快適な車中泊のポイント
フルフラットになるかをチェック
車中泊を想定して車を選ぶ場合においてはフルフラット、つまりほぼ平らなスペースを作り出せるかどうかが重要なポイント。ラゲッジの後端からリヤシートの背面にかけて、大きな段差や溝がないことを確認しよう。床がフラットかつ水平だと、なお理想的だ。
仮に段差があったり水平でなかったりしても、市販のベッドキットを導入したり、ベッドを自作したりして、快適な就寝スペースを作ることもできる。
十分な奥行き・高さがあるか
快適な車中泊を実現するために、脚を伸ばせるほどの奥行きも欲しいところ。奥行きが足りないと脚に疲れを感じ、よく眠れない可能性がある。仮に、縦方向に寝た状態で脚を伸ばせなくても、斜めに寝た状態では脚を伸ばせる場合も。奥行きをチェックする際は、斜めの長さも忘れずに確認しておこう。
天井も高いほうが快適だ。実際に座ってみて、頭上に握りこぶし1個分以上の空間があれば窮屈に感じることはないだろう。座椅子やクッションに座りたいのであれば、その厚みの分も計算に入れることを忘れずに。
リヤゲートの開き方にも注意
一般的なクルマのリヤゲートには多くの場合「跳ね上げ式」が採用されているが、一部の車種には「横開き式」が採用されている。それぞれにメリット・デメリットがあるが、車中泊用としてクルマを選ぶのであれば、跳ね上げ式のリヤゲートを搭載しているモデルがおすすめ。
理由は、雨や日差しを遮るための屋根として使えることと、風の影響を受けにくいことの2点。跳ね上げ式のリヤゲートは全開状態のままガスダンパーの作用によって固定されるため、開けたままでも安心して過ごせる。
▼参考記事
マツダ「CX-5」をアウトドアライターがレビュー
荷物がたくさん積めて存在感があって、座ったときの見晴らしもいいSUVは、街乗り派のユーザーにも大人気。でも、アウトドアではどうなのか?
乗員空間、ラゲッジともに十分な広さを備えたスタンダードSUVをホーボージュンさんに試乗してもらった。
●ボディー寸法:全長4,545×全幅1,840×全高1,690mm
●最低地上高:210mm
●車両重量:1,650~1,680kg
●乗車定員:5名
●エンジン:2,188cc直列4気筒DOHCターボ
●最高出力:175ps/4,500rpm
●燃費(JC08モード):17.2km/L
問い合わせ先:マツダ
BE-PAL編集部(以下、編):CX-5は低く長いノーズがスポーツカー的ですよね?
ホーボージュン(以下、ホ):乗ってみると、鼻先の長さは思ったほど気にならない。かっこいいし、グレーのボディーカラーも引き締まって見える。木漏れ日に映えるね!
編:実際に走ってみた感想は?
ホ:CX-5のディーゼルエンジンは始動直後から静かで、ゼロスタートから2000回転で湧き出るようなトルクが味わえる。常用域のスピードでの加速も力強いし、アクセルを緩めて流しても軽快だったよ。ゼロ発進から滑らかにずんずんと進むモーターは最高! EVモードにして、ラジオもエアコンも切って、窓を開けながら鳥の声を聞きながら走ると、ホント気持ちいい~。
編:ハイブリッドならではの給電機能も見逃せませんよね。
ホ:大きなバッテリーを床に積んでいるぶん、乗っていて重ったるい感じが気になったけど、クルマの走行システムがモーター主体になっていくのは当然だと思うし、慣れてしまうと普通のクルマがうるさく感じる。
▼参考記事
ひと工夫で車中泊もOK!「CX-5」をBE-PALスタッフが試乗レポート
櫻井:ディーゼルエンジンは、特有のガラガラ音を消すために遮音材を増やすのではなく、エンジンそのものに制振装置の役割を果たす技術、「ナチュラル・サウンド・スムーザー」を取り入れている。
沢木:室内の反射音やドアの開け閉めの音にも工夫を凝らしているとか。「いいクルマに乗っている感」があるのは、こうした細かな改良の積み重ねなんですね。
櫻井:うん。そして、乗り味でもうひとつ大きな効果を発揮しているのが、「Gベクタリングコントロール」。
沢:資料には「エンジンでシャシー性能を高める」と書いてありますが、さっぱり意味がわかりません(笑)。
櫻井:簡単に説明すると、曲がるときにエンジンのパワーをわずかに変化させて、クルマの応答性や安定性を高める技術。人間はまっすぐ走ってるときでも常にハンドルを微修正していて、そうした細かい操作を格段に減らしてくれるんだ。
沢木:なるほど~。ロングドライブでの疲労軽減に効果がありそうですね。
櫻井:そのとおり! 疲れ知らずで燃料代も安く済むCX-5は、遠出でこそ威力を発揮するSUVなんだ。
車中泊にはマットでの調節がおすすめ
沢木:SUVとしてのポイントは? ラゲッジはそれほど広くないような……。
櫻井:タイヤハウスの出っ張りが大きいのは気になるけど、積載量は同じクラスのSUVと大差なし。室内長が少し短いので、横になって休むのはひと工夫いるね。
沢木:4WDの性能は?
櫻井:状況に応じて後輪に駆動を伝える一般的なオンデマンド式だけど、マツダのシステムは高精度で、タイヤが滑り出す予兆をいち早く感知して制御する。安心感が高く、おすすめです!
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