冬場は味噌が旬!ということで、 この冬、はじめての味噌づくりに挑戦してみませんか。料理人兼フードコーディネーターの蓮池陽子さんに、初心者でも失敗しにくい味噌の作り方を教えてもらいました。
自家製味噌は簡単です!
「味噌作りは簡単ですよ! 失敗するほうが難しいかも」と蓮池さん。
「味噌は殺菌力がスゴくて、味噌で食中毒をおこした症例はないそうです。O–157も死滅するくらい、という話も聞いたことがあります。
味噌の仕込みは、ひとりでも簡単にできますが、家族や大人数でやるとより楽しいですよ。大豆をつぶしたりこねたり丸めたり、子供が喜ぶ要素が満載です」
さっそく作り方を教えていただきましょう。
味噌の作り方
準備するもの(味噌の仕上がり4㎏)
材料
- 大豆1㎏
- 塩500g+振るう用の塩約50g
- 米麹1㎏
- 25度以上の焼酎 250cc
道具
- ボウル2つ
- ホーロー容器(保存用)
- ラップ
- 重石
- マッシャー
- 他に鍋や水などが必要
味噌作り前夜にやっておくこと
仕込み前日に大豆を、約4倍の水に浸しておく。夏なら半日以上、冬なら丸1日は浸けておこう。水は多めでもOK。水面から大豆がヒョコッと顔を出していないか、チェック。
大豆を煮る
大豆が柔らかくなるまで、約4時間(圧力鍋があれば約20分)。ふつふつ煮立つくらいをキープし、水が減ってきたらその都度差し水をしていく。豆の柔らかさは、潰してチェック。親指と小指で潰せるくらい柔らかくなっていれば問題なし。
【ポイント】ひと粒つぶしてチェック!
大豆をつぶす
大豆をボウルに入れてマッシャーでつぶす。粗熱がとれてからビニールに入れて棒や手で潰すやり方でもよい。大豆の粒がなくなるまでつぶしていく。どの程度までつぶすかはお好みで。粗めに残せば、味噌汁にしたときに大豆の食感がある。
麹と塩を大豆と合わせる
まずボウルに麹と塩を入れ混ぜる。つぎに麹と塩を、つぶした大豆と混ぜる。大きなボウルがなければ、ビニールなどを敷き、その上で混ぜ合わせていくとよい。まとまりが悪いときは大豆のゆで汁を少量入れる。
最後は団子状に握っておく。
容器に入れる
容器の中を焼酎で拭き取り除菌し、底に塩を振る。
まとめた大豆団子を隙間なく敷き詰めていく。空気が入らないように詰めていくことが大事。ギュウギュウにしっかりと!
寝かせる
平らにならし、20~30gの塩をまんべんなく振る。空気を抜くようにぴったりとラップを載せて重石をする。
水を入れたペットボトルでも代用可能。風通しのよい場所に置く。シンクの下は避ける。
ひとまずこれで仕込みは完了!
約10ヶ月後、おいしい味噌が完成!
「完成後も味噌はずっと発酵し続けるので、味は変化します。過発酵して味が落ちてしまう前に冷凍保存がオススメ。冷凍庫で保存すれば発酵を止めることができます。味噌は生きています。市販の味噌に酒精(アルコール)が入っていることがありますが、あれは発酵を止める役割をしているんです」と蓮池さん。
カビが生えたらどうする?
寝かせて数か月が経過したある日。様子を見るとなんと表面にカビが! 慌てるなかれ、味噌は大丈夫。カビをきれいに取り除いて、塩を振るい、容器の表面は焼酎で拭っておこう。
冬に仕込めば、夏過ぎの今頃にちょうど食べ頃になる味噌。ぜひトライしてください!
※構成/須藤ナオミ 撮影/鍵岡龍門(BE-PAL2018年2月号「自家製保存食にチャレンジ」を再編集しました)