【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.22】ピラニア釣りに挑戦するも、釣り場を移動するうちにアマゾン川で迷子に…
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    2025.01.17

    【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.22】ピラニア釣りに挑戦するも、釣り場を移動するうちにアマゾン川で迷子に…

    【佐藤ジョアナ玲子のアマゾン旅 vol.22】ピラニア釣りに挑戦するも、釣り場を移動するうちにアマゾン川で迷子に…
    3泊4日、毎日ご飯が食べ放題のフェリー=バンゼイロ号でアマゾン川を下って到着したのが、ブラジルの大都市マナウス。貨物として載せたペケペケ号を川に戻すときがやってきました。マナウスで挑戦するのはピラニア釣りです。

    ブラジル・マッチョの豪快な積み下ろし

    ペケペケ号の積み下ろし風景

    ペケペケ号の積み下ろし風景。

    fフェリーに積んでいったペケペケ号は、積み込みも積み下ろしも人力でした。エイヤっと持ち上げたらシーソーみたいに傾けて、豪快に川に落とします。

    普段は川に浮かんでいるから、船底を見るのは私もこのときが初めて。船底の黒い部分は、修理の跡。使われなくなった漁師の古い木舟だから、水漏れしそうな箇所にタールのようなものを塗って修理してもらったのです。

    川に突っ込んでペケペケ号

    川に突っ込んでペケペケ号は満水に。

    勢いよく水に突っ込んだペケペケ号は、デッキが水で一杯になってしまいました。どこかへ流れていかないように、ロープを結んでおいて大正解。

    排水をしてくれる乗組員さん

    排水をしてくれる乗組員さん。

    舟に溜まった水をどう排水するのか?乗組員さんは慣れた様子で、舟体の一番幅があるあたりをまたいで揺らし始めました。こうすることで、舟の揺れと溜まった水の揺れにコンマ数秒のずれが起きて、うまい具合に排水されるのです。

    無事に動き出したペケペケ号

    ペケペケ号、故障無し!

    出発前にペケペケ号に異常がないか、試運転してくれた乗組員さん。ペケペケ号を貨物としてお願いしたせいで、余計な重労働を増やしてしまったのに、誰一人嫌な顔をせずに手伝ってくれました。広い心とマッスルパワーのブラジル男たち。ありがとう!

    釣り情報は現地の人に聞く

    マナウスの魚市場

    マナウスの魚市場。船着き場に漁船を乗り付けて、直接お魚を買うスタイル。

    さて、アマゾン川下りではこれまで魚釣りをしてこなかった私ですが、開高健の「オーパ!」を読んで気が変わって、どうしてもなにかを釣ってみたくなったのです。

    ちなみにブラジルのアマゾン川流域で個人で釣りをするときには、許可証が必要とのこと。vol.20で紹介したタバチンガのサブローさんの協力で、役所で許可書を発行してもらいました。というわけで、釣りに挑戦するにあたり、まず向かったのがマナウスの魚市場。周辺で手ごろな釣竿を買って、情報収集です。

    ツアーのチラシ

    釣り情報を教わるはずが、ツアーの勧誘を受けました。

    釣りに関する情報を聞き出すはずが、ツアー会社の方に勧誘されてしまいました。名刺にはペケペケ号より立派なボートの写真。でも、私は自分の舟で釣りたいんだよなあ…。

    「大きなお魚は釣れないだろうけれど、ピラニアくらいなら釣れるかもね」ということで、ひとまず私の狙いはピラニアに決定です。

    いざピラニア釣りへ!

    川を進む

    マナウスにて。

    マナウスはブラジル国内アマゾン川流域で最大の都市。大都会は釣りをするにはあまり向いていないと思うけれど、すぐ近くの川が細く入り組んだエリアなら、船舶もほとんど通らず流れも穏やかとのこと。

    木陰で釣り開始

    涼しい木陰で釣りをしましょう。

    早速、移動して風が気持ち良い木陰を発見。ペケペケ号を木に結び付けて係留します。このときは乾季の始まりだったけれど、本格的な乾季になると木の根元近くまで水が干上がるのかな?

    アマゾン川での初めての釣りにワクワクの筆者

    アマゾン川での初めての釣りにワクワク。

    釣り初心者は釣竿を握るだけでテンションはマックス。

    ピラニアのエサのソーセージ

    ピラニアの大好物はソーセージ。

    ブラジルで出会ったカップ麺

    釣竿を持ってスーパーへ行ったら、店員さんに案内されたのが冷凍食品のソーセージ売り場でした。「釣りをするんでしょう、すべてお見通しだよ」と店員さん。ピラニアはソーセージが大好物なのだとか。

    現地のカップヌードル

    私のご飯はブラジル版のカップヌードル。

    そして人間の餌、じゃなくて私のご飯はカップヌードル。ブラジルで日清のカップヌードルと出会えるだなんて感激です。

    スーパーの棚一面がインスタント麺

    スーパーの棚一面がインスタント麺。

    売り場には、写真には収まりきらないくらいたくさんの種類のカップヌードルが並んでいました。アメリカやヨーロッパなど、各地を旅してきた私ですが、アジア圏以外でこんなにインスタント麺が充実している国は初めてです。これなら私、ブラジルで幸せに暮らせるかも。

    ピラニアの声ってどんな?

    釣ったピラニア

    ピラニア釣れました。

    釣り針にソーセージをひっかけて川に垂らすと、すぐにチョンチョンと感触があって、引き上げると餌だけ無くなっています。何度も同じことを繰り返して、やっと一匹釣れました。平たいボディの小さなピラニア。釣り上げた瞬間に、「グエッグエッ」と大きな声。

    えっ、魚なのに声が出るの!?

    もちろん魚だから人間のような声帯はありません。だから、筋肉の収縮で浮袋を振動させて音を出しているのだとか。実は水中でも声を出しているそうで、周辺の魚を威嚇したり、争ったりするときに声を出す攻撃的な魚なのです。

    ピラニアの腹はオレンジ色

    オレンジ色のお腹が金魚みたいで可愛い。

    ピラニアといっても、いろいろな種類があって、よく観察すると可愛いもの。

    でも、所詮、ピラニアはアマゾン川では雑魚中の雑魚。ほかの魚も見てみたい。なのにどうしても、ピラニアしか釣れない。スポットを移動して再挑戦することにしました。

    もっと釣りたい!だからいいポイントを自力で探すのです

    より良い釣り場を求めて移動

    より良い釣り場を求めて探索するペケペケ号。

    日差しが強くて、日陰に入らないと釣りなんてできそうにありません。より快適な釣りスポットを求めて、ペケペケ号で奥へと進んで行きます。

    川が細くなって迷路みたいに

    川が細くなって迷路みたいになっちゃった。

    だんだん川幅が細くなって、迷路みたいに入り組んできて迷いそうで怖い。怖いけれど、それがまた楽しい。

    アマゾン川で迷子になる

    知らない村に到着

    知らない村に来ちゃいました。

    ある程度のところで引き返すつもりが、川の曲がり角を間違えて、知らない場所に出てしまいました。つまり迷子。アマゾンで迷子って危機的状況に聞こえるけれど、家も建ってるし、ちゃんとした村があるみたいで安心。

    知らない村の建物

    知らない村の建物。

    小さな船着き場を見つけてペケペケ号をとめると、近くのお宅から不思議そうに私を見下ろす視線がありました。

    村で出会った人

    はじめまして。ご馳走になります!

    挨拶は、先手必勝。声をかけると、「お腹、すいてない?」とご飯が出てきました。写真右のお皿にのっている白いクレープ状のものは、食べてビックリのモチモチ食感。私の大好物に仲間入りです。

    これはタピオカ粉を水で溶いて薄く焼いて、バターなどを塗って丸めたもの。私のおススメは、ヌテラみたいなチョコレートクリームを挟むこと。日本でも食べたい!

    知らない村の誕生日パーティー

    知らない村の知らない人の誕生日パーティーに誘われました。

    ただ川に迷ってやってきただけの余所者の私が行っても良いものか、気おくれしながらも誘われた誕生日パーティーに行くと、近くの村から親戚中が集まる大宴会でした。そこで、素敵な出会いがありました。

    「ピラニアしか釣れなくて困ってるって?うちの村に来れば、大きな魚も釣れるよ!」

    ほ、ほんとうですか⁉行きます!

    私が書きました!
    建築学生
    佐藤ジョアナ玲子
    フォールディングカヤックで世界を旅する元剥製師。著書『ホームレス女子大生川を下る』(報知新聞社刊)で、第七回斎藤茂太賞を受賞。中日新聞の教育コラム「EYES」に連載。ニュージーランドとアメリカでの生活を経て、現在はハンガリーで廃材から建てた家に住みながら建築大学に通っている。

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