は自然に落下したり、風に飛ばされてしまうので、見つけたら早めに採取してください。

    身近で集まる雑草の種子や苗

    雑草の種子は1年中集めることができます。特に秋から冬にかけて増加するので、空地や河川敷で探せばたくさんの種子が見つかります。ここでは、冬の時期に見つかるものをいくつか紹介します。

    コセンダングサ

    細長い種子が、草むらを歩いた後の服やズボンによく付くので、見たことがあるのではないでしょうか。コセンダングサは草丈が50~100センチと大きくなるので、とても見つけやすい雑草です。水耕栽培で芽生えを観察することができます。

    マメアサガオ

    マメアサガオ

    フェンスに絡まっている枯れ草を探してみてください。フェンスは草刈りが大変なので、種子がそのまま残っています。写真のように、茶色い皮の中に黒色の種子があります。花が咲くまで育てるためには、少し大きめの植木鉢に植える必要があります。

    メノマンネングサ

    よくコケと間違われますが、多肉性の植物で、横にはうように広がっていきます。寒い時期は一部が赤色になります。道路の脇やアスファルトの隙間など、日当りのよい場所に生えています。

    メノマンネングサの栽培は苗を土の上に乗せるだけで定着する上に、乾燥に強いので管理がとても簡単です。

    種子の管理

    雑草は、種子をまくだけでたくさん生えてきそうなイメージですが、けっこう繊細です。そのため、ちょっとした処理が必要です。

    種まきの下準備と種子の保存方法

    採取した直後の種子は、休眠といって眠っている状態なので、そのまま土にまいたり水をあげても芽が出てきません。休眠状態から目覚めさせるため、冷蔵庫で1か月くらい保管してから、まいてください。

    冷蔵庫で保管するのは、秋から冬、冬から春にかけての温度変化を冷蔵庫で疑似体験させるためです。秋にできた種子からすぐに芽が出てしまうと冬の寒さで枯れてしまうので、多くの植物は種子のままで冬を越し、暖かくなった春に芽を出す仕組みになっています。

    ただ、芽が早く出過ぎれば霜で枯れるし、かといって遅い時期に芽が出れば、既に大きくなった個体と栄養や光の奪い合いに負けてしまいます。雑草は、いっせいに芽が出ません(栽培作物はいっせいに発芽します)。発芽時期をずらすことで、全滅の危機を回避しているからこそ、雑草は強いんです。とはいえ、なかなか大変な世界ですよね……。

    冷蔵庫で保管する方法のほかに、土を30センチくらい掘って、種子を埋めておく方法もあります。ただ、あとで掘り出すのが大変なので、冷蔵庫に入れておけば大丈夫です。

    種子の寿命

    雑草の種子の寿命は、2~5年くらいが目安ですが、中には10年を超えても生きているものがあります。

    土の中には小さな虫や微生物が多く、種子が食べられたり腐ったりしますが、冷蔵庫のように一定の温度の場所で保管すれば寿命を延ばすことが可能です。

    種子のコレクション

    雑草の種類によって種子は様々な色やかたちをしています。種子がたくさん集まったら瓶や袋に入れて観察したり、飾っても楽しめます!

    阿部拓也さん

    雑草博士

    博士(農学)。雑草の活用から管理まで、研究してきました。現在は、「雑草をより面白く!」をテーマに、雑草計画(zaso.jp)というサイトを運営したり、農業の課題をサポートする合同会社マチビト(matibito.com)を立ち上げて活動しています。

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