年初恒例の「しぶんぎ座流星群」、今年は月明かりのない好条件で見られます。2025年最初の流れ星をキャッチしてみよう!
4日深夜0時、月明かりのない好条件
「3大流星群」をご存知ですか? 8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群、そして、1月のしぶんぎ座流星群です。
毎年ほぼ同じ時期に巡ってくる流星群ですが、ピークを迎える時間と、その晩の月明かりによって見える条件はガラッと変わります。
今年のしぶんぎ座流星群は、4日の深夜0時にピークを迎えます。この時刻、月はすでに沈んでいます。というわけで、今年は絶好の観測チャンス。暗くて空の開けた場所であれば、1時間に15個くらい見られそうです。
ピークの0時は、放射点がまだ東の空の低い位置にあります。放射点が高く昇ってくる3時頃から夜明け前にかけてが見ごろとなります。
放射点とは、流星の軌跡を逆向きに延長すると、必ず行き着く点のこと。流星群の名前は、放射点のある星座の名前がついているのです。ペルセウス座流星群はペルセウス座に、ふたご座流星群はふたご座に放射点があります。どちらもよく知られた星座ですね。
では、しぶんぎ座は? というと現在、しぶんぎ座という星座は存在しません。実は1922年まで、星図には描かれていたのです。しぶんぎ座流星群の放射点は、現在はうしかい座にあります。
「四分儀」という分度器みたいな星座があった
そもそも「しぶんぎ」とは何? 四分儀と書きます。現在は使われていない道具ですから、知られていないのも無理はありません。
四分儀とは、円周の4分の1、つまり0度〜90度まで測れる分度器のような機器で、古くは2世紀の有名な天文学者プトレマイオス(トレミー)が天体観測に使っていました。
星座の名になったのは18世紀末のこと。フランスのジェローム・ラランドという天文学者は四分儀を使って恒星を測定していたのですが、うしかい座やヘルクレス座、りゅう座に囲まれた、暗い星しかなかった領域に、自分の愛する「四分儀」の星座を作ったとされています。
ところが、20世紀に入って、世界の天文学者が集まる国際天文学連合の会議で、全天の星座が整理され、88個になりました。この88星座に、しぶんぎ座は選ばれず、消滅することになったのです。しぶんぎ座だった領域は、現在は、りゅう座、うしかい座、ヘルクレス座に属しています。
流星群を観察するときのコツは、放射点ばかりを注視せず、なるべく広い範囲を視野に入れることです。未明から夜明け前にかけての観察、気温がグッと下がる時間帯なので、防寒対策を忘れずに!
構成/佐藤恵菜