冬はバードウォッチングに最適!ヤマセミほか東京近郊・宮ケ瀬湖で出合える野鳥8種
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • OUTDOOR
  • NEWS
  • SUSTAINABLE
  • CAR
  • CAMP
  • GEAR
  • COOKING
  • 自然観察・昆虫

    2025.01.26

    冬はバードウォッチングに最適!ヤマセミほか東京近郊・宮ケ瀬湖で出合える野鳥8種

    冬はバードウォッチングに最適!ヤマセミほか東京近郊・宮ケ瀬湖で出合える野鳥8種
    冬は野鳥観察にもっとも適したシーズンです。野鳥は公園や河原、住宅地など身近な環境にも棲息していますが、ときには様々な野鳥が観察できる山間の林道などを訪れてみるものいいものです。ぜひおすすめしたいのが神奈川県の宮ヶ瀬ダム(相模原市緑区、愛川町、清川村)の早戸川林道です。近年、ここは首都圏でも人気の探鳥地となっています。

    ビギナーでも安心!スニーカーでのんびりバードウォッチング

    宮ヶ瀬湖写真(中村雅和撮影)

    鳥居原ふれあいの館(いえ)から見た宮ヶ瀬湖。早戸川林道は右手の橋の奥に位置する。

     神奈川県の水がめとしての役割を担う宮ヶ瀬ダムは、2001年(平成13)に竣工した首都圏でも最大級のダム。相模川の支流、中津川の上流に位置し、丹沢山地とつながる周囲の山々には多くの命を育む森が広がっています。

     この宮ヶ瀬湖の北西部の湖岸に沿って早戸川林道があります。林道といっても舗装されているので普通の靴で歩けます。また、通常は管理用の車両等以外は通行できないため、車を気にせずのんびり野鳥を観察できます。夏季の丹沢周辺は山林の土壌や道路上の湿った土にヤマビルが潜んでいることがありますが、この時期はその心配もありません。

    冬の早戸川林道で見つけたカワイイ鳥たち

    早戸川林道入口の写真(中村雅和撮影)

    林道入口のゲートは自転車を含めて車両通行止のため閉まっているが、ゲートの脇から徒歩で入ることができる。

     トイレや飲食店などもある宮ヶ瀬園地そばの林道の入り口から約5km先の早戸川橋を目指して歩いてみましょう。

    ルリビタキ

     歩き始めてすぐの小さな沢に差し掛かると、この辺りで「ケケケケ」と囁くように、あるいは「ヒッ、ヒッ、ヒッ」とややもの悲しげに鳴くルリビタキの声が聞こえてくることがあります。

     斜面の薮の中や沢の水たまりの周りの地面に目を凝らしてみましょう。ルリビタキのオスの特徴は水色〜青色の羽毛ですが、遠くから見るとそれほど目立ちません。まずは地鳴きの声で確認しつつ、姿を探してみましょう。

    ルリビタキ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    ルリビタキ。幸せの青い鳥、とも称されるヒタキ科の野鳥。普段は薮の中にいることいが多い。オスの幼鳥やメスはジョウビタキのメスに似るが、脇のオレンジ色の有無で区別できる。

    ウソ

     林道で野鳥を探す時は、山側と湖岸側両方の斜面に生えている樹木の実に注意しながら歩いて行きます。フサザクラやウツギの実を静かに食べている頭が黒っぽい鳥がいます。これはウソという鳥です。

    ウソ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    ウソ(オス)。フサザクラの実を食べるウソのオス。数羽の群れで静かに採餌していることが多い。

     オスの首元はほんのりピンク色をしています。食事が終わると「ヒー、ヒー」と口笛の音のように鳴くこともあります。色もそうですが、丸っこい体型が可愛らしく、人気の野鳥です。

    ウソ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    ウソ(メス)。雨上がり、枝先で鳴くウソのメス。寂しげな口笛のような鳴き声が聞こえたら要注意。

    ベニマシコ

     汁垂(しるたれ)橋と汁垂トンネルを通り、林道に午後の日差しが当たる辺りに来ると、斜面にカメラを向けている人たちの姿が見られることがあります。こんな光景に出合ったら、それはベニマシコという鳥がいる可能性が高いです。

    ベニマシコ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    湖側の樹木の枝に止まったベニマシコ(オス)。

    ベニマシコ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    林道の斜面に自生するカラムシの小さな実を食べるベニマシコのオス。オスとメスの数羽の群れで移動することが多い。

    ベニマシコは漢字で「紅猿子」と書きます。体もほんのり赤いのですが、正面から見た顔はその名の通りお猿さんにそっくりです。

     ベニマシコは林道沿いに多く生えるカラムシなどの小さな実を食べ、その後、湖などで水を飲んで再び林道に上がってくる、という動きを繰り返しています。姿が見えなくても待っていると「フィッ、フィッ」という尻上がりの小さな鳴き声とともに現れることがあります。春先になると木々の芽も食べるようになります。

    ヤマセミ

     焦茶色のトラスが目印の金沢橋まで歩いてきました。ここでは、運が良ければ眼下の湖面の立枯れた木にヤマセミが止まっていることがあります。

     ただ、とても神経質で警戒心の強い鳥なので、なるべく人間の姿を見せぬよう注意しましょう。大声を出したりや体を大きく動かしたり、といったことも避けたいものです。

    ヤマセミ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    ヤマセミ(オス)はカワセミ科の鳥。全長約38cmと大きい。警戒心が強く、100m以上離れた場所の人の気配を感じとって飛び去ってしまうことがある。

     金沢橋から早戸川橋までの間も、樹木の実や湖に流れ込む水の枯れた沢などを注意深く観察しながら歩いてみましょう。

    林道で野鳥に出合うコツは?

     こうして林道を歩いて観察をすると分かってくるのは、野鳥たちは餌となる草木の実と飲み水のある場所に現れる、ということです。実のなる植物には様々な種類があり、鳥たちは熟した状態やその時期によって食べるものを変えているようです

     野鳥たちが食べている実や植物のことや草木が生えている場所を覚えておくと、次回も会える確率が高くなるでしょう

     最初はその知識がなくても、現場で他の観察者に聞いてみるとどんな場所に野鳥が現れるのか教えてくれるものです。野鳥たちは地面に落ちた実を食べていることもあるので、林道を歩く際は見えないカーブの先にいるかもしれない鳥たちのことを想像しながら、驚かさないよう静かに歩を進めましょう。

     また、同じ野鳥を複数の人と一緒に観察する際はマナーにも気を遣いましょう。すでに特定の野鳥を観察している人がいる時は、その人の前に出たり音を立てて駆け寄ったりしてはいけません。その人はゆっくり時間をかけて野鳥との距離を詰めて近寄っている場合があるからです。

    宮ヶ瀬湖周辺でこんな野鳥にも出合えるかも?

    マヒワ

    マヒワ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    マヒワ。オスは鮮やかなレモンイエローの羽毛をもつ。草木の実を求めて群れで行動する。

    アトリ

    アトリ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    アトリ。100羽以上の群れで行動することが多い。路面に落ちた植物の実を食べていることもある。

    ノスリ

    ノスリ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    ノスリ。体長は50cm以上の猛禽類で、ハシボソガラスと同じくらいの大きさ。湖の上空を飛んでいることも多い。

    カヤクグリ

    カヤクグリ 野鳥写真(中村雅和撮影)

    カヤクグリ。イワヒバリ科で、日本固有の種。林道の斜面の草木の根元に隠れていることが多いが、路面で採餌していることもある。

    ※写真はすべて現地、早戸川林道で撮影したものです。

    中村雅和さん

    野鳥好き編集者

    幼少期から生き物や鉄道に親しむ。プロラボ、住宅地図会社の営業マン、編集プロダクション、バス運転士、自然保護団体職員などを経てフリーの編集者に。

    アクセス
    早戸川林道(宮ヶ瀬湖畔園地)
    新宿駅から小田急電鉄小田原線で本厚木駅まで約46分。本厚木駅から宮ヶ瀬行きのバス(厚20)で約44分、終点の「宮ヶ瀬」バス停で下車、林道まで徒歩5分。
    または、JR横浜線、京王相模原線の橋本駅北口から鳥居原ふれあいの館行きバス(橋07)で約44分、終点の「鳥居原ふれあいの館」下車、林道まで徒歩約40分。
    トイレは宮ケ瀬園地の水の郷駐車場や、林道のゲートそばの小中沢駐車場付近にある。

    あわせて読みたい

    「日本野鳥の会」のことを知りたい! 「探鳥会」に行ってみた!【前編】

    「日本野鳥の会」のことを知りたい! 「探鳥会」に行ってみた!【前編】

    「日本野鳥の会」のことを知りたい! 「探鳥会」行ってみた!(後編)

    「日本野鳥の会」のことを知りたい! 「探鳥会」行ってみた!(後編)

    バードウォッチングにおすすめの双眼鏡は?選び方と人気商品24選

    バードウォッチングにおすすめの双眼鏡は?選び方と人気商品24選

    はじめてのバードウォッチングは「カモ散歩」がおすすめ!

    はじめてのバードウォッチングは「カモ散歩」がおすすめ!

    初心者におすすめの季節到来!バードウォッチング

    初心者におすすめの季節到来!バードウォッチング

    明治神宮は野鳥の名所。「都会でバードウォッチング体験」が想像以上に楽しかった!

    明治神宮は野鳥の名所。「都会でバードウォッチング体験」が想像以上に楽しかった!

    「日本野鳥の会」が野鳥のヒナとの関わり方がわかる小冊子を配布中

    「日本野鳥の会」が野鳥のヒナとの関わり方がわかる小冊子を配布中

    広島県おおの自然観察の森で野鳥観察 211212[読者投稿記事]

    広島県おおの自然観察の森で野鳥観察 211212[読者投稿記事]

    春のバードウォッチング入門 里山から低山で見られる野鳥15種【前編】

    春のバードウォッチング入門 里山から低山で見られる野鳥15種【前編】

    覚えておきたいバードウォッチングの基本10種+α【後編】

    覚えておきたいバードウォッチングの基本10種+α【後編】

    野鳥よおいで![読者投稿記事]

    野鳥よおいで![読者投稿記事]

    覚えておきたいバードウォッチングの基本10種+α【前編】

    覚えておきたいバードウォッチングの基本10種+α【前編】

    NEW ARTICLES

    『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

    これはだーれだ?雪に残った動物の足跡「アニマルトラック」の楽しみ方をプロに教えてもらった

    2025.01.23

    はじめてのバードウォッチングは「カモ散歩」がおすすめ!

    2025.01.16

    関東の梅の名所11選!春のおでかけにおすすめの梅まつりも

    2025.01.16

    東京都の梅の名所11選!開花時期や見どころ、イベントも紹介

    2025.01.13

    ジュズダマの実を砕いて煎ってお茶にしたら…おなじみの味になった!

    2024.12.03

    "お宝"がザクザク見つかる「ビーチコーミング」とは?地球の歴史も学べるのだ

    2024.11.28

    浜に打ち上げられた海藻を有効活用してみよう!

    2024.11.26

    秋の夜長を飾る変光星のアルゴルとミラ。今年の明るさはどちらに軍配が上がるのか?

    2024.11.16