【2人旅にこだわった作りの魅力を徹底解説!|伴 隆之のキャンピングカーレビュー】
ロングセラーモデルの進化が止まらない
アネックスのバンコンシリーズの中でも、ハイエースをベースにした「Wiz(ウィズ)」。初代はなんと2008年に登場し、毎年改良されながら熟成・進化が進むロングセラーモデル。長い間、たくさんのユーザーに愛されているウィズですが、その魅力はなんとっても2人旅にこだわった作りにあります。
ベースはバンロング標準ボディのキャンパー特装車でハイルーフ仕様。全幅は1695mmとワイドの1880mmに比べて取りまわしがしやすいのが特徴。それでいて全高は2370mmとハイルーフの恩恵により室内は広々。さらに、ウィズの魅力とも言えるフロントキッチンレイアウトを採用することで、車両後部がすべて居住空間になり、開放的な空間を実現。
収納などの家具類はハイルーフだけに上部とシート下に集約。2人旅だったら大柄な人でも狭さを感じることもほぼなく、車内にゆとりが感じられることでしょう。
就寝定員は2人ですが乗車定員は5人を確保し、フロントシートに2人、リアの横座りシートに3人という形状。リビングは横座りシートと最後部にある2人掛けのマットを使い、テーブルをセットしL字ソファへと展開。
標準ボディで快適なスペースを実現
実際に大人2人で座ってみても余裕がたっぷり。さらに食事やリモートワークなどをする際も、不便さを感じない大きめのテーブルもポイント。このテーブルは簡単に跳ね上げて固定できるため、いちいち取り外して収納する必要もありません。
ベッドはL字ソファの隙間にマットをセットするだけと簡単で、ベッドモード状態でテーブルが使えるのもウィズならでは。加えてリアのマットはリクライニング機構も備えているので、2人が寄りかかって足を伸ばして休憩もできるようになっています。
ウォークスルーできるとより便利
そんなウィズですが、2023年10月にキッチン天板の中央部を跳ね上げることでフロントシート側とリビング側へ往き来できる「ウォークスルーモデル」が新たに追加されました。雨の日をはじめ、真夏や真冬など、雨水や冷気、熱気を車内に侵入させることなく、いちいち外に出ないで車内を往き来できるようになり、利便性が大幅に向上しました。
また、リア上部に家庭用エアコンの装備ができるようになったのも大きなトピック。こちらは2つの仕様が用意されており、「ホームエアコン搭載モデル」は100Ahリチウムイオンバッテリー×2個にエアコン専用の1500Wインバーター、さらにポタ電と外部電源口を装備。「ホームエアコン搭載モデルプラス」のほうは先述の電源口以外に495Ahリチウムイオンバッテリーと3000Wインバーターを装備し、エアコンをより長い時間使いたい人向けの仕様となっています。
エアコンの有無が選べるようになったことで、四季を問わず冷暖房により快適な旅ができるようになったウィズ。ウォークスルーモデルの価格は578万1600円(2WDガソリン)〜。ウォークスルーなしは573万円4400円〜。扱いやすく快適な2人旅にちょうどいいモデルと言えるでしょう。
問)アネックス