いましか見られない冬景色を撮る!冬のカメラ撮影でやってはいけない注意点と対策
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    2025.01.23

    いましか見られない冬景色を撮る!冬のカメラ撮影でやってはいけない注意点と対策

    いましか見られない冬景色を撮る!冬のカメラ撮影でやってはいけない注意点と対策
    冬は、貴重な景色を収められる特別なシーズンです。

    カメラを使う絶好の時季ですが、カメラが低温になることや水分の付着など、注意すべき点もあります。

    そこで今回は、冬にカメラを使う際の注意点と、その対策方法をご紹介します。

    冬の自然の美しさと厳しさの魅力

    キリッと冷えて澄み切った世界

    雪の丹沢

    遠くの富士山まではっきり見える。

    キャンプや登山をはじめてから迎えた、最初の冬。それまでの3シーズンのフィールドとの違いで驚かされたのは、遥か遠くまで見える、クッキリとした視界でした。

    人工物のシルエットがクッキリと見え、山並みは遠く、別の山域まで見渡せるほど。

    目が覚めるほど綺麗な空の青さは、地球の壮大さを感じるのに十分。

    寒さでいつまでも留まることはできないのに離れられない。そんな特別な空間が冬の自然であり、カメラに収めたい世界なのです。

    息遣いが消えた静寂

    雪の登山道

    自分の足音と吐息しか聞こえない静寂の空間。

    鳥の鳴き声や草木が揺れる音など、自然に一歩足を踏み入れると、そこでは様々な音が聞こえてきます。

    心地よさを感じていた音が聞こえるのは3シーズンまで。冬は音が一切聞こえなくなる静寂の世界が訪れます。

    聞こえるのは降り積もった雪を踏みしめる自分の足音んのみ。そして、視界には多くの色を失った空間が広がります。

    この時間を味わえるのは冬だけ。収めた画像を見返すとまるで絵画のようです。

    画像を見ていると当時の感覚がすぐに思い出せてしまうのだから、とても不思議です。

    冬でしか見られない造形物

    シュカブラ

    積雪時しか見られない景色。

    終日氷点下の世界では、その時季ならではの造形物を随所に見ることができます。

    「エビの尻尾」と呼ばれる一方向に重なった雪、風と雪の合作であるシュカブラ、登山者にとって細心の注意が必要な雪庇など。

    生物を拒むかのような雪の世界で造られた作品の数々は、厳しい自然を象徴しているようでとても美しく見えます。

    毎年同じ場所に行けば見れるかといえばそうでもなく、暖冬などの影響で同じ造形物を見られる機会も減りつつあります。

    この先見られるか分からない貴重な作品は、カメラで収めておきたい冬景色のひとつです。

    厳しい世界を生きる動物たち

    鹿

    八ヶ岳で遭遇。

    雪が積もると、3シーズンでは見えなかった動物の痕跡を頻繁に見ることができます。

    「こんなところを歩いてるんだ」と足跡を見て驚かされたり、糞などの痕跡も目に留まります。

    また、目の前にその姿を見せる時も当然あります。

    雪景色の中で見るその姿は神々しさがあり、厳しい世界の中を涼しい顔で歩く姿とその佇まいに、人間には踏み込めない世界にいるのだと教えられます。

    冬にしか見ることのできない動物の逞しさを撮影できたときは、苦労して来て良かったといつも思います。

    撮影時の注意点

    バッテリーの気温低下による消耗に注意

    バッテリー

    予備バッテリーは必須。

    冬の撮影における代表的な注意点は、バッテリーの消耗です。

    気温が低下すると消耗が激しくなり、何も対策をしないとカメラが起動しなくなることも珍しくありません。

    筆者は、この凡ミスを今でも時々起こしてしまいます。

    特に日帰り登山中が多く「多分大丈夫だろう」と思っていたら天候が悪くなって気温も低くなり、想定以上の消耗に焦ったことが何度もあります。

    バッテリーの対策としては予備バッテリーを必ず持っていき、体温やカイロなどで適度に温めておくと良いです。

    カイロは直接バッテリーに当てると温まりすぎてしまうので、布を挟んで保温すると良いです。

    この対策をしておくだけで、冬場のバッテリー消耗における不安はだいぶ解消されます。

    温度差による結露に要注意

    テント

    テント内の出入りは気を使う。

    バッテリーの消耗と同じく悩ましいのがカメラやレンズの結露です。

    氷点下のフィールドからテント・山小屋などの室内に入ると温度が一気に上昇し、カメラやレンズが曇ったり、結露が発生したりします。

    結露が発生したら撮影ができず、乾燥するまでひたすら待つことになります。結露の状態で電源を入れると、内部に水分があるため本体が故障する可能性があります。

    結露対策は、急激な温度変化を防ぐというのが大切です。本体を布で包む・室内外に移動した際はすぐにバッグから出さない・表面の水滴はクロスで処理するなど。

    ちなみに、急いでドライヤーをはじめとした方法で一気に加熱しても故障の原因となるので、焦らず待つことが大事です。

    カメラは繊細な機材であり、一度破損すれば修理にかかるコストや時間も大きいです。

    結露してもはやる気持ちを抑えて乾燥させましょう。

    暖かく扱いやすいウェアを使う

    グローブ

    適度な厚さと保温性で操作性を確保。

    最後に、カメラ本体の注意ではありませんが、撮影者の防寒対策も大切です。

    冬の氷点下でのカメラ操作は指先が上手く動かすことができず、とても難儀します。

    シャッターボタンを押す・設定を変えるためにダイヤルを操作するだけでなく、保持しているだけでも大変なときがあります。

    ちなみに、筆者は上手く保持できずに大切なカメラを落としたことがあります。

    幸いなことに修理するほどではありませんでしたが、頭で考えていても体が動かせない冬の洗礼を受けた瞬間でした。

    筆者は撮影する場所や時季に合わせて、手袋を選んで持ち出しています。

    保温性だけに注目せず、適度な厚さで操作しやすいモデルを選ぶのが大切です。

    購入を検討する場合は、試着してカメラを操作してみるのも良いですね。

    冬の撮影対策をして特別な瞬間を収めよう

    冬の登山道

    八ヶ岳を歩く。

    いかがでしたか。冬の自然はとても厳しいですが、厳しい故の美しさは一見の価値があり、その瞬間を収めたときの感動も大きいです。

    撮影対策をして、万全の状態で冬のフィールド撮影を楽しんでください。

    北村 一樹さん

    アウトドアライター

    関東甲信越の山を中心に、1年を通して日帰りから縦走、沢登りや雪山を楽しんでいます。数日間沢に入って魚を釣りながら山頂を目指し、藪を漕いでいく汗まみれ、泥まみれの登山が大好物。ファミリーキャンプ、ロードバイクでヒルクライムなど、海と山があるのどかな町に住み、暇を見つけては年中山で過ごしています。

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