いや〜、久しぶりにね、12年の時を経てついに自身二度目となる奄美大島へ行ってきました。11月の話なんですが、こうして実際に旅を終えて振り返ると思わずニヤけてしまうほど嬉しいことが沢山ありましたのでね、ここに綴ろうかと思います。
意外と近い!奄美大島旅行のススメ
今回は3泊4日の駆け足でした。北部奄美の魅力的な複数のゲストハウスに投宿しましたのでね、「ゲストハウス探訪」というサブタイトルでお届けします、はい。
前回奄美大島を訪れた時は、今回とは逆にほとんど南部の地域で過ごしたかと思います。小型船に乗って加計呂麻島へも渡りライブをしたことをよく覚えています。
その時は3、4人で行動していましたから、一人きりの感覚と感性を見開いて島を楽しむというより、ライブツアーの流れやノリで満たされたチーム的な雰囲気の中の旅でしたのでね、島に暮らす人たちとのパーソナルで濃密な時間は少なかったかもしれません。
しかし今度の旅は一人きりです。どんな出会いが待っているのか、行く前から楽しみで仕方ありませんでした。
まずは奄美大島までの道のりの話から始めましょう。僕の住む熊本から奄美大島へ飛ぶ飛行機に乗るには、とりあえず鹿児島空港まで走ります。鹿児島空港は熊本から向かえば、鹿児島市内よりも手前にあるので、そこでまず「意外と近いな」って印象を受けます。
それからフライトですが、ほんの1時間足らずで到着してしまいます。離陸してちょっとうつらうつら微睡んでいると、もう飛行機は着陸の体勢に入っていました。ここでまた「やっぱ意外と近いな」となるわけです。
早めに予約すれば往復で15,000円を余裕で切ってくるエアチケットも「安いな」って印象を受けます。
それから鹿児島空港の周辺の駐車場がリーズナブル。日によっては満車満車で空きを見つけるのにひと苦労するようですが、早めに行って待っていれば、必ずやどこかの店舗が空車の表示になります。
今回は3泊したのですが、旅を終えて帰って来た日に最終的に出庫ゲートでお金を支払ってみると、たったの1,000円でしたのでね、「やっぱ安いな」となるわけです。
これってもしかして、毎年訪れている種子島や屋久島に行くよりもむしろ「交通費とか意外とかかんねーんじゃねーか説」が僕の中でトレンド入りしたほどの大発見であり、「マジで恋する5秒前」ならぬ「マジで嬉しい誤算だね」だったわけです。
なのでね、僕はこの冒頭にて高らかにかつ大胆に宣言したいと思います、これから毎年奄美大島にライブやりに行きますっ!てことをね。
きっかけは僕のサーフボード
さてさて随分と前置きが長くなってしまいましたが、今回はある二組の方々とのご縁で島に渡る事になりました。
お一人は熊本から奄美に家族で移住し、ブリトーのお店「サンドヤワラジ」と居酒屋「ルリイロ」の2店舗を経営していらっしゃるリョウタくん。そしてもう一方は、湘南などで僕がライブをするときによく来てくださっている、ダイビングガイド兼ゲストハウスオーナーのアキくんとアイさんご夫婦です。
それは、このご夫婦がリョウタくんのお店「サンドヤワラジ」に初めて行った時の出来事だそうです。店内に一枚サーフボードが飾ってあったらしいのですが、驚くべき事にそれはかつて僕が使っていたサーフボードだということが判明し、僕の話でひとしきり盛り上がってくれてね。
そして自然と「奄美でライブしてほしいねー」みたいな流れができて、今回の旅のブッキングに繋がったというわけなのです。
随分と前にまったく別の友人に譲っていたそのサーフボードのこと、僕はすかっり忘れてしまっていました。巡り巡って奄美大島のブリトー屋さんの壁に飾られているなんて夢にも思いませんでしたし、不思議なご縁を感じないわけにはいきません。
この話が舞い込んだ時は、僕のほうがむしろ縁をたぐり寄せるような勢いで乗ったような気がします、その波にね。
こうして降り立った12年ぶりの奄美大島ですが、やはり前回の記憶がほとんどライブのシーンですのでね、移動中なんかこう目に飛び込んでくる景色を、あるいはありのままの島の姿を眺めるのはいい意味でまるで初めてのような気がしてね、それはそれでとても嬉しかったのです、はい。
特に今回は奄美の原風景が色濃く残る北部のエリアを、2本のライブをこなししつつ堪能しました。入り組んだ海岸線や原生林、昔ながらの街並みや小さな集落の狭い路地などなど、何気ない風景こそ静かな感動が得られるものです。
初日2日目と連泊したのは、「檸檬草」という名前の、笠利町のとある集落にひっそりと佇むゲストハウスでした。「自然の香る宿」をテーマに奄美の風土を想起させるものや素材を生かし、民家を全改修して作られたそうです。
檜床、土壁、古材の梁などでシックにしつらえてある内装はとても落ち着く空間になっています。離れにあるお風呂の桶も総ヒノキでね、旅の疲れも吹き飛ぶ心地よさでした。
せっかく遠くまで来たのにって思うくらい、そこにずっと留まりたくなってしまうほどシックリときちゃう宿ってあるじゃないですか、まさにあれです。
しかも思いがけず、この檸檬草から歩いてわずか2分のところに、今回僕を島に呼んでくれたひとり、リョウタくんのお店「ルリイロ」があるではありませんか。なんという嬉しい偶然でしょう。
ルリイロで出されている料理はとても魅力に溢れています。ムロアジの南蛮や新鮮な刺身などの地魚料理に、もずくの天ぷら、パパイヤのキムチ冷奴ね。面白いことにこっちってパパイヤは漬物になるんですね。
これが意外とイケるんです。それからリョウタくんが熊本出身なのでね、奄美では珍しく馬刺しが提供されることでローカルの常連さんの間でウケているらしいです。
ありがたき島料理に舌鼓を打った後は、夜風にあたりながら、そして時折立ち止まっては星を見上げながらゲストハウスに帰ります。宿から歩ける距離に調子のいいお店があるってのは、旅において最高のシチュエーションです。
嬉しい出会いと新たにできる出会いの場
さて滞在2日目はゆっくりと動き出しました。ライブの前にまずは腹ごしらえ。なかなか予約が取れないと噂の人気店、海辺のイタリアン「Kulu-Kulu」へ、ランチタイムに足を運びました。
ここがまたホントね、最高だったんです。開放感とはこのお店のためにある言葉なのではないかと思うくらい気持ちのいいロケーションと、野菜や魚など島の食材をふんだんに使ったサラダにパスタにピザなどのバリエーション豊かなランチメニュー。
そしてビンテージ感たっぷりのサーフガレージ風の内装は、僕の趣味嗜好にもどんぴしゃりで、ああ我が基地もこんな風情のスタジオにしたいななんてね、どこに目をやっても釘付けにさせられてしまうほどの雰囲気でした。それでいて決してゴージャス寄りではなく、あくまでもさりげなくてね。
前菜のサラダもパスタも素材の良さが生かされた自然な味で、まるで体にすっと馴染むようでしたよ。
海風と潮の香りを感じながら、曇り空の下でも美しい輝きを保つ海を眺めながらね、この上なく贅沢な時間を過ごしましたよ、ほんと。
「あの、もしかして東田トモヒロさんですか?」
「はいそうです。」
「聴いています。ぜひウチでもやってください(ライブとはおっしゃいませんでしたが、ギターを弾くジェスチャーを交えながら)!」
なんとね、シェフは僕のことご存知だったんです、嬉しいことに。
音楽雑誌の表紙を飾ったことなど一度もありませんが、サーフィン雑誌の表紙になったことはあるという稀有なエクスピアリアンスを持つ僕に、時々起こる嬉しい出来事のひとつがこのパターンです。
こんな時つくづく思います、音楽と同じくらいの熱量で波乗りやってきてよかったなあってね。ただ単に好きなことをやってきたというだけのことですが、はい。
兎にも角にもこのように、前回とは違って早速熱いご縁が生まれつつある今回の旅です。
檸檬草での宿泊やKulu-Kuluでの食事は、東京からの友人T氏と一緒でした。彼は「バケーションレンタル」、いわゆるひとつの貸別荘業を仕事としているのですが、わざわざ僕の奄美でのライブに合わせてカメラマンのマッキー氏を伴って来てくれたのです。
というのもT氏はまさに今、彼がプロデュースするバケーションレンタル施設を奄美に建設中なのであります。
ランチの後ね、Kulu-Kuluからもすぐ近くにあるその建築現場を見学に行きました。
海沿いの坂を登り切った場所に現れたとあるスペース。広々とした小高い丘の上に、建築中の2棟の家が建ち並んでいます。それぞれまだ完成には至っていませんが、棟上げは終わっていて、内装や外壁の工事の真っ最中でした。
T氏によれば2月あるいは3月ごろには完成予定だとか。これからウッドデッキや芝生のガーデンスペースもたっぷりと加えて、プールやジャグジー、サウナなども併設すると言うではありませんか。
うーん、オーシャンビューのこんな宿泊施設を作るなんて、我が友ながらなかなかやるな、などと思いつつちゃっかりテスト宿泊の予約を取り付けておきました。ここでもまた奄美大島に再来すべき理由ができてしまいましたと、ねっ!
奄美のパワーを全身に浴びて
リョウタくんが主催する浜辺のキャンプ場でのライブは、ローカルを中心に活躍する素晴らしいミュージシャンやDJ陣、手作りのフード出店などとても賑やかで、子どもたちもたくさん来ていました。
雨模様でしたがそれでも奄美らしく明るく華やかな雰囲気です。演奏していて思ったのですが、島に住む人たちの音楽を愛する心は、とても自然に解放されているような気がします。そこにはやはり島の持つベーシックなパワーと言いますか、奄美に宿る何か神秘的な魂を感じないわけにはいきません。
翌日は青空が広がりましたのでね、みんなで海へと向かい、僕は12年ぶりの奄美サーフを楽しみました。その日は低気圧が過ぎた後のウネリが残っていてね、旅先の僕にとっては最高に近いコンディションでしたよ、ホント。
リョウタくんからクラシカルなロングボードを借りて、のんびりメロウに波乗りを楽しみました。本州九州と比べても、やはり一段二段上のレベルの透明度。11月ですがウエットスーツも暑いくらいに感じましたからね。
奄美の11月上旬は、まだまだ暖かい上に観光客も比較的少ない時期のようなのでね、もしかしたら意外と狙い目なのかも知れません。いつも僕は「ずらしの美学」という独自のフィロソフィーを伴って生きています。
多くの人々の行動から逸れて、なるべく空いているほうにスライドしながら生きるっていう感じでしょうか。それはサーフポイントにおいてもまた然りで、ワンサイズ小さい波でも、誰もが見逃している波を探す。
そうするとトラブルを回避できますし、本数も楽しめる。奄美の海に打ち寄せられた僕だけの波に何本もチャージできて、もう最高でしたよ。
温かいシークレットライブ……また来ます!
さてさて今回のゲストハウス探訪、3日目の宿は(2日目に訪れた先程の宿は建設中なのでもちろん泊まれてはいませんが)前半でチラリとご紹介したアキくんとアイさんご夫婦の営む「珊瑚の家」です。
用(よう)というとても静かな海辺のエリアにある、古民家をリノベーションしたこのゲストハウスは、そのほとんどがアキくんとアイさんによるDIY。DIYもここまでくると業者レベルですかと言わざるをえません、マジで。僕も日曜大工は嫌いなほうではないので、参考になったり感心したりで、とても興味深い空間でした。
外見は小さな奄美的古民家ですが、中に入ればリビングの天井がぶち抜いてあるのでとても広々と感じます。壁紙の色や照明なんかはアイさんの柔らかいセンスが活かされていて落ち着きを感じさせます。
なによりビーチのすぐそばですから、夏なんかファミリーや友達同士でワイワイと海水浴や磯遊びを楽しむ拠点として過ごすのは最高でしょうね、間違いなく。
そしてご主人のアキくんはプロのダイバーでありインストラクターです。奄美の海の美しさを思い切り五感で味わわせてくれるはずですのでね、こちらに宿泊しつつダイビング体験というゴールデンコースはとびきりのルーティンとなるでしょう、きっと。
奄美滞在最終日の夜、珊瑚の家の庭先でシークレット的なライブをさせてもらいました。とても暖かいホームパーティーのような雰囲気の中でね。
ちなみにそこで振る舞われた大阪出身のアキくんの、本場仕込みの「珊瑚の家特製たこ焼き」は、これまで食べたありとあらゆるたこ焼きの中で最も美味しいものでした、ほんとに。
おそらく奄美産のタコが決め手なのでしょう。そんなオプションはないかとは思われますが、すこぶる気のいいご夫妻なのでね、こちらのゲストハウスにお泊まりの際は尋ねられたらいいかもしれません思い切って、
「アキさん特製のたこ焼きは食べれますか?」とね。
珊瑚の家でのライブは、随分長いこと会えていませんでしたが、15年来の友人、奄美出身奄美在住の画家ISAOくんが訪ねてきてくれました。しかも彼自身約10年ぶりというライブペインティングまで披露してくれて、もう最高のセッションになりました。
僕の音や歌からインスピレーションを得て、自由に描いてゆく彼の作品は、相変わらず唯一無二の輝きを放っていました。柔らかくてしなやかで、それでいて力強くて。
彼もやはりサーファーです。大自然のエネルギーを身に纏ったその佇まいは、出会った頃と少しも変わっていませんでした。
離れて暮らしていても、時々しか会えなくても、多くの言葉を交わさなくても、心の深いところで分かり合える友がいます。僕にとってISAOくんはそんな人だななんて、ライブを終えて二人して星空を見上げていた時思ったものです、うん。
こうして出逢った皆さんのおかげでね、僕は一段と奄美大島が好きになりました。きっとこれから毎年秋になったら奄美に来ることになるんだろうな。
*今回の写真の一部は、旅に同行してくれたカメラマンマッキー氏によるものも交えてお届けしています。
写真家 マッキー氏のインスタグラム
https://www.instagram.com/mackey00001?igsh=M3VmMGppYjNhaHdy
画家 ISAO HAYASHI氏のインスタグラム
https://www.instagram.com/isaohayashiarts?igsh=a3g4ajVuNnpyeXY0
今月のアウトドアにおすすめの曲
Foo Fighters 「Walking after you」
激しめのイメージのバンドが時折みせる極上のメロウ。デイヴのボーカルのタッチは奄美の星空のようです。
東田トモヒロNEWS
最新のLiveスケジュール
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Rice Field Fes✖️Change the world
東田トモヒロをリーダーとして10年以上続けている被災地支援活
今年収穫したお米は、能登輪島や福島南相馬に贈られます。
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新曲「For You Blue」が先行配信シングルとして 2025.01.17(Fri)に配信!
ビーチライフスタイルとサーフカルチャーの新しい価値を提案する新雑誌
「SALT…」が監修するサーフミュージック・コンピ「SALT… meets ISLAND CAFE」の最新CD
「Sea of Love 2」(2025/1/29発売)に東田トモヒロの新曲「For You Blue」が参加しています。
2025年1月17日(金)に配信スタート。
★配信リンク⇒https://linkco.re/C2cuhZtV
【2025.2.8〜15 東田トモヒロ 雪旅 2025北海道】
今年も冬の北海道を旅します。詳しい情報はライブスケジュールをご覧ください。
http://live.higashidatomohiro.jp/
サブスクリプションコミュニティTSC(Tomo Surf Club)
シンガーソングライター東田トモヒロとつくる、
月額制のサブスクリプションで、独自の配信ライブや、
https://community.camp-fire.